いまや冬の風物詩として市民権を得た元祖ネトメシ「カップヌードル ミルクシーフードヌードル」が初めて発売されたのは、2020年11月現在から遡ること13年以上前となる2007年11月12日。インターネット上で話題になっていた“シーフードヌードルを牛乳(ホットミルク)で作ったら美味しい”という「噂」が元ネタで、毎年恒例の変わり種です。
しかし、実は1997年よりも前から一部で“クラムチャウダーっぽくなる”と話題になっていた知る人ぞ知る裏技で、そこに着目した公式(日清食品)が本格的な開発プロジェクトを立案。消費者のクチコミを公式が反映して商品化すること自体、当時のカップ麺業界では異例の試みとして、2007年11月発売の第1弾から話題になっていました。
以降、公式が本気で再現した元祖ネトメシ「ミルクシーフードヌードル」は、2018年11月5日発売品から“北海道”をテーマに「北海道ミルクシーフー道(ドウ)ヌードル」という名称に改め、北海道産の生乳から作られた脱脂粉乳と北海道産のポテトを使うだけでなく、パッケージは北海道の形を背景に“SEAFOO道”のロゴを配置。
2019年10月28日発売品も引き続き北海道をテーマにしつつ、前年の北海道産ポテトは使用されなかったのですが、ミルクの甘みとコクをアップさせ、従来よりもクリーミーで濃厚な「北海道濃厚ミルクシーフー道ヌードル」にリニューアル。
本稿で使用する2020年11月2日発売の「北海道濃厚ミルクシーフー道ヌードル」は、2019年10月発売品と同じ栄養成分表示かつJANコードも変わっていなかったので、前年からテコ入れなしの再販となりましたが、まったくもって問題ありません。
麺は既存の「シーフードヌードル」と同じ油揚げ麺なので、新鮮味こそないものの、それだけにファンの期待を裏切ることなく「カップヌードル」のアイデンティティを表現。スープは脱脂粉乳(スキムミルク)のコクと二枚貝を彷彿とさせるシーフードの旨みから、なるほど“クラムチャウダー”ライクな味わいで、従来の商品よりもミルク感と若干ながら塩味も強化されました。
その反面、具材のイカは明らかに小さくなっていたので、そこにコスト調整を感じたのですが、それを踏まえても完成度が高く、筆者の運営しているブログでも高評価をつけました。というわけで、もちろんアレンジなしでも充分に美味しいカップ麺なのですが、さらに美味しく“劇的な変化が楽しめる”簡単ちょい足しアレンジを紹介します。
【ミルクシーフー道ヌードル×黒胡椒で中毒性アップ】
たったそれだけかよw などと侮るなかれ。まずは「カップヌードル ミルクシーフー道ヌードル」を通常の手順通りに調理したあと、粗挽きの黒胡椒(ブラックペッパー)をトッピングするだけの簡単なアレンジなのですが、ある意味これぞ究極のちょい足しアレンジといっても過言ではありません。
従来のスープよりも若干ながら塩気が強くなったとはいえ、とにかく全体的にマイルドなテイストが魅力となっている「ミルクシーフー道ヌードル」ですが、それを多めの黒胡椒で引き締めると様子は一変。クリーミーな洋風スープに、ピリッとした黒胡椒の刺激(ピペリン)は相性抜群で、つい次の一口を誘ってくる中毒性の高いスープにバージョンアップ。
白ご飯との相性はさておき、それよりも食パンやサンドイッチなどと相性がよく、スープの代わりにもなりますし、もはや公式に黒胡椒の小袋を別添してほしいレベルでオススメの組み合わせ。使用する黒胡椒は粗挽きで、カップヌードルの表面が8割ほど見えなくなるくらい、たっぷりと使うのがポイントです。
【ミルクシーフー道ヌードル×ベーコンチーズでワイルドに】
2017年に「ミルクシーフードヌードル」が10周年を迎え、チェダーチーズ風キューブ(キューブ状に成形したチーズ風味の油脂加工品)をトッピングしたアニバーサリー商品がリリースされたこともあるくらい、ミルクシーフードとチーズの相性は申し分ないのですが、そこに炒めたベーコンを加えると、元祖ネトメシが“悪魔メシ”に豹変する禁断のレシピ……。
ベーコンは麺と絡みやすく、そしてスープに風味が馴染みやすいように、薄切りベーコンを小さめにカットしてからフライパンで炒め、調理後の「ミルクシーフー道ヌードル」にトッピング。チーズは溶けやすいように細めのシュレッドタイプを用意して、こちらも食べる直前に加えて混ぜたら出来上がり。
溶けたチーズのコクとミルクシーフー道スープの相性は言うまでもなく、そこに交わるベーコンのワイルドな燻製感がポイント。魚介系が軸のクラムチャウダーライクなテイストから、ベーコン入りの大人っぽいシチューテイストに早変わり。マイルドさが売りの「ミルクシーフー道ヌードル」ですが、炒めたベーコンとチーズを加えることで、食事としての満足感も大幅にアップ。
ただし、お湯を入れる前にチーズをトッピングすると麺が戻りにくいので、食べる直前に入れてもスムーズに溶けるように、細めのシュレッドチーズを用意するのが重要です。
【ミルクシーフー道ヌードルに抹茶ミルク!?】
2020年7月6日に“じゃぱん ぬーどるずトリオ”として「カップヌードル 抹茶仕立ての鶏白湯」という変わり種が発売されたのですが、意外にも抹茶と鶏白湯が違和感なくフィットすることを証明した日清食品。それを思い出して「ミルクシーフー道ヌードル」に片岡物産の「抹茶ミルク やわらか風味」を入れてみたところ、いやいや思いのほか真面目に美味しくてビックリw
先に紹介した「黒胡椒ちょい足し」は、後味を引き締めて中毒性を高めるアレンジレシピ。その次に紹介した「ベーコンチーズちょい足し」は、食事としての満足度をアップさせるアレンジレシピだったのに対し、この「抹茶ミルクちょい足し」は“本来のミルクシーフードヌードルが持つ魅力(コンセプト)のクリーミーさを加速させる”アレンジで、なおかつ抹茶の風味が特別感を表現。
もともと「ミルクシーフー道ヌードル」にも北海道産の粉乳(スキムミルク)を多めに使い、なおかつ糖類の甘さを強めに効かせているため、抹茶ミルクに使われている砂糖や乳糖、全粉乳、加糖脱脂練乳なども違和感なくフィット。クリーミーな風味と甘さが大幅に強化され、ほんのり食塩の塩気が後味を引き締めてくれる、甘じょっぱい系のテイストが好きなら文句なしでオススメの組み合わせ。
一口に即席抹茶ミルクといってもメーカーによって塩気や甘みの強さが違うので、一概に適量を断言することはできないのですが、本稿で使用した片岡物産の抹茶ミルクを使用する場合、小さじ4~5杯くらいがベストかもしれません。
まとめ
確実に安パイな黒胡椒やベーコンチーズはもちろん、意外性の強い抹茶ミルクも「ミルクシーフー道ヌードル」と相性抜群で、なんだったら公式に抹茶ミルクを別添してほしいくらい。そのままでも美味しいカップ麺ですが、どれも本気でオススメのアレンジなので、ぜひ今年の冬は冒険してみてください。