連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金を貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。
結婚後もお互い働き子どもがいない、いわゆるDINKS世帯となった我が家。そして、早々に自分自身が専業主婦に向かないことを悟り、よほどのことが無い限り、このまま働き続けることでしょう。
とはいえ、どの企業に属しているわけでもなく、誰も雇わず、ただ1人でコツコツ自宅で作業をして、時々打ち合わせで外に出るだけの身分です。それほど負担がかかる仕事ではありませんが、比較的波のある業種のため、忙しいときもそうでない時もあります。忙しい時は誰かを雇って手伝ってもらおうかとも思うこともありますが、弱小個人事業主がそのようなことができるわけがありません。それに人手が必要になれば、外注でお願いすれば済む程度ですから。
このDINKS時代は、"貯蓄の黄金期"と言われるくらい、お金が最も貯めやすい時期です。夫婦共働きで、しかも子どももいないとなれば、単なる2馬力とは違います。ターボエンジンが搭載された2馬力だと私は考えています。とは言え、このターボエンジンが搭載された2馬力でも、その操縦を誤れば、加速度が付いたように浪費に走ってしまうこともあります。
遣えるお金が増えたと錯覚を起こして、グルメ、旅行、服、美容、趣味などにつぎ込んでしまうのです。頭の片隅には、妻は夫が、夫は妻が「しっかり貯めていてくれているだろう…」とどちらかをアテにしながら浪費を続けてしまうという構図は時々耳にします。それが、住宅を買う段階になってお互いの預金通帳を付き合わせた時に発覚して、お互いがお互いを罵り合うなんてことはめずらしくないようです。
これは、夫婦のお財布が別々であることの弊害だと私は考えます。私自身は夫のお金がアテに出来ないことを早い段階に悟ったので、自分のお金は自分で管理をして、生活費を稼ぎ、これから老後を迎えるまでのシミュレーションをしてお金を貯める計画と仕組み作りの再点検をすることにしました。その中で早く済ませておきたいと思うことが、住宅ローンの完済です。DINKSは黄金期であることを事前に知っていた私は、できるだけ貯蓄に回すことにしました。そして、出産までに住宅ローンの完済を心に誓いました。
とは言うものの、結婚で遣えるお金が増えるとなぜか増えるのが、お金を遣う誘惑です。この世の中は不思議なもので、遣える金額によってそれぞれのランクの消費財が用意されていて、消費欲を刺激してくるのです。
例えば、洋服なら遣える予算に応じたショップへ、読む雑誌は「節約、収納、ダイエット」といったキーワードから、「一生もの、大人買い」といったキーワードに変わるように。もちろん、良いものを長く着る、使うといったことは悪いことではないですが、ただそれを「言い訳」にして買い物を続けたら、お金はいくらあっても足りません。
そこで、優先順位を決めることにしました。やはり、一番は今のうちに住宅ローンの完済であることに変わりはないという結論に達しました。ある意味住宅は一生ものですから。このとても大きな一生ものをいつか手放す時がくるかもしれないけれど、その時は良い意味で手放したいと願ったからです。