新しいカードが続々登場しています。第2回目の「クレジットカード探訪」は、そんな新しいカードの中から、11月16日に発行を開始した、シティカードジャパンの「シティ エリートカード」「シティ ゴールドカード」「シティ プラチナカード」を紹介します。
ポイントのたまりが早く、有効期限がない
シティカードジャパンのクレジットカードの新しいシリーズが登場しました。新シリーズを構成するクレジットカードは「シティ エリートカード」「シティ ゴールドカード」「シティ プラチナカード」の3種類です。どのクレジットカードも、特徴はポイントのたまりが早いこと、またそのポイントには有効期限がないので、失効を気にすることなくためることができることです。
クレジットカードには、手元にお金がなくても買い物ができたり、支払いをスピーディーに終わらせることができるといったメリットはありますが、多くの人がクレジットカードを利用する最大の目的は、「ポイントがつく」ことであるといっても過言ではありません。やはり、そのカードを使うことで、どれだけのポイントがつくのかは、カードを選ぶ際の決め手になります。
このたび紹介する3つの「シティ エリートカード」「シティ ゴールドカード」「シティ プラチナカード」のポイント付与率は、同水準のカードと比較した場合に、最高水準のポイント付与率にしたそうです。というのも、「シティ エリートカード」は100円毎に2ポイント、「シティ ゴールドカード」は3ポイント、「シティ プラチナカード」は4ポイント、それぞれ付くからです。
さらに、年間の利用金額に応じて、次年度年会費の引き落とし月の翌月にボーナスポイントが一括付与されます。「シティ エリートカード」は年間50万円以上で2500ポイント、「シティ ゴールドカード」は、さらに年間100万円万円以上6000ポイント、「シティ プラチナカード」は、さらに年間150万円以上で1万ポイントが付与されます。
クレジットカードの取材をしていて、ゴールドやプラチナは年会費が高いのにポイントが通常のカードと同じということに納得できなかったのですが、やっとこのカードでもやもやしていた気持ちがスッキリしました。
年会費は、「シティ エリートカード」は3150円(税込)、「シティ ゴールドカード」は1万2600円(税込)、「シティ プラチナカード」は3万6750円(税込)なので、「シティ エリートカード」は、俗にいう"庶民派ゴールドカード"、「シティ ゴールドカード」と「シティ プラチナカード」は名前のとおり、正統派のゴールドカードとプラチナカードということになります。
最近、利用者のライフスタイルが多様化していることから、シティカードジャパンは市場調査を実施し、新シリーズのターゲットとなる顧客は、海外渡航が多い、仕事とプライベートの両面でクレジットカードが生活に密着している、また好みのレストランでのディスカウントや空港ラウンジ、空港への手荷物宅配サービスなどの情報を迅速に収集する知的層、いわゆるクレジットカードの利用頻度が高い顧客層に設定しました。
これらのことから、カード会員には、旅行の際に空港ラウンジや空港までの手荷物宅配サービスが利用できるようにしたり、貯めたポイントを旅行やグルメなどに交換できるほか、翌年度の年会費にも充当することができます。ポイントを年会費に充当できるところは珍しいです。加えて、2014年1月中旬以降からは、「シティ ゴールドカード」「シティ プラチナカード」のカード会員は、ポイントを海外の航空会社のマイレージやホテルのポイントに移行できる予定です。また、Amazonギフト券へ即時交換することなどもできます。
国内空港ラウンジが無料で利用できる「シティ エリートカード」
ポイント付与率は、前にも出ていますが、クレジットカード利用100円で2ポイント(リボルビング払いの場合は3ポイント)です。
他の"庶民派ゴールドカード"の中には、空港ラウンジが利用できないものもある中、国内空港28カ所にて43以上の国内空港ラウンジの利用が無料です。加えて、国際線手荷物宅配サービスが通常1個約1600円以上かかるものが、日本国内どこでも1個まで500円で送ることができます。
