連続ドラマに初めてレギュラー出演したのが、2017年の『僕たちがやりました』(カンテレ・フジテレビ系)。そこからわずか数年の間に、インスタグラムのフォロワー220万人を抱えるなど、今田美桜の人気は瞬く間に全国区になった。世間の声に後押しされるように、今年7月には自身初のスタイルブック『イマ』(KADOKAWA)を発売。そこに収録されている永野芽郁との初対談、幼少期からすべてのことを告白したロングインタビューには、自分をさらけ出すことにためらいつつも、周囲に感謝する今田の人柄がにじみ出る。
俳優・女優のターニングポイントに焦点を当てるインタビュー連載「役者の岐路」の第8回。オーディションに落ち続けた不遇の時代を経て、なぜ彼女はこの短期間で大きく飛躍することができたのか。そして、「22歳の約束」とは。『僕たちがやりました』、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系・19)で共演した永野芽郁をはじめ、彼女が恩人と慕う人物からの言葉にそのヒントが隠されていた。
■永野芽郁は「占い師みたい」
――スタイルブックのオファーを受けて、率直にどう思われましたか?
すごくうれしかったんですけど、みんな私のことをここまで知りたいのかな? という不安はありました。もちろん、私のことしか載ってないので(笑)。でも、せっかくの機会なので、良いものにしたいと思って前向きに考えるようにしました。
――ロケ地のロサンゼルスは憧れの地だったそうですね。
スタイルブックは写真集とは違ってファッション寄りなので、古着がたくさんあってハッピーな空気にも触れられそうな場所として、希望しました。思っていた以上に楽しくて、本当に幸せな時間でした。
――幼少期から振り返るロングインタビューも、かなり読み応えがありました。
小さい頃から、ほとんどのことが書かれています。
――今田さんを取材する人は必読ですね(笑)。
そうですね(笑)。タイトル「イマ」の通り、私の「今」が詰まった本です。
――永野芽郁さんとの対談は、どのような経緯で決まったんですか?
編集の方と話し合う中で誰かと対談することになり、お願いすることになりました。芽郁との初対面は、私が最初にドラマに出させていただいた『僕たちがやりました』。そこで彼女はヒロインで、私はそのお友達役。そこから、もう一人のお友達役の岡崎紗絵ちゃんとご飯に行くようになって。『3年A組』でご一緒させていただいて、さらに仲良くなりました。
――友人関係の人と共演する時、特に意識することはないですか?
『3年A組』では、本当に仲が良くない関係だったので(笑)。プライベートでお会いする時とは違いましたけど、『3年A組』の撮影の裏では、隣で話すこともありました。
――重要なシーンの前日、永野さんから励ましのメールが届いたそうですね。
台本を読んでいた時にふと携帯を見たら、一言だけ「気張らずにね」って。本当にびっくりしました。手描きのハートマークと一緒に(笑)。
――ハートまで(笑)。
私のその重要なシーンは5話。それまで、生徒達は先生(菅田将暉)と戦って、先生から反対されながら泣くような流れでした。でも、私は先生から肯定される展開で、私にとっては予期せぬ台本……。菅田(将暉)さんのセリフで「お前は間違ってない」と書かれていたので、「どうしよう!」って混乱しちゃって(笑)。もちろん、役の気持ちは分かりますが、それまでにない流れだったので、どんなふうになるんだろうと。そんな私に、芽郁は気づいてくれた。そういうところも魅力的な方です。
――『僕たちがやりました』では、永野さんから積極的にコミュニケーションをとられたそうですね。今田さんは、「待ち」のタイプ?
どちらかというと自分から話し掛けるのは、苦手です。わりと誰とでも仲良くなるんですけど……芽郁も言ってたと思うんですけど、私は「壁がある」みたいで……。周りからはそう見られることが多いので、「待ち」のタイプなんだと思います。
――永野さんは、波長や考え方まで合う方。そこまで馬が合う人との出会いは、よくあることなんですか?
友達がそんなに多くなくて……というか少ないです(笑)。お仕事で知り合った方と仲良くできるなんて、上京する前は全く思ってなくて。だから、うれしかったですね。何よりも、東京で仕事をするという覚悟というか、緊張感があったので、どうやって話しかけていいのかすらわからなかった。そんな中で、芽郁が「ごあいさつしましたっけ! 永野芽郁です!」って来てくれた(笑)。
――今田さんについて、永野さんは「自分に自信がないところが魅力」とおっしゃっています。そういう自覚はありますか?
そうですね。自信ないです(笑)。でも、そういう話をしたことがなかったので……本当にすごいなと思います。占い師みたい(笑)。