連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金を貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。
節約を続けて貯蓄500万円を達成した頃に、ついにその機会が訪れました。それは、この連載の第3回でも述べた、自分の住まいを手に入れるということ。住宅購入の頭金として想定していた1,000万円にはまだまだ足りない金額でしたが、なんとかなりそうな気がしてきました。
住宅に関しては、「購入するのと賃貸で住み続けるのとどちらがお得?」といったテーマがよく出ますが、最終的に決めるのは、本人の意思だと思います。私に関しては、購入した物件は、購入という形でしかその家には決して住むことができなかった物件でした。つまり、私の「この家に住みたい」という思いが、購入につながったのです。
また、「不動産はいつが買い?」というのも、住宅購入に関してよく出てくるテーマです。例えば、「消費税増税前がお得」だとか、「消費税増税後は需要が減って値崩れを起こすので、増税後の方がお得」だとかいった話題です。
ただし、不動産は二つとして同じ物件はないということを考えると、住宅購入は、"縁"という要素が強い買い物だと思います。したがって、資金の用意などのタイミングが合うのなら、増税前であろうが後であろうが、迷うことはないと私は考えています。
もちろん、住宅購入においては、物件の立地や周辺環境、物件の内容などをよく検討する必要があります。また、頭金ゼロで全額を住宅ローンで購入するのは避けるべきでしょう。頭金の目安は、一般的には物件の3割と言われています。2割は純粋な頭金、1割は購入時の諸費用です。
私がほしいと考えた物件は、駅から5分以内の3LDKのファミリータイプのマンションでした。徒歩圏内にスーパーやドラッグストアが数店舗あり、郵便局や銀行といった金融機関も充実していました。大きな街ではなく、こぢんまりとした商店街があり、基本的な生活に不便のない住みやすい街です。大きなデパートや商業施設が近隣になかったのも気に入りました。そういった施設は、確かにあれば便利ですが、あったらあったでムダ遣いが増えるからです。その点については、この連載の第9回でも触れた通りです。
そのマンションは、それまで住んでいた、「狭くて、日当たりが悪く、壁が薄く、駅からも遠い」アパートに比べたら、「広さ、清潔さ、駅からの距離」など、全てにおいてパーフェクトでした。モデルルームを見てテンションが一気に上がったのですが、今思えば、モデルルームがきれいで魅力的なのは当たり前…。ですが、当時住んでいたアパートと比べると、夢が広がるのもムリもない状況だったと思います。
もちろん、気に入ったからといって、必ず購入できるとは限りません。マンション価格の約3,000万円に対して、頭金は500万円しかありませんでした。入居までに1年あるとしても、頑張って貯蓄して600万円ちょっと。頭金の3割である900万円には、あと300万円ほど足りません。
その時に助けてくれたのが両親でした。まさか私がそこまでお金を貯めているとは知らず、「それだけ頑張ったのなら…」、と結婚資金の前払いとして300万円をくれたのです。このお金は住宅贈与の特例を利用したため、非課税で済みました。両親には、今でも心から感謝しています。
ついに、頭金の900万円を用意する目処がつきました。しかし残りのお金は、住宅ローンを組まなければいけません。"次の試練"は「審査」でした。
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