歯のケア、というか、加齢に伴う歯周病などの抑止、防止のために3カ月に一度、歯医者に通っているが、先日の診療でかかりつけ医に褒められた。前回の診察時よりもずっとよく手入れができているというのだ。100点満点とはいえないが、90点は軽く超えているとのこと。

その秘密は、1カ月前から使っている電動歯ブラシだ。電動歯ブラシはどうにもうさんくさくてずっと遠いところから見ているだけだった。今回は、Type-C充電ができる電動歯ブラシということで、物珍しさもあって借りて試してみることにした。

歯の磨き具合をスマホ画面で見られるのがうれしい

製品は、Ocleanというベンダーのもので、2016年5月に創立されたスタートアップだ。健康オーラルケア製品のスマート化とデジタル化を組み合わせたデジタルオーラルケの領域では先駆的なブランドだという。

  • Oclean X Proの本体。見かけよりも軽量に感じる。太いが手が小さくても支えやすい

    本体は見かけよりも軽量に感じる。太いが手が小さくても支えやすい

研究開発に注力し、約180名の社員の半数以上を占める技術者が歯磨き習慣を分析、研究を重ね、数々の独自技術を開発する中で、2016~2021年にかけて5年連続で電動歯ブラシ新規特許出願件数世界第1位となっているらしい。

今回試したのは、同社の最新フラグシップモデル「Oclean X Pro」に、壁掛け充電スタンド、充電機能付きトラベルケース、充電ケーブル、スペアブラシなど一式が付属した「Oclean X Pro Digitalセット」(実勢価格19,800円)だ。

タッチパネルで操作ができるグラフィカルな液晶画面付の本体に、交換可能なヘッド部分としてブラシを装着して42KHz、つまり4万2千回/分で振動するリニアモーターで効果的なブラッシングを実現する。

このとき、6軸のジャイロセンサーがブラシの動作を検知、どこを磨いて、どこが磨かれていなかったかを検出する。

スマホのアプリとBluetoothで通信して詳細レポートがグラフィカルに表示されるほか、本体の液晶ディスプレイでも、磨き残しエリアが赤く表示される。一通り磨いたあとで、赤い磨き残し部分をチェックして、磨けていない部分を再チャレンジすればいいわけだ。

老眼の目には本体にある小型サイズのディスプレイでの表示はつらいが、スマホでも内容を確認できるのがいい。ひとしきり磨いてチェックして赤いエリアをもう一度磨くという手順で、トータルで4分間も磨けば完全に磨けたことになる感じだ。磨いた時間も当然のように記録され、総合スコアに反映される。

これがあまり信用できなかったのだが、医者のコメントと一致するので、ほぼほぼ正しいことがわかった。医者にそのことを話すと、道具は道具として、ラクもできるからどんどん使うといいとのこと。

  • アプリで磨き残し部分を確認できる。本体の液晶ディスプレイでも確認できるが小さすぎてよくわからないのが難点

フル充電で30日間使える、トラベルケースはUSB-C充電対応

フル充電で30日間の使用が可能なので、毎日充電するようなものでもないのだが、セットには充電アダプタを兼ねた壁掛け用スタンドと、充電機能つきトラベルケースが同梱されている。

前者は両面テープで壁に貼り付けられる台座からアダプタ部分を外し、歯ブラシ本体を立てて接点経由で充電する。給電ポートは残念ながらmicroUSBだ。

  • 本体底部に2つのトラック状の接点が設けられている

  • 本体底部を装着する充電用のアダプタ。ポート形状はmicrUSB

  • 本体を立てたところ。スタンドとして使いつつ充電もできる

利用者にわかりやすい、ユーザビリティの工夫に期待

一方、トラベルケースは、内部に本体を収納し、外部のType-Cポートから給電して充電ができる。1カ月を超えるような旅行や出張はないに等しいので、旅行のときにこのケースに入れて歯ブラシを携行するというのは考えにくい。

それにちょっと大きく重いので自宅で使うだけになりそうだ。その割には、ブラシヘッドを抜かないとケースに収まらず、収まらないと充電ができないなど、いろいろ仕様がマヌケで、研究開発に注力するなら、このあたりのユーザビリティにこそ工夫をしてほしいと思う。

  • 同梱のトラベル用ケースに取り外したブラシと本体を収納できる

  • トラベルケースは外部から電源を供給して充電ができる仕組み。ポート形状はUSB Type-C

製品そのものは優れているが、それをアピールする力がない。同梱されたマニュアルにも最低限の説明しかない。アタッチメントとしてのブラシも、たくさんの種類があるのだが、どういう人がどういうものを使えばいいのかがきちんと説明されていない。3カ月に一度の交換が推奨されているブラシヘッドだけに詳細が気になる。

個人的にも電動歯ブラシは初めての利用でいろいろ戸惑いも多かった。磨き方さえよくわからず、YouTubeなどで検索していろいろ確認する必要があった。このあたりのケアがメーカー側でもうちょっときちんとできていればいいのにと思う。手で磨く歯ブラシに比べて効果も絶大なだけに、積極的に利用していこうと思う。だからこそ、きちんとした情報を届けてほしい。