自転車に椅子やキャンプ道具を乗せて、ぶらっと出かける「サイクルチェアリング」。ライターのパリッコさんとスズキナオさんが始めた、アウトドア用の椅子を持って公園や水辺などの好きな場所でひとときリラックスする「チェアリング」に、自転車をプラスした楽しみ方とのこと。
イラストレーター・たじまなおとさんも、サイクルチェアリングを楽しむひとり。全5回のこの連載では、たじまさんがハマったサイクルチェアリングの遊び方を伺います。
第2回は、たじまさんが実際にサイクルチェアリングを楽しんで感じたことをご紹介します。
サイクルチェアリングをやってみて気づいたこと
緊急事態宣言に入ってから、居酒屋が閉まり公園や河原に人が押し寄せるようになり、屋外でも飲食禁止になっているところが多くなりました。人混みを避け一人でひっそりと行っているとはいえ正直サイクルチェアリングの紹介どころではないのですが……。
感染者がそんなに多くない地域の方や、宣言が明けてからの参考になればと思い、私なりにサイクルチェアリングをやって気づいた点を書いていこうと思います。
サイクルチェアリングをするにあたり、どこへ出かけようかとGoogleマップで検索したところ、今まで引きこもってアニメばかり見て、自宅の周囲を散策してこなかったので気づいていなかったのですが、意外と大きな公園だったり、バーベキューやデイキャンプができる場所がたくさん存在していることがわかりました(アウトドアに興味がなさ過ぎて、デイキャンプという概念自体これまで知らなかったんですが……)
あっという間に、Googleマップに並んだピンがすべて屋外カフェのような状態に。
大体の行き先が決まったら、天気の良い平日やひと気のない早朝を狙って、コーヒーを入れる道具一式、もしくは家でいれたコーヒーを持って出発です。
走ることが目的だとたまにしか乗らないくせに、調子に乗って行けるところまで行ってしまいます。お尻はズキズキするし、太ももはパンパンで死にそうになりながら帰路に着く事になりがちですが、腰を落ち着けられそうなところを吟味しながら走る事で、いつもより周囲を楽しむ余裕ができます。
本格的なロードバイク乗りの皆さんにビュンビュン追い抜かれても臆する事なく、到着後ののんびりした時間を楽しみに、自分のペースで走ることができるので、行った先ですることがあるというのはなかなか重要です。それがただ座ってコーヒーを飲むだけでも。
目的地に着いたら、デイキャンプをしている親子連れのテントなどから離れたところにサクっとアウトドアチェアを広げて後はぼーっとするのみ。
その辺にあるベンチに座ってもいいんですが、背もたれのあるアウトドアチェアに体を沈めて目をつむり陽に当たっていると、まるで温泉に入っているようなジワジワとした心地よさに包まれ、いつまででもこうしていたくなります。
自然を久しぶりに体感すると、今までいつでも外に出れたのに、なんでもっと外に出なかったんだろう? と今更思います。
家でダラダラとTwitterばかり見たり、何もしていないと不安になりますが、晴れた日の屋外で何もしない時間は至福です。そこが特別な観光地じゃなくても。
最初はちょっと恥ずかしいかもしれませんが、是非トライしてみてください。
●注意事項
・感染防止のため、一人もしくは同居している家族と行い、出来るだけ人気(ひとけ)のない場所を選んで密を避けて下さい(私はフリーランスなので平日の人のいない時に行いますが、週末しか休みのない方は早朝などがよいかもしれません)
・火気禁止の場所では火は使わずお湯を持っていきましょう。現在コロナ禍でバーベキュー広場なども火気禁止の場合が多いです。
・私有地で行うのはやめましょう。河川は一般的に共有地ですが、迷惑にならない範囲で行ってください。
・ゴミは必ず持ち帰りましょう!