Windows 11の最新バージョン24H2の配信が始まっている。手持ちの機器ではCopilot+ PCとして6月に発売されたSurface Laptopが、出荷時にすでに24H2だったので、新しく実装された新機能などはすでに経験済みだった。

ただ、手元の他のパソコンには、待てど暮らせどどれにもアップデートが降臨しない。しょうがないのでそろそろ手動でのアップデートに踏み切ろうかと思ったくらいのタイミングで、今回の不具合のニュースが流れてきた。どうもWindows Helloでのカメラデバイスの利用で問題が出てしまっているようだ。手元のSurface Laptopではその問題は出ていない。

Windows Helloの顔認証に慣れてしまうとパスワードはもちろん、指紋よりもずっと便利なので、それが使えなくなっては困る。ということで、この問題が解決するまでは、しばらくアップデートはお預けだ。このまま23H2を使い続けるしかない。

  • Windows Updateからではなく、日本マイクロソフトが提供している「Windows 11インストールアシスタント」から手動更新する手もある

Windows 10を使い続けているユーザーは多い

世の中にはWindows 11の24H2どころか、まだまだWindows 10を使い続けているユーザーがたくさんいる。特に、企業でのパソコン利用では、エンドユーザーが最新バージョンを使いたくても、全社的なITがそれを許さないことがほとんどで、OSの更新は最新版のOSで問題が起こらないことを徹底的に検証してからということが多く、おいそれと自動更新されて晴れて最新OSというわけにはいかない。

今もなお、Windows 10を使い続けているというのは、きっとそんな環境にいるユーザーだろう。とにかく業務利用のパソコンに不具合が発生してしまっては、それが業務遂行の不具合に直結するだけに、石橋を叩いて叩き割るくらいの用心深さが必要だ、というのが一般的なやり方だ。

  • Web分析を行う「Statcounter」によるWindowsのバージョン別シェア。Windows 10の利用は突出して多い

そうではないコンシューマーユーザーには容赦なく最新バージョンが配信される。なんならファイルを開いて未保存の編集中データがあっても、寝ている間に更新が始まり、自動的に再起動してOSを更新するようなこともある。年に一度の大規模更新のような場合のみならず、日常的な毎月の更新でも、びっくりするようなタイミングでの更新があったりもする。

マイクロソフトの推奨するように、日常的にOneDriveなどを利用し、Wordの自動保存機能で、数文字書くたびに変更内容が保存されている環境ならなんの問題もないわけだが、そうではないアプリを使っていて腹立たしい思いをした経験があるユーザーも少なくない。

Windows 10のサポート終了まで1年を切った

Windows 10は2025年10月14日にサポート終了(EOS)を迎える。すでにEOSまで1年を切った今、その後継OSであるWindows 11に移行するしか方法はない。

サポートが終了すると、今回のように何か問題が起こったときに対処するバグ修正、脆弱性のセキュリティ修正、タイムゾーンの更新、それらいっさいがっさいに関するテクニカルサポートの提供を受けられなくなる。なんとしてでもそれは回避しなければならない。

ちなみに、Windows 10の最終バージョンは22H2だ。以前から言っていることだが、Windowsを使うことを選んだ以上は、毎年の大規模更新はせめて公開後数カ月後には受け入れた方が、使う側も使わせる側も納得できる環境が得られると思うのだがどうだろうか。

大急ぎで最新バージョンにアップデートする必要はないし、何も問題が起こっていないのだから、アップデートの必要はないというのも間違った考え方ではない。でも、古いバージョンを使い続けるユーザーが多ければ多いほど、それをサポートするコストは増える。結果として、新しいOSへの革新的な改良に支障が出てしまう可能性だってあるわけだ。

今回のような大規模更新での不具合が出てしまうと、なんとなく大規模更新は怖いという気持ちにもなるだろうし、更新どころかWindows 10からWindows 11になるようなドラスティックな変化を受け入れるのは、なかなかたいへんだとは思うが、そこで大きなトラブルが起こらないようにするのもITの腕の見せ所だ。