総務省が携帯料金プラン見直し特設サイトを公開した。『ゲゲゲの鬼太郎』と連携して、エンドユーザーが携帯電話料金プランを見直したり、電話会社の乗り換え手続きのワンストップ化などを紹介するのが目的だ。
まだまだ多い、料金プランを見直していない層
総務省がいうには未だに利用者の約半数がめんどうだからという理由で料金プランを見直していないらしい。
特設サイトでは、毎月の携帯電話料金を安くあげるためのさまざまな方法を紹介し、それが簡単にできることをアピールする。これまでは事業者側に手続きの簡素化等を求めてきたが、それにも限界があることから、次は、エンドユーザー側に重い腰をあげてもらおうというわけだ。
今後は、鬼太郎らが料金プランの見直しにチャレンジするアニメ動画や、そのための知識を学ぶコンテンツを公開予定だという。
スマホ料金、まずは自分の利用状況を知るべし
特設サイトはパソコンの大画面でも、スマホの小さな画面でも対応するレスポンシブデザインで、どんなデバイスで参照しても読みやすい。ここ数年、たぶん、コロナ以降の官公庁サイトの多くは、このあたりが徹底していて好感が持てる。
まずは、自分がどのようにスマホを使っているかの利用状況を確認させる。わかっている人なら、各社のマイページにログインすればすむのだが、もうそこでIDとパスワードがわからず詰んでしまうかもしれない。だが「上手くいかない場合は、各社に問い合わせてみましょう」と、けっこう冷たいアドバイスだ。
また、利用状況で今月分が30GBあって、残り25GBという表示で「月末でもこの状態なら見直しのサインかもしれません」とある。たぶん、この状態が何なのかを一目で把握できるなら、こんなサイトは必要ないように思う。
それに、携帯電話料金として支払われている中には、決済代行サービスも含まれる。つまり、コンビニで弁当を購入したときの代金が含まれている可能性もある。今どきの携帯電話事業者は通信だけがビジネスではなく、いわゆるライフスタイルに貢献するカテゴリを重要視している。リアル店舗での決済代金を携帯電話料金と合算するのはその一環だ。
これについても、電話料金としてではなく、別途、クレジットカードなどでの都度支払いを指定したりできるのだが、「設定がめんどう」だからと合算で支払うことにしたままで、携帯料金はなんと高いのかと勘違いしているケースもある。
通話プランも再考の余地あり。情報の周知も必要
通話料金については「よく通話を利用するのに通話かけ放題プラン」に入っていないことを指摘しているが、そもそも通話料金がいかに高額に設定されているかの深刻さの訴えが足りないように感じる。
ちなみに各社の通話料金は22円/30秒程度だ。それだけでも高額に感じるが、10分間話せば440円にもなる。かといってかけ放題は2,000円近く、45分間分相当で、そこまでは必要ないと考えるかもしれない。
かけ放題プランには一回の通話あたり5分間までは無料で、それを超過すると通常の料金がかかるプランもあるが、あまりかけることはないけれどもかければ確実に長話になるというタイプには向いていない。
今回の特設サイトでは、キャリアの乗り換えやいわゆる格安SIMによるMVNOへの移行などについても触れられるなど、かなりつっこんだ内容になっているが、問題は、これらの情報を必要とするエンドユーザーが、このサイトにたどりつけるかどうかを含めて考える必要がありそうだ。
せっかくのサイト、国のカネを使って作ったのだから、少しでも有効に機能するようにしてほしいものだ。