コロナ禍の当初期に買い込んで、ずっと使ってきたマスクや消毒用のアルコール類が、そろそろ底をつきかけている。

2020年あたりからだから、そろそろ3年がたつ。消耗品としての賞味期限をそれほど気にする必要はなさそうだが、保湿や手荒れ防止のためにいろいろな成分を含む消毒用アルコールは、アルコールそのものは大丈夫でも、その成分が変質するといったことで、やっかいなことになりかねないといった話も聞こえてくる。

これらの備品をさらに買い足すかどうか悩ましいところだが、消毒用アルコールについては、新たな人生を歩ませることができるかもしれない。

  • 富士通のPCは本体外装やマウス、キーボード面などを、消毒液(76.9~81.4%濃度)を含ませた柔らかい布で拭ける

    富士通のPCは本体外装やマウス、キーボード面などを、消毒液(76.9~81.4%濃度)を含ませた柔らかい布で拭ける(富士通クライアントコンピューティング「パソコン製品の消毒と清掃について」)。もちろん直接噴霧はNG

余った消毒用アルコールは静電気防止スプレーの余生へ

冬になって湿度が下がり、乾燥気味になってくると悩ましいのが静電気だ。バチッといったときの不快感を経験した方は少なくないはずだ。個人的にも静電気を帯びやすい体質らしく、冬の時期はかなり悩まされている。

買い物をしてオツリをもらうときに、店員さんと手のひらがふれそうになってバチッ、トイレをすませて洗面所で手を洗うときに蛇口をひねってバチッ、そうならなくて安心しても、手に水をかけたとたんに蛇口からの水と手の間でバチッといった具合だ。

冬に暗いところでTシャツの上に重ね着した長袖シャツを脱ぐと、火花でまわりが明るくなるくらいだ。両方がコッ トン100%でも容赦がない。

そんな静電気の悩みを幾分解消してくれるのが静電気防止スプレーだ。成分としてはアルコールに溶かした界面活性剤が空気中の水分とくっついて静電気を逃がす働きをする。

あまり信用していなかったのだが、試しに100均で入手して使ってみたら、かなりの効果があることがわかった。ただ、コストパフォーマンスの高いスプレーは、水に界面活性剤を溶かしたもののようだ。水なので、スプレーしたあと乾くのに時間がかかるが安上がりかもしれない。界面活性剤も洗剤やリンス、柔軟剤などでよいらしく、ちょっと検索すれば、いろいろなレシピが見つかる。

もし、大量のアルコールが余っていて、今後も使う機会がなさそうなら、それを使って静電気防止の余生を歩ませるといい。ただし、成分によっては大事な洋服にシミをつけることもあるので十分なテストは必要だ。これは市販のスプレーを使う場合でも同様だ。

1年間お世話になったデバイスをやさしく掃除する手も

この3年間余り、いつも手元に消毒用のアルコールがあって便利なこともあった。何かにつけてデスクの上やスマホの表面などを拭いたりするので、デスクやデバイス類が、以前よりもずっとピカピカの状態を維持している。

ノートパソコンなども同様だ(デバイスによっては不具合の原因になるなど、アルコールの使用が禁止されていることもあるので注意。メーカーの公式情報を参照したい)。手のひらの耐性も上がったように思う。当初期は荒れ荒れだったが今はビクともしない印象だ。

  • 日本HPの「HP Easy Clean」。同社では、PCのパーツにもよるが、まずはハタキやブロワーでほこりを吹き飛ばし、そのあと乾いた布で拭くか、取り切れない汚れはOA機器用クリーナーで落とすことを推奨している

日本HPの一部のノートPC製品にはHP Easy Cleanというユーティリティがプリインストールされている。このユーティリティを起動すると、2分間だけキーやマウスボタンを無効にしてロック状態にすることができる。

そのすきに掃除をすれば、PCをシャットダウンする手間をかける必要がないというわけだ。こうしたユーティリティがなくても、Windowsなら設定アプリでアクセシビリティ>キーボードで、フィルターキー機能を一時的に有効にすれば、掃除のときの打鍵を誤打鍵と見なさせて無視させることもできる。

毎日の手入れはもちろん、とりあえず年の暮れだ。1年間お世話になったデバイス類を、消費量が多少は減っているかもしれない消毒用アルコールできれいにしてみてはどうだろう。ただし、繰り返すが、成分によっては大事なデバイスにシミをつけたり、スクリーン面のガラスにかえってムラがついたりすることもあるので十分なテストが必要だ。

そんなわけで今年のご愛読を感謝。どうかよいお年を!