サクサクジューシーな唐揚げ。パラリとしたチャーハン。水っぽくない炒め物。そんな理想的な状態から程遠い中華おかずをつくっていませんか!? ここでは有名シェフが中華料理のお悩みを解決! いつものおかずがプロの味になること間違いなし!! 皆さんのお悩みに応えてくれるのは、東京・青山の中華料理店「Essence」のオーナーシェフ・薮崎友宏さんだ。弊誌チャーハン連載でも次から次へとおいしくて簡単なレシピを考案してくれる薮崎さんだけに、今回も期待しちゃうぞ!

薮崎シェフの大人気チャーハン連載更新中!

【連載】チャーハンを極めよう! - 身近な素材でつくる絶品レシピ


残り物の食材で、パパッとカンタンにつくることができるチャーハン。主婦にとっても1人暮らしの人々にとっても、なんともうれしい料理なのだが、"上手くつくる"となると、少々難しいのがこのメニュー。専門店のように仕上げるには、それなりのテクニックが必要なのだ。そこで、調理指導とレシピ考案をお願いしたのが東京・青山の中華料理店「Essence」のオーナーシェフ・薮崎友宏さん。
まず第1回目と第2回目では、基本中の基本である玉子チャーハンについて紹介。玉子を"先混ぜ"にするか、"後混ぜ"にするかの2通りを教えていただいた。

ジューシーな唐揚げがつくりたい!

定番おかずの唐揚げ。お弁当でも大活躍の一品だ。だが、「いつもパサパサしちゃうのよね」という声はよく聞く。子どもも男性も大好きなおかずだけにマスターしたい女性は多いはずだ。男性だって自分の大好きな唐揚げがいつでもつくれるのならうれしくはないかい?

皆さんのお悩みを解決するため、薮崎さんは大胆な方法を考えた。モモ肉を切らずに丸ごと揚げるのだ。さらに片栗粉をたっぷりと付けて揚げることで、肉汁が逃げずにジューシー、そして衣はサクサクッとした仕上がりになるのだという。

「切らずに揚げるジューシー鶏唐揚げ」

材料(2人前)
鶏モモ肉 1枚 / 塩 小さじ1/2 / 胡椒 少々 / 溶き卵 大さじ2 / 片栗粉 (もみ込み分 大さじ1/ まぶし用 適量) / ベビーリーフ 適量 / 塩(食べる際に) 適量 / レモン 適量 / サラダ油 適量

つくり方

1.鶏モモ肉の身側(皮ではない側)全体を包丁の背でしっかり叩きのばす。1方向から叩いた後、鶏肉を90°回して再度叩く。叩くことで厚みが均一になり、スジも切れてやわらかくなる。


2.塩、胡椒、溶き卵、さらに1を加え、手で鶏肉にもみ込んでいく。ある程度馴染んだら片栗粉を加え、さらにもみ込む。卵液が残らず、すべて鶏肉に絡むまでしっかりと。


3.2の鶏肉両面に片栗粉をまぶす。


4.鶏肉から余分な片栗粉を落とし、180℃の油で皮面を上にして揚げる。5分ほどして皮側がパリッとしてきたら、反対に返し、さらに5分ほど揚げる。鶏肉を入れたあと、火を弱めて160~170℃に落として中まで火を通し、最後に強火にして温度を上げ、1分ほど加熱して仕上げるとカラッと仕上がる。


5.一口大に切り、皿に盛り付ける。ベビーリーフを飾り、塩とレモンを添える。


まず、鶏肉をしっかり叩いてやわらかくするのがポイント。さらに、衣付けの際最初に卵液でもんで鶏の繊維の中に入れこむことで、鶏肉がもっとやわらかくなる。次に片栗粉を加えてしっかりもみ、再度片栗粉を表面にまぶすことで、カリッとした衣になる。逆に、あまりもみ込まず2度目の片栗粉をまぶさないと、ふわっとした衣になるとのこと。

揚げる際は、最初高温、次に中温、仕上げに高温が基本。低い温度で揚げると肉が油を吸いこんでいくが、仕上げに高温にすることで吸い込んだ油が外に出て、油切れの良いから揚げになる。見た目も1枚肉でゴージャス。いつもとはひと味違ったご馳走唐揚げにチャレンジしてみてほしい。

味付けは、塩とレモンでさっぱりと。好みで、中華の唐揚げ・油淋鶏(ユウリンチー)のタレにつけて食べてもおいしい。そのタレのレシピは、醤油1.2に対し、砂糖1、酢1、水1の割合で混ぜ、さらにゴマ油少量を加えれば完成。いろんな味付けで楽しもう。

マイコミジャーナルでは、中華料理に関するお悩みを募集中です。随時受け付けておりますので、年齢、性別を書き添えた上でこちらまでご応募ください。掲載する際には、編集部よりメールでご連絡を差し上げる場合がございますので、ご了承ください。

教えていただいた料理人

「Essence」オーナーシェフ兼ソムリエ
薮崎友宏さん


横浜中華街の老舗「菜香新館」にて修業を開始。26歳で立川店の料理長に抜擢される。その後、広東省で家庭料理を学び、北京の大学で薬膳の研修を受ける。中国政府認定の国際薬膳調理師の資格も有する。2007年3月に東京・青山「Essence」料理長、2008年に同店オーナーシェフに。同店では薬膳も取り入れ、広東料理をベースにした料理を提供。チャーハンは4種類を用意し、近隣へのデリバリーも行っている。

「Essence」
住所: 東京都港区南青山3-8-2 サンブリッジ青山1F
TEL: 03-6805-3905

撮影: 中村浩二