結婚が決まると、すぐに大きなお金を使う機会がいくつもあり、「こんなに使って大丈夫?」「どう判断したらいいの?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。

そこで、結婚後のお金の使い方についてマイナビニュース会員約500名を対象にアンケートを実施。結婚歴3年未満の方から30年以上の大先輩まで、新婚時代のお金の使い方について調査をしました。

そこからわかる結婚生活のリアルや、注意しておきたいポイントについて、ファイナンシャルプランナーが解説します。第2回の今回は「結婚後の生活費」について考えていきましょう。

■新生活は1人分の収入で小さくスタート

特に独身時代に実家暮らしだった場合、2人暮らしの生活費がどれくらい必要なのかをイメージすることは難しいのではないでしょうか。

新婚生活スタート時、生活費を月の手取りの約何割と設定していましたか?(生活費=家賃・水道光熱費・通信費・保険料・生活用品の合計)

  • 新婚生活スタート時に生活費を月の手取りの約何割と設定していましたか?

実際に、新婚生活スタート時に生活費を月の手取りの約何割と設定していたかの質問には、約43%の方が「特に決めていなかった」と答えています。

この中には「(分からずに)決められなかった」方も一定数いらっしゃるのではないかと推測します。

最初から2人分の収入をあてにすると、ついつい生活のサイズが大きくなってしまいがち。一度大きくなった生活サイズを小さくするのは大変なので、共働きの場合もまずは1人分の収入(世帯収入の半分程度)で生活することを想定してみましょう。

アンケートでも、実際に生活費を決めていた方たちは全体の56.3%。そのうち、手取りの6割以下に生活費を設定していた方は79%となっています。新生活はなるべく小さく始めることをおすすめします。

■住居費は手取り収入「25%」を目安に

結婚したばかりだと、これから家族はさらに増えるのか? 仕事は2人とも続けるのか? どんな暮らし方になるのか? など、あらゆることが不確定です。

不確定要素が多いからこそ、最初から大きな固定支出を作らないことが大切です。大きな固定支出の代表といえば「住居費」です。

住居費は、手取り収入の25%を目安にしましょう。お住まいの地域や収入によって一概には言えませんが、目安があると、住居費が高くなるときにも他の支出でバランスを取ることを意識しやすくなるはずです。

また、マイホームがほしい場合、新婚時代に購入することはおすすめしません。家族の人数やこれからの働き方がわからないままマイホームを購入すると、自分たちの暮らしのサイズに合わない住居を手にしてしまう可能性が高くなるからです。

まずは賃貸で実際に生活を始めてみて、自分たちの住まいに関する希望や優先順位を明確にしていきましょう。他の生活費がどれくらいかかるかを具体的に把握した上で、住居にかけられる費用を算出できると、無理のない予算設定ができます。

■まずは"わが家の暮らし"を数字で把握!

新婚生活スタート時、一般的な適正な生活費の設定方法を知っていましたか?

  • 新婚生活スタート時、一般的な適正な生活費の設定方法を知っていましたか?

適正な生活費の設定方法を「気にしていなかった」「よく知らなかった」方は90.5%となっています。

「収入-貯蓄=生活費」

つまり、入ってきたお金からまずは必要なお金を先取り貯蓄し、残ったお金で生活する。これが生活費を設定する上で基本となる考え方です。

とはいえ、将来に備えることを優先し過ぎて、今の暮らしが我慢ばかりでは本末転倒になってしまいます。

そうならないためにも、自分たちが"普通"に暮らした場合、どれくらいの生活費がかかるのかをまずは把握しましょう。この"普通"は家庭によって違うため、自分たちにしか分からないものです。

家計簿をつけることが負担な場合、1カ月分のレシートを集めて、費目毎に集計するだけでも大丈夫。費目は5つ以内にし、自分たちの知りたい費用に絞りましょう。クレジットカードの利用が多い場合は、家計簿アプリを活用してもいいですね。

ざっくりと現状を把握した上で、ここからどれくらい無駄な支出を減らせるか? 現実的な貯蓄額はどれくらいか? を考えていきます。まずは現状把握から始めることで、今も将来も両方を大切にしたバランスの良い家計をつくりやすくなります。

新婚時代はそれぞれの暮らしのサイズを、2人暮らしのサイズに合わせていく時期です。すぐにしっくりくる状態にならなくても、焦らず今はそういう時期だと思えるといいですね。

不確定な時期だからこそ、生活費や住居費は変化に対応できるように、固定支出はなるべく抑えて、自由度を持たせておく意識がなにより大切ですよ。

【アンケート概要】
アンケート名:夫婦のお金管理について
調査対象者:マイナビニュース会員の20代~50代の既婚男女
調査期間:2022年2月4日~7日
有効回答数:504