連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金をお貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。
一体私はどのような仕事がしたいのだろう? どんな仕事が向いているのだそう? 仕事と一人暮らしにも慣れてきた頃、考えることはこのことが多くなってきました。確かにアルバイトである程度生活ができる給料と、自由な一人暮らしは二十歳そこそこの私にとってはとても魅力的ではある。しかし、このままでもよいのか? そんな不安がいつも頭の中を渦巻いている。「誰にも迷惑を掛けていないなら、このまま気楽に生活をするのも悪くはないのでは?」と不安になり過ぎるあまり、考えることを放棄したくなる時もありました。けれども、やはりこの生活ではいけない、しかしこの生活のどこが悪いのかはまだその時は明確には気づくことができないでいました。
何とも言えない不安感は、日に日に増していきました。そして不安感の1つ目は「仕事」のこと、2つ目は「お金」のこと、3つ目は「将来」のことだと気付きました。やはりいつまでもこのままフリーターとして生活しているわけにはいけない。フリーターのままでは社会的信用や、社会保険、ボーナスもない。できることならまた正社員として働きたい。そしてお金を貯めたい。貯蓄が10万円から増えないなんて、もし病気になって働けなくなったら生活費はどうすればよいのか? お金が無いことは、私自身をとても不安にさせていました。そしてさらに、出勤や遊びで着る服や靴、鞄(かばん)が欲しい、そして部屋も雑誌に載っているようなセンスがよいと言われる部屋にしたい。友達と旅行だって行きたい。といった欲も出てきました。しかし、残念なことにお金がないから叶えることができない。でも、それらを消費者金融で借りたりするようなことは絶対にしませんでした。
悩んでいても前には進めませんが、なかなか前に進むきっかけが無かったというのも事実。仕事は辛くもありましたが、常連のお客さんとも少しずつ話しができるようになり、いろいろな持ち場を経験させてもらえるようにもなり、やりがいと責任感も出てきました。ある日いつものように常連さんとの会話の中で、常連さんが所属する会社かその系列の会社のタレントとして働いてみないかというお誘いがあり、その時は答えを保留にしたのですが、その常連さんが帰られた後、その話を聞いていた店長に、「明日から来なくていいよ」と言われ、実質クビになってしまいました。もちろん、私自身は美人でもなく、モデル体型でもない、どうしてその常連さんがそのようなことを言ってきたのかその真意はわかりません。会話の中で、店長の機嫌が悪くなる話だったのかも知れません。そんなこんなで、私は仕事を失ってしまいました。仕方がないのでその日の夜はコンビニに寄って、アルバイト雑誌と転職雑誌、いつも買っている1リットルの麦茶パックを買ってアパートへ帰りました。
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