連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金を貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。
限られた予算で生活することは苦痛ではないのか? 私自身そう思っていました。しかし、やってみると意外に楽であることに気づかされました。例えば節約生活を始めた当初、食費は外食費も含めて月1万円でした。「たったそれだけ?」と思われるかもしれませんが、実際にそれでやりくりができたのです。当時の家計簿を見ると、1週間の食費の予算は2,000円で、これを5週で管理をしていました。
もちろん、週2,000円でという低予算で食費をまかなえたのは、住んでいた場所がたまたま激安スーパーがあるエリアであったことや、時代的に物価が特に低かったことがあるからかも知れません。例えば、砂糖1キロ105円、醤油1リットル88円、バターが1箱199円と今ではあまりお目にかかれない値段が付いていました。そんな中、よく購入していたのが、ニラ3把で100円、豆腐4丁で100円、卵1パック79円といった激安食材でした。
買い物へ行く時は、1週間分の食費2,000円が入った封筒しか持たないように。これなら、買いすぎることもありませんし、限られた予算の中で優先順位の高いものを買うようになるので、ムダ遣いをすることができません。当然、外食はほぼゼロ。会社や友達付き合いの飲み会にかかる費用は、食費からではなくお小遣いから出していました。また、お米は実家から送ってもらえたので、そういった意味ではとても恵まれた環境だったのでしょう。
よく作るメニューはニラ玉、豆腐の卵とじといったフライパン一つでできるものや、野菜と豆腐のカレーといった、1度作ったらしばらく食べられるものが多かったと記憶しています。野菜と豆腐のカレーの作り方ですが、まず、さいの目切りにした玉ねぎ、ジャガイモ、にんじん、セロリ、大根を油で炒めて、塩、コショウをふりかけ、粉末かつおだし、味噌少々を加えて野菜が柔らかくなるまで煮ます。その煮立った鍋の中に、豆腐をザルで漉しながら加えると、ちょうど豆腐が挽肉のようにポロポロになるので、あとはルーを入れてとろみをつけるだけでした。挽肉風カレーの出来上がりです。
冷蔵庫は冷凍室のないとても小さい1ドアの備え付けのものでしたので、1回あたり500円程度の買い物しかできません。それも家に帰ってから使う分くらいでしたので、見切り品や"おつとめ品"といった、今日食べるならギリギリ賞味期限内といった食材を選び、それを使って、自分の数少ないレパートリー中でできるものを考えて作っていました。冷蔵庫が大きいと1回あたりの買い物金額が大きくなる傾向があるので、そうした意味では、当時の私にとってこの冷蔵庫の容量は幸運だったのかも知れません。
少ないながらも毎週の食費が確保されていることで、気持ちが落ち着きました。今まで、給料日を指折り数えて、残りの日数と残っているお金とを考えながら不安な気持ちで生活をしていたのですが、はじめに払うものを払い、貯めるものを貯めて、残りで予算分けをすることで、それでやりくりしさえすれば1カ月生活できるという安心感が得られたのです。そのお陰もあって、給料日直後にショッピングに走ったり、通販で買い物をするといったこともなくなりました。
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