秋といえば、月が美しい季節。なかでも特に月が綺麗に見える日を「十五夜」といい、十五夜は中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)とも呼ばれ、2020年は10月1日に十五夜を迎えます。
日本では縄文時代から月を神聖視していたようですが、十五夜に月を愛でるようになったのは平安時代における貴族の嗜み。当時の貴族たちは、空に浮かぶ月よりも水面や盃の酒に映った月を愛でていたらしく、江戸時代に入ってから庶民にも十五夜の風習が根付き始めました。
しかし、庶民の十五夜は月を愛でるよりも収穫祭や初穂祭の意味合いが強かったようで、秋の七草として数えられるススキを供えたり、15個の丸い団子を月に見立ててピラミッド状に積み上げたり、他にも里芋や栗などの農作物を備えて豊作に感謝していたことから、十五夜を指す「中秋の名月」は「芋名月」とも呼ばれています。
さて、前置きが長くなりましたが、この記事はカップ麺のアレンジが本題。ひとまず今年の十五夜に向けて、里芋や栗を使ったアレンジレシピを考案してはみたものの、いまいちコレだ!! といったレシピが思い浮かばず、とはいえ月を卵に見立ててトッピングするだけでは芸がないし……
などと思いつつ、もっともポテンシャルの高い具材は「卵」だったので、このページでは卵を使ったアレンジレシピを紹介します。
【今回のアレンジに必要なもの】
今回のアレンジに必要なカップ麺は、日清食品の「チキンラーメンどんぶり」と「カップヌードル シーフードヌードル」、東洋水産(マルちゃん)の「麺づくり 鶏だし塩」で3種類。
カップ麺にトッピングする食材は、市販の「卵」「キクラゲ」「オイスターソース」「片栗粉」「青ネギ」他、十五夜用に作った「団子」が余ったことを想定して、簡単なアレンジレシピも考えました。それでは、順番にいってみましょう。
【天津チキンラーメン】
ちょっと手の込んだアレンジになりますが、最初に紹介するのは日清食品の「チキンラーメンどんぶり」を使用したレシピで、チキンラーメンを天津飯もとい天津麺ライクにアレンジ。まずは水で戻した「キクラゲ」と「卵」2個、お好みで少量の塩胡椒を加えて混ぜ合わせます。
次に「チキンラーメンどんぶり」を調理するのですが、通常の手順通りに作ってはいけません。
まずは事前にザルを鍋の上に配置して、かやくのフリーズドライブロックを取り出し、カップ麺に熱湯を注いだら “1分ちょい” で麺とスープを分別。スープは鍋に入れたままにして、ザルにあげた麺だけ「チキンラーメンどんぶり」の容器に戻してください。
次に多めの油を中華鍋またはフライパンで温め、かに玉よろしく最初に混ぜ合わせておいた卵液で厚めの卵焼きを作り、鍋に分別しておいたスープを “半分くらい麺にかけてから” その上に卵焼きを配置。
あとは残りのスープにフリーズドライブロック(最初に取り出しておいた「かやく」)と少量の「オイスターソース」、それから輪切りにした「青ネギ」を加えて温め直し、手早く「水溶き片栗粉」でトロミをつけ、出来上がった餡(あん)を「チキンラーメンどんぶり」の上にかけたら完成です。
チキンラーメンと卵の親和性に疑う余地はなく、スープの温度が低下しにくい餡掛けで肌寒い季節にもピッタリ。やや面倒なアレンジですが、もちろん袋麺でも調理可能なので、料理が嫌いでなければ挑戦してみてください。
【カップヌードル茶碗蒸し】
前述の「天津チキンラーメン」は作るのに手間が必要なアレンジでしたが、こちら「カップヌードル茶碗蒸し」は「カップヌードル」と「卵」「電子レンジ」「耐熱容器」があれば試していただける簡単なレシピ。
今回は「カップヌードル シーフードヌードル」を使用していますが、王道の「カップヌードル(レギュラー)」をはじめ「カレー」や「トムヤムクン」など、お好みのフレーバーを使用していただいて構いません。
とりあえず好みの「カップヌードル」を通常通りに作ってから、スープを飲み過ぎないよう麺を中心に食べ進め、残ったスープと具材をマグカップなどの耐熱容器に移し、生卵を入れて混ぜ合わせます。
あとは耐熱容器に “ふわっと” ラップをかぶせ、500Wの電子レンジなら2、3分ほど加熱すれば出来上がり。蒸し器も使わない電子レンジ加熱だけの簡単調理にもかかわらず、きちんとカップヌードルの味を残しながら、意外と茶碗蒸しっぽいから侮れません。
ただし、残ったスープの量や卵の大きさ、電子レンジの熱量などによって加熱時間が変わるため、固まっていない場合は様子を見ながら少しずつ追加熱してください。
【月見団子を揚げてトッピング】
十五夜といえば欠かせない月見団子(だんご)を作って余ったとき、単純に杵付き餅よろしく茹でた団子をトッピングしても美味しいのですが、まだ茹でてない場合は “そのまま素揚げにして” トッピングしてみてください。
油の温度は170度を目安に調節し、揚げ加減は上記画像のように団子がプク~ッと膨らんだらオッケー。定番の「どん兵衛」や「赤いきつね」「緑のたぬき」など、和風カップ麺に入れても間違いないのですが、ノンフライ麺を使った「日清麺職人」や「麺づくり」などの “カップラーメン” に入れるのもオススメ。
今回は筆者の好みで東洋水産(マルちゃん)の「麺づくり」を使いましたが、醤油ラーメンや味噌ラーメンにトッピングしても違和感なく美味しいので、お好みのフレーバーで試してみてください。ふつうに調理し終わったカップラーメンに素揚げした団子をのせるだけのレシピですが、完全に沈まない揚げ団子ならではのサクッ、モチッとした食感が絶妙ですよ。
【まとめ】
以上、団子に関しては季節モノなので、余ったときに覚えていたら試していただきたいレシピになりますが、ちょっと手間でも作り甲斐のある「天津チキンラーメン」と手軽な「カップヌードル茶碗蒸し」は年中お試しいただけます。そのまま食べられる手軽さもカップラーメンの強みではあるものの、アレンジすると楽しみも増えるので、よかったらチャレンジしてみてください。