Ankerが既発表の3in1ハイブリッド電源「Anker Power Bank(30W、Fusion、Built in USB-Cケーブル)」の販売を開始した。

自宅では急速充電器として、外出先ではモバイルバッテリーとして使えるハイブリッドモデルで、ストラップを兼用できるUSB-Cケーブルが一体化されている。

  • Anker Power Bank(30W、Fusion、Built in USB-Cケーブル)の実機。ノートPCにつないで“延命”も可能だ

電源プラグとUSBケーブルを搭載したモバイルバッテリー

USB PD対応で、ACアダプタとしてコンセントに差し込んだ状態では最大30W出力をサポート、モバイルバッテリとして使う場合は22.5W出力に対応する。3月21日に発売されるブラックのほか、4月以降には追ってカラバリとしてホワイト、ブルー、ピンク、グリーン、パープルが提供される。

充電しながら出力できるパススルー充電にも対応、折りたたみプラグは持ち運びにも便利だ。販売価格は5,990円だが、3,000個限定でAmazon、楽天、公式サイトで20%オフの初回セールが実施される。

ハイブリッド電源は、ACアダプタつきモバイルバッテリーともいえるもので、しかもそれにケーブルが一体化されているので、持ち出す機材はこれだけで、あらゆる場所でのガジェット類充電に対応できる。つまり、これさえ持ち出せば忘れ物がありえないのは安心だ。

  • 電源プラグを搭載するほか、USB-Cケーブルが直付けされている

長めのケーブルを1本持っておくと心強い

出先でケーブルを持ってきていないことに気がついて、充電したくてもできないといったことがない。出張や毎日の外出など、とにかくこれひとつを持っていけばなんとかなるというのは心強い。もっとも新幹線や飛行機の座席に装備されているようなACコンセントは、多少離れた位置にある。

15センチほどの短い一体型ケーブルで充電しながらスマホを使うというのはちょっと難しいかもしれない。だが、本体にはもうひとつUSB-Cポートが装備されているので、別途長めのケーブルを用意しておけば鬼に金棒だ。

と、万が一は日常にたくさんあって、そのすべてに対応しようとすると、重量は嵩むばかりだ。どこかで妥協するのがモバイルでもある。

ちなみにこの製品の重量は約200グラムだ。同等出力の30Wチャージャーは「Anker 511 Charger (Nano 3, 30W) 」が約40g。また、以前、ここで紹介したケーブルが一体化された「Anker Nano Power Bank (30W, Built-In USB-C Cable)」が215gある。合計すると255gとなるので200gなら、2割ほど装備を軽量化することができている。

  • 15cmほどのUSB-Cケーブルはストラップとしても使える

ただし、バッテリの容量は半分になり、また、合体させたことで、モバイルバッテリとしての出力が22.5Wになってしまっていること、また、バッテリへの充電が10.5Wと低く、満充電までに時間がそれなりにかかってしまう。充電しながら出力できるといったパススルーハイブリッド仕様で軽量を追求した結果、その熱処理などを考慮し、安全に使うための配慮を反映した代償だともいえる。

愛用デバイスを充電するのに何ワット必要かを知っておこう

今、多くのスマホは30Wの急速充電に対応している。スマホだけでの利用なら、この製品のスペックで困ることはなさそうだ。また、ノートパソコンのバッテリも30Wでの充電ができるものが増えている。使いながらの充電はできなくても、スリープさせた状態での充電ならできることが多い。この製品をモバイルバッテリとして使う場合は22.5W出力だが、その低い出力に対応できるパソコンもたくさんある。

そんな機種なら、ピンチのときの非常用モバイルバッテリとして、1時間程度を延命できるのは安心だ。実際、手元のノートパソコンにこのバッテリを接続して動画再生を続けたが、ノートパソコンのバッテリは減らず、それどころか少しずつ増えていく。外部からの電源供給により、ちゃんと延命できている証拠だ。

スマートデバイスの充電事情は今、USB-Cポートを使ったUSB PDという汎用規格に収束しつつある。USB PD規格では、その出力能力の単位として使われているW(ワット)という単位に注目しよう。

新しく入手する充電器類はもちろん、自分の愛用デバイスを充電するには何ワットの充電環境が必要なのかなどを調べておこう。そこを究めることができれば製品選びもたやすい。