カップ麺ブロガーのtaka :aです。
これから辛いカップ麺の需要が増えてくる6月下旬―――。前回のアレンジレシピでは、セブン&アイグループの数量限定商品「蒙古タンメン中本 辛旨焼そば」を使い、どちらかといえば男性向けのガッツリとしたアレンジだったので、今回は女性の方でも楽しめる「辛ラーメン」のレシピを紹介します。
辛ラーメン(シンラーメン, Shin Ramyun)とは、1965年9月18日に設立された会社「農心(ノンシン, NONGSHIM)」の看板ブランドで、初めて発売されたのは1986年10月。それまで韓国の即席麺市場占有率首位を獲得していたのは三養食品(「ブルダック炒め麺」の製造者)でしたが、辛ラーメンの発売から三養食品を抜き、みごと19年連続市場占有率首位(72%)を維持する快挙も達成。
日本でも “韓国の辛いラーメンといえば辛ラーメン” と認知されるほど有名なブランドになり、スーパーやドラッグストアでも定番商品として取り扱っている店舗も多く、変わり種のキムチや辛さ200%の日本限定激辛カップ麺、さらにノンフライ麺を使用した袋麺のLIGHTなど、味のバリエーションも増えてきました。
しかし、袋麺の辛ラーメンはおいしいけど “カップ麺の辛ラーメンはおいしくない” と聞くことも多いので、麺の仕様を変えるのは容易ではありませんが、ちょい足しアレンジで味の雰囲気をガラッと変えてみましょう。
今回のアレンジに必要なもの
今回のアレンジに必要な材料は、パクチー(コリアンダー)、ライム、ごまドレッシング、すりごま、ラー油、花椒、イタリアンパセリ、ミニトマト、生ニンニク―――。以上が3選に使う材料全部です。パクチーやイタリアンパセリについては生のほうが味もいいのですが、お店によっては手に入らないこともあるかと思うので、小瓶の乾燥ハーブなどで代用していただいても問題ありません。
たとえばトマトを切ったり、パクチーを千切ったり、事前に手を加えなければいけない材料もありますが、基本は通常通りに調理した辛ラーメンに足すだけなので、分量などについては項目ごとに分けて順番に解説します。
辛ラーメンに別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」が1袋。袋麺には入っているチンゲン菜は見当たりませんが、日本のカップ麺では珍しいサイズの大きな椎茸(しいたけ)をはじめ、斜め切りのネギに歯応えの強いニンジンと具材に貧弱な印象は与えません。
先入れの粉末スープを麺の上にあけ、熱湯を注いだらフタをして3分待機。
2020年6月現在、スーパーやドラッグストアであれば税込108円~130円前後で購入できる縦型レギュラーサイズのカップ麺ですが、特殊な製法で作られた楕円形の麺線と特別に配合した高級麺用の小麦粉を使用しているのが「辛ラーメン」の特徴で、けっこう麺がしっかりとしています。
この手の麺は時間を守らないと逆に食感が軽くなることもあるため、可能であれば3分きちんと待ってください。では、順番にアレンジいきますよ。
トムヤム風エスニック系アレンジ
使用する材料は「パクチー」と「ライム」の2種類で、パクチーは事前に適度なサイズに千切り、ライムは好みで半分くらい搾り入れるのですが、ついでに飾りとして薄めの銀杏切りにしておきます。もし入手可能ならレモングラスやコブミカンの葉があるとベストではあるものの、容易に買える店が少ないため、それに近いライムで代用しました。
トムヤムには辛味と酸味が強いクリアな「ナムサイ風」とココナッツミルクを入れた「ナムコン風」があり、日本で人気なのは後者のクリーミーなタイプが多いように感じますが、今回のアレンジは前者に寄ったもの。とはいえ酸味は辛味を抑制する効果があるため、オリジナルの辛ラーメンよりも辛さが弱く、柑橘系の酸味で暑い季節にも後味スッキリ。
パクチーはクセの強い素材なので、好みに合わなければ省いていただいて問題ありませんし、ライムが手に入らなければレモン果汁でも大丈夫。またクリーミーな「ナムコン風」のトムヤムが好きな方は、ライムの量を半分くらいに減らし、ココナッツミルクもしくはコーヒーに入れるポーションタイプのクリームを入れるとマイルドになりますよ。
ごまドレで担担風アレンジ
担担麺に必須のラー油と花椒(かしょう, ホワジャオ)をはじめ、担担麺のごまといえばすりごまとごまをペースト状にして作る芝麻醤(チーマージャン)が定番ですが、ちょっと目を向けてほしいのが「ごまドレッシング」の存在。あまり入れすぎるとカオスなことになるため、とりあえず小さじ2杯~大さじ1杯までを目安に入れてみてください。
市販のごまドレッシングは甘みも強いので、ラー油と花椒で刺激成分を、すりごま(大さじ1杯ちょい)でパンチを強化。ちょっと一般的な担担麺とは違いますが、ごまドレッシングのクリーミーなコクと若干の酸味がアクセントに面白く、そのクリーミーなテイストを華やかに飾る花椒の清涼感はクセになること間違いなし。
一般的なラー油を「食べるラー油」に変えればフライドガーリックのパンチが付与されますし、砕いたカシューナッツをトッピングしても食感が面白いので、まだまだレンジの広い組み合わせです。
とりあえずイタリアン
ミニトマトは食べやすいサイズにカットして、数は2~3個。ここに生のバジルとチーズを加えてもいいのですが、ちょっとシャープにしたかったので、イタリアンパセリと生おろしニンニクを加えます。生おろしニンニクはチューブでもいいのですが、この手だと食塩のエッジも強いので、だいたい1cm前後を目安にしてください。
イタリアンパセリはセリ科の植物で、文字通りパセリの仲間。バジルよりもシャープな風味でありながら、パセリほどのクセはありません。けっきょく生おろしニンニクでゴリゴリにシャープな味になりますが、トマトの酸味とニンニクの食欲増進効果で梅雨~夏にもピッタリ。
ただ、どうしてもニンニクは人を選ぶ食材なので、人と会う約束をしている方や女性の方はトマト×バジル×チーズ×黒胡椒が安全かもしれませんというか安全です。
まとめ
辛ラーメンはアレンジの幅が広い商品なので、いずれも雰囲気がガラッと変わりますし、あくまでも上記は一例です。どのアレンジも熱湯を沸かすこと以外に光熱費は必要ないので、材料さえあれば試していただけます。たとえば納豆や温泉卵、チーズなど、それらを単体で放り込むのもオススメ。
もちろん袋麺でもお試しいただけます。上記のレシピから食材ひとつ置換するだけでも可能性の幅が広がるので、機会があれば試してみてください。