連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金を貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。
節約を初めて2年後、節約が板についてきて、私の生活費は月4万円で済むようになっていました。その当時の私にとって、4万円は最低限の生活と少し楽しい事ができる金額。あればあるだけ使ってしまうけど、無ければ無いなりに頑張れるタイプの私にとって、全く辛くはありませんでした。
その結果、貯蓄額は順調にその数字を伸ばし、月の終わりに家計簿を集計するのと貯蓄ノートの残高を見るのが楽しみになったのです。貯蓄の残高が300万円台から400万台となり、数字が積み上がっていく楽しさももちろんありましたが、それよりも「住宅を買う」という夢に着実に一歩一歩近づいていることで、やればできるという自信を強く感じるようになっていきました。
今思えば、この時がまさに人生におけるお金の貯め時であり、そのチャンスを逃さなかったことが、その後の人生に大きく役立ったのだと思っています。独身の時期は、管理するお金、必要とされるお金がそれほど多くありませんから、その時に家計の管理や節約のスキルを磨いておくことこそ、後々役に立つことになると実感しています。
節約に役立つスキルはいくつかありますが、2つ挙げるとすれば、「手作り力」と「応用力」ではないでしょうか。「応用力」で言うと、例えば、捨てようとしているものをもう一度手に取って、「何かに使えないか?」と考えると、別の使い道を思い浮かぶことがあります。また、「手作り力」で言えば、何かが欲しいと考えた時に、家にある材料で手作りすれば、お金はほとんどかかりません。
その当時は、テレビをほとんど見ることもなく、仕事以外で外に出歩くことも少なくなっていたので、必然的に家で過ごす時間が増えます。ただぼーっとしていても仕方がないので、何かを無心に作って、少しでも家計の足しになるようにしていました。
もちろん毎日食べる食事は、自炊が中心です。アパートに備え付けの1ドアの冷蔵庫では、安い食材をまとめ買いすることはできませんでしたが、残った食材を組み合わせたり、前の晩に作った唐揚げを残しておいて次の日はその唐揚げを利用して炒め物を作ったり。一度に全ての材料を使い切るのではなく、例えば、1丁の豆腐を一度に全て使わずに、3分の2を麻婆豆腐、3分の1を味噌汁といった具合に使い回します。
もちろん、「麻婆豆腐の素」は使わずに、豆板醤、醤油、豆鼓醤、オイスターソース、鶏ガラスープといった中華料理の基本となる調味料で作ります。これができるようになると、麻婆春雨、麻婆ナス、麻婆大根など応用ができるようになりました。炒め物をよく作っていた理由は、簡単ですぐにできて、ガス代も安く済むからです。炒め物を作れるようになれば、仕事から帰る途中でお腹が空いていても、コンビニか何かでお弁当を買おうという欲求が抑えられます。帰宅してから食事ができるまで短い時間で調理できるからです。調理に長い時間かかってしまうと面倒ですし、空腹に耐えられなくなってお菓子やパンを食べてしまったらそれこそ節約になりません。
ご飯がなければ、ストックをしているパスタやうどんといった乾麺を茹でて食べていました。パスタもうどんもよくカルボナーラを作っていました。卵にホイップクリームと粉チーズ、塩、黒コショウを混ぜたものを、ゆであがった麺にからめるだけです。仕事上、年末年始を休むことができませんでしたので、年越しそばならぬ、"年越しカルボナーラ"を食べたことも、今では良い思い出です。
自分で作れば安くて美味しい。安くて美味しいものを食べると幸せになる。私は気づいたら狭いキッチンで料理を作ったり、ミシンが無くても手縫いでチクチク編み物をしたりする時間を楽しめるようになっていました。
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