ブームは去ったかのようにも感じる「仮想通貨」ですが、その普及は世界中で着実に進んでおり、今後もさまざまなシーンでの活用が期待されています。本連載では、「仮想通貨に興味はあるけれど、なにからどう手を付ければいいかわからない」というような方向けに、仮想通貨に関連するさまざまな話題をご紹介。仮想通貨を2014年より保有してきた筆者の経験から、なかなか人には聞きにくい仮想通貨の基礎知識や歴史、未来像などもわかりやすくお伝えします。
仮想通貨の入手方法は主に4つ
仮想通貨を買いたい・保有したいと思った場合、その方法は主に4つあります。
「仮想通貨取引所での購入」「仮想通貨販売所での購入」「マイニングに参加してマイナーになる」「直接ウォレットに送ってもらう」の4つです。
その中でも、最も一般的な方法は「仮想通貨取引所での購入」だと思います。仮想通貨取引所というのは、「改正資金決済法(通称: 仮想通貨法)」という法律による「仮想通貨交換業」の規制で定められている「仮想通貨交換業者」のことです。
取引所とは、マッチングサイトのこと
仮想通貨取引所は、オンライン上に存在する取引所であり、さまざまな企業によって運営されています。各種手数料の安さや取り扱う仮想通貨の種類の豊富さなど、取引所はそれぞれ特徴を持っていますが、本連載では特定の取引所について記載することはしません。その取引所を推奨することになりかねないためです。
取引所とは、「仮想通貨を買いたい人」と「仮想通貨を売りたい人」が集まって売買できるシステムのことです。マッチングサイトと言い換えることもできるでしょう。
日本では、仮想通貨取引所は「仮想通貨交換業者」として法律で規制されていますが、海外では規制のない国も存在します。そのため、マッチングサイトのシステムさえ開発すれば、すぐに取引所を名乗ることができてしまいます。仮想通貨取引所といっても、世界では必ずしも許認可等を受けているわけではないので注意が必要です。
取引所のユーザー数がマッチング度合いを左右する
取引所での仮想通貨の売買は、相対取引で行われます。相対取引といっても、必ずしも1対1の取引ではなく、1対多数の取引がほとんどです。「買いたい人」と「売りたい人」が出す注文数によって、売買のスピードは変わります。取引所の規模、つまりユーザー数によってマッチング度合いは異なるということです。
ユーザー数を公表している仮想通貨取引所は多いのですが、頻繁に売買を行うアクティブユーザー数はわかりませんので、取引所のマッチング度合いは実際に取引をしてみないとわからないでしょう。
仮想通貨販売所で買うと価格がスライドしない
取引所のほかに、仮想通貨販売所というものも存在します。取引所では、仮想通貨を保有するホルダーと仮想通貨を買いたい人同士が相対取引で売買を行っていますが、販売所では、販売所が提示する価格で仮想通貨を購入できます。
仮想通貨取引所で購入する場合、大量に買おうとすると自分でレートを上げてしまうことがあります。一方、販売所で購入する場合は、固定レートで買えるため価格がスライドしません。これは販売所で買うメリットと言えるでしょう。しかし、取引所と販売所、どちらのほうが安く購入できるかは、購入したい総数によって異なります。
マイニングに参加するのは少々難易度が高い
前回の記事で書いたように、仮想通貨取引の認証作業(マイニング)に参加し、マイナーとなることで仮想通貨を手に入れる方法もあります。
しかし、マイニングには高度なマシンが必要ですし、電気代もかかります。一個人が始めるには、少々難易度が高いかもしれません。「マイニング マシン」などで検索すると、たくさんの種類があることがわかるでしょう。マイナーになることで利益を得た個人や企業もありますが、大きな損害が出てしまった企業もありますので、安易に始めることはおすすめできません。
仮想通貨取引所の運営やマイニング事業を行うGMOインターネットは、需要が縮小するマシンの独自開発・販売からの撤退を決定しています。自社マイニングは継続するものの、事業構造を全面的に見直す方針であるという発表がされました。また、石川県金沢市で大規模マイニングファームの運用を行っているDMM.comも、同事業から撤退することがわかっています。
直接送金は価値の変動に要注意
より簡単な方法として、仮想通貨を持っている友人から、直接自分のウォレットに仮想通貨を送ってもらうという手段もあります。例えば、飲食店などでの支払いを友人の代わりに現金で行い、その友人から仮想通貨で相当分を受け取るというケースなどが考えられます。
仮想通貨の価値は変動しますので、もし受け取った翌日にその価値が下がれば受け取った側は損をした気分になりますし、反対に価値が上がれば得をした気分になるでしょう。なお、仮想通貨の売買や仮想通貨の決済利用は課税対象になりますので、忘れずにしっかり申告してくださいね。
次回は、「仮想通貨に関する税金」についてご紹介します。
執筆者プロフィール : 中島 宏明(なかじま ひろあき)
1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。
現在は、SAKURA United Solutions Group(ベンチャー企業や中小企業の支援家・士業集団)、しごとのプロ出版株式会社で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。
オフィシャルブログも運営中。