ファーウェイから、同社のウェアラブル製品において、日本のプログラム医療機器承認を取得した心電図機能をサポートするアップデートを開始するというアナウンスがあった。「HUAWEI WATCH GT 5 Pro」と「HUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計」が対象となるスマートウォッチだ。
これらの2製品は、すでに機能を実装済みだったが、それを利用することはできなくされていた。日本の医療機器承認の正式取得を待ち、今回晴れて機能が有効化されることになる。
「HUAWEI WATCH GT 5 Pro」は、全モデルで来年2025年1月8日から順次アップデートが開始され、約1週間ですべてのユーザーの実機にアップデート通知が届く予定だ。更新を適用するには専用のスマホアプリ「HUAWEI Health」を使う。
一方、管理医療機器として認可を受けた血圧計を内蔵している「HUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計」は、クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」で先行して公開・支援受付を開始しているが、こちらは機能が有効化された状態で当初の予定通り2月に出荷される。同社では、ハイエンドモデルを中心に心電図機能をサポートする製品をさらに増やしていく予定だという。
家庭用心電計プログラムとして管理医療機器承認を取得
ファーウェイのウェアラブルデバイス製品で、血圧や心電図の測定が可能になったのは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)に基づき、「HUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計」は自動電子血圧計として管理医療機器認証を、HUAWEIの心電図アプリケーション(現状、WATCH D2とGT 5 Proに搭載)は家庭用心電計プログラムとしてプログラム医療機器での管理医療機器承認を取得しているためだ。
これらの認証区分にはクラスI、クラスII、クラスIIIがある。同社は管理医療機器としてクラスIIの「不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが比較的に低いと考えられるもの」として第三者認証機関で同機能の認証/承認を受けた。
測定は簡単だ。テーブルや膝の上に腕を置き、手首に装着したスマートウォッチの右側面のボタンに約30秒間振れることで電極の電気信号を読み取って心電図データを取得する。そのデータはアプリでPDF形式に出力して、病院などと共有することで、異常等の早期発見や適切なアドバイスの取得が期待できる。
ただし、ファーウェイはこの機能について「心房細動の兆候の検出を補助的に行うものであり、従来の医師による診断に替わるものではありません。結果はあくまで参考です」としている。
心電図機能がAndroidでも使えるように。選択肢の広がりがうれしい
Apple Watch Series 4 以降およびすべての Apple Watch Ultra モデルの電気心拍センサーでも心電図を取得でき、すでに各病院にはスマートウォッチ外来などが設置され、個人が自分のデバイスで取得した心電図を持ち込んで医師のアドバイスを受けられる。だが、Apple WatchはiPhoneでしか使えない。
ファーウェイの製品は、アプリストアで専用アプリHUAWEI HEALTHを取得してiPhoneで利用できる。また、Android機でも使える。専用アプリをGoogle Playで取得することができないので、アプリのインストールはちょっと敷居が高いが、管理医療機器の認証を受けた心電図機能がAndroidでも使えるようになったというのは選択肢が広がったということでもありうれしい。