結婚すると、自分ひとりで判断できたこれまでとは違い、お金のことをどう考えたらいいのか戸惑う人も多いのではないでしょうか。
そこで、結婚後のお金の使い方についてマイナビニュース会員約500名を対象にアンケートを実施。結婚歴3年未満の人から30年以上の大先輩まで、新婚時代のお金の使い方について調査をしました。
そこからわかる結婚生活のリアルや、注意しておきたいポイントについて、ファイナンシャルプランナーが解説します。第5回の今回は「貯蓄方法」について考えていきましょう。
■貯蓄方法はメリット・デメリットを理解して選ぶ
「新婚時代、貯金のためにやっていたことであてはまるものは?」というアンケートでは、「節約」が48%、「月々決まった金額を貯金」が45.2%と、半数近くの人が貯金しているという結果に。
貯蓄方法にはさまざまありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。自分たちに合った貯蓄方法を選ぶには、各貯蓄方法のメリット・デメリットを知ることが必要です。
お金の貯め方は、「預貯金」「保険」「投資」の3つに大きく分けられます。ここからは、各メリット・デメリットを見てみましょう。
1. 預貯金
<メリット>
・元本割れがない
・必要なときにすぐに使える<デメリット>
・ほとんど利息がつかない
・強制力がない
ある程度の預貯金は生活防衛費としても必要です。まずは生活費の3カ月を目安に貯めておきましょう。
お勤めの会社に財形貯蓄制度がある場合は、預貯金のデメリットである強制力のなさをカバーできます。財形貯蓄は一般・住宅・年金と目的にあわせて種類を選びます。住宅財形と年金財形には550万円まで利子は非課税というメリットもあります。
2. 貯蓄型保険
<メリット>
・万が一にも備えながらお金が貯められる
・強制力がある<デメリット>
・早期に解約すると元本割れする
・簡単に現金化できない
貯蓄型保険は保険料の一部が保障に充てられるため、必要以上の保障がある場合、無駄に保険料を支払うことになりかねません。また、保険機能と貯蓄機能の両方を持っていることがメリットでもあり、両方の機能をあわせ持っているからこそ、どちらかを見直したくても見直しづらいという面もあります。
3. 投資
<メリット>
・大きく増える可能性がある
・税制優遇制度がある<デメリット>
・元本割れの可能性がある
・お金が必要なときにマイナス局面なこともある
投資は元本割れの可能性があることが大きなデメリットですが、長期投資・積立投資・分散投資を行うことで、そのリスクを下げられます。ただし、お金が必要な時期に好調とも限りません。自由に動かせる預貯金をある程度持った上で、投資にお金をまわすようにしましょう。
■貯蓄は"損得"よりも"合うか合わないか"
「新婚時代の貯蓄方法は自身に合っていると思いますか?」というアンケートに、約3割が「わからない」また、約1割が「いいえ」と答えています。
貯蓄方法が合うかどうかは、
・リスク許容度
・お金が必要となる時期までの年数
・強制力が必要かどうか
といった、いろいろな要素が複合的に影響します。
大切なお金なので増えた方がいいのはもちろんですが、損得を追求するあまり、安心感が得られなかったり、必要な時期にお金が使えなかったりしては元も子もありません。
リスク・時間・強制力という3つの軸で、自分は何を求めるのかを明確にしましょう。これは、貯蓄の目的によっても変わるはずです。
自分たち夫婦に合った貯蓄方法を見つけるには、「何のために貯めるのか」を具体的にしなければ決めることができません。手段よりもまずは目的! 第4回で紹介したライフプランなども活用しながら、まずは貯蓄の目的をしっかりと決めるところはじめてくださいね。
【アンケート概要】
アンケート名:夫婦のお金管理について
調査対象者:マイナビニュース会員の20代~50代の既婚男女
調査期間:2022年2月4日~7日
有効回答数:504