また、24時間年中無休のコールセンターサービスや、ダイニングディスカウントプログラムが適用されるので全国の飲食店の店頭で最大20%が割り引かれます。
ボーナスポイントも加算した場合の損益分岐点は、Amazonギフト券の場合、年間利用額62万5000円が最もよく、6000円分と交換できます。還元率にして0.96%。
プライオリティ・パス年会費無料の「シティ ゴールドカード」
ポイント付与率は、クレジットカード利用100円で3ポイント(リボルビング払いの場合は4ポイント)です。
プライオリティ・パスは年会費無料で、100カ国600以上の空港ラウンジが利用可能(2014年1月中旬より開始)。これで、海外出張のときでも、乗り継ぎの際の待ち時間を有効活用することができます。また、国際線手荷物宅配サービスがついてるので、復路の手荷物1個が無料です(2014年1月中旬より開始)。もちろん、国内空港ラウンジも無料で利用できます。気になる保険については、海外・国内旅行傷害保険が最大7000万円の補償がついています。
保険は利用付帯ですが、たとえば行きのリムジンバスの料金などの支払いをこのカードを利用すれば、保険の対象となります。また、コナミスポーツクラブの施設をお得な法人会員料金で利用できます(2014年1月中旬より開始)。
ボーナスポイントも加算した場合の損益分岐点は、年間利用額213万3400円が最もよく、ダイナースJCBギフトカード3万円分と交換できます。還元率にして1.41%。しかし、年間100万円の利用で、Amazonギフト券1万4000円分と交換した場合の還元率が1.4%なので、年間利用額100万円の方が現実的かもしれません。
3万6750円の年会費分をすぐペイできる豊富な特典「シティ プラチナカード」
「シティ プラチナカードのポイント付与率は、100円で4ポイント(リボルビング払いの場合は5ポイント)です。
プライオリティ・パスは年会費及び利用料が無料です(2014年1月中旬より開始)。国際線 手荷物宅配サービスは往復1個が無料になります(2014年1月中旬より開始)。
また、プラチナといえば、コンシェルジュサービスです。24時間年中無休で、海外からも利用できるのだ、たとえば、現地での接待に最適なお店を選んでくれたり、国内では、日本国内の約50カ所の名門ゴルフコースの予約や、レストランの予約など、様々な相談が可能です。ちなみに、日本国内の約50カ所の名門ゴルフコースは優待料金で利用できる他、国内の約270、海外の10のゴルフコースでのカード会員本人のプレーフィーが半額になるサービスもあります。加えて、「シティダイニングセレクション」という、有名なレストランでのコースメニューが1人分無料になるサービスもついています。
ボーナスポイントも加算した場合の損益分岐点は、年間利用額150万円が最もよく、ダイナースJCBギフトカード3万円分と交換できます。還元率にして2%。
3つのカードを紹介してきましたが、それぞれためたポイントは年会費にも充当でき、年会費に充当するとさらに還元率がアップします。また、すべて家族カードが無料で発行されるので、ポイントを効率的にためることができます。
一般的に、プラチナカードは年会費の高さがネックとなりますが、「シティ プラチナカード」の場合、ポイントが高く、かつ年間175万円の利用でためたポイントは、翌年度の年会費に充当することができる(還元率にして2.1%)ので、タダでプラチナのサービスを享受することができます。かつ、コンシェルジュサービスやシティダイニングセレクションなど、いろいろなサービスを利用することでさらにお得度がアップします。とはいえ、このカードが持てるかどうかは審査次第ですが、チャレンジしてみる価値はありそうです。
<著者プロフィール>
金野 和子
マネーライター。『日経マネー』の記者として、金融商品、税金、ローン、クレジットカードなど金融全般の記事を担当し、12年働いた後、フリーのマネーライターとして独立。マネー雑誌をはじめ、新聞、ムックなどで金融全般の記事を編集・執筆。また、保険の新書のほか、アベノミクスやNISAに関連した投資本なども手がける。