地域によって異なるが、世間はお中元シーズン真っ只中。最近はかしこまらずに、親や親しい人へ贈る「サマーギフト」が定着し、頑張る自分への"ごほうびギフト"も人気上昇中だ。そんな新たなニーズをキャッチして、コンビニは「ここでしか買えないオリジナルギフト」を続々と開発している。
ネットもいいけどカタログも要チェック
今年とくに気になっていたのが、店頭に並ぶコンビニ各社の夏ギフトカタログである。「えっ? そんなカタログあったっけ?」という人は、イートインコーナーで休憩したときにでも店頭で手に取ってほしい。セブン-イレブン(以下セブン)、ファミリーマート(以下ファミマ)、ローソン、たいてい各コンビニのレジや入口付近に置いてあるはずだ。
もちろんネット注文の方が便利だし、ポイント特典などがついていてお得なのだが、ギフトカタログのページをめくってみると、ビジュアルも文章も、以前よりぐっと凝っている。何より、限られた誌面だからこそ、各社とも売れ筋ギフトを厳選して載せていることを忘れてはいけない。さくっと選びたいなら、カタログチェックは有効なのだ。
イチオシは決まって最初の1~5ページくらいにドーンと載っているので、まずはここから注目してほしい。
セブンのこだわり玉子を使ったバウム
さて、コンビニ各社の担当者に聞いた「オススメギフト」を紹介していこう。
まずは、セブン。今年は、ふだんセブンで買い物をしているユーザーが手を出したくなるようなオリジナルギフトが増えた。
たとえば、「今年のイチオシ」という「大山乳業 厚切り大山バウム~エグロワイヤル(R)使用~」(3,348円/送料込み)は、自家製の大山バターのホイップクリーム、白バラ牛乳を使用した、職人ワザが光る逸品。「エグロワイヤル(R)」という、ブランド卵を使っている点に反応した人も多いだろう。
この玉子は、セブンの大ヒットスイーツ「THEセブンシュー」などにも使われているコク深い玉子。売り場のスイーツのおいしさを誰よりも知る店員さんたちが「これ、お客様にオススメしたい」と、販促に力を入れている人気ギフトだそうだ。
「そのほか、メーカーさんと一緒に知見や技術を出し合って、おいしくてヘルシーなギフトも数多く開発しました」と、セブンの広報担当者は話す。
注目株を聞きだすと「カゴメ 山形県産プレミアム100%フルーツジュースギフト」(3,920円/同)だと返ってきた。「厳選した果実本来の味や香りを、非濃縮ストレート果汁でお届けします。砂糖・香料を使っていないので、小さなお子さんも安心して飲んでいただけますよ」とセブン広報担当者。日ごろお世話になっているママ友への贈り物にいいかもしれない。
旬の果物たっぷり! ローソン限定ギフト
次に、ローソンを見てみよう。自社ブランド「マチカフェ」のコーヒーギフトがあるのが特徴的だが、今年のギフトテーマは「果実味あふれるフレッシュな夏」だそう。チェックしたのは「ローソン限定ギフト」と銘打ったオリジナルスイーツだ。みずみずしいフルーツを使った2品を紹介したい。
まずは「銀座千疋屋 銀座プチフルーツタルト」(4,536円)。マンゴーやラズベリー、ストロベリーなどのフレッシュなフルーツを、ひとくちサイズのタルトにオン。なんといっても見た目がかわいいので、"自分用"に買ってしまいたくなるかも。
もうひとつは、これもSNS映えしそうな「八天堂 フローズンスイーツバーガー詰合せ」(3,780円)。シュー皮でなく、パンでフルーツやクリームを挟んでいるというから、まさにバーガー。大人も子どもも夏らしく、ワイルドにほおばって食べたくなること間違いなしだ。
さらに今年は、各地域の新聞社厳選の"ご当地ギフト"も参戦している。「ギフトは、40代以上の方からの注文が多い」(ローソン広報担当者)というから、"ふるさとの味"も大いに活躍しそうだ。
ファミマ×三越の豪華ギフト
一方ファミマは、三越百貨店と組んだギフトが多いのがポイント。一般的に「コンビニはふだん使いの店だから、ギフトを買うのはちょっと……」なんてイメージがあるようだが、近所のコンビニで百貨店のギフトが注文できるのはうれしい。
オススメは「〈E-ZEY JAPAN〉国産フルーツゼリーセット」(2,160円~)。E-ZEY JAPAN(イーゼイジャパン)は、日本が誇る食材や技術・生産者に注目して新しいおいしさを追求したシリーズ。さくらんぼやラ フランスなどの果肉を贅沢に使用したさっぱりとしたゼリーと、ピューレと果汁を使った果肉食感のゼリー、両方楽しめる爽やかな逸品だ。
そして、夏はやっぱりのどごしのいいドリンクを! という人には「〈E-ZEY JAPAN〉フルーツスパークリングジュース×東京国立博物館 限定ギフト〈サントリー〉冨嶽三十六景 凱風快晴 ザ・プレミアム・モルツ×〈アサヒ〉 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏 ジャパンスペシャル詰合せ」(5,400円)がオススメだそう。
ギフトの中で一番長いネーミングかもしれないこのコラボギフトは、限定感いっぱいの豪華なラインナップ。オリジナルギフトにこだわるのは、「地方では百貨店の閉店が相次ぎ、高齢者を中心に"ギフト買い物難民"が増えているとお聞きします。近所のファミリーマートを上手にお使いいただきたい」(ファミマ広報担当者)という思いがあるようだ。
と、各社のイチオシギフトを紹介したが、もちろんこれらのほかにも、オリジナルの惣菜やドリンクなど、夏ギフトの定番はしっかり押さえてあって選ぶのが楽しい。
ただし、3社それぞれ、特典や受付期間(だいたい8月中旬~下旬まで)などが異なるのでしっかりと確認してほしい。
最寄りのコンビニギフトのラインナップから選んでみてもいいけれど、セレクトがセブン、ファミマ、ローソンでまったく違うから、比べてみるとおもしろい。せっかくの贈り物――この夏はレアな逸品を、ぜひ見つけてみてほしい。
※価格は全て税込
吉岡秀子(よしおか・ひでこ)
コンビニ記者/フリーランスライター
2000年ごろからニュース週刊誌での連載のためコンビニ取材をスタート。以来、商品・サービスの開発の舞台裏をはじめ、各コンビニチェーンの特徴などを消費者視点で追い続け、広く情報発信している。著書に『セブン-イレブン 金の法則』(朝日新聞出版)、『セブン-イレブンは日本をどう変えたのか』(双葉社)などがある