Googleが、Pixelシリーズ新製品の発売を開始した。
毎年、秋は、スマホの刷新が恒例だ。すでに発表されていた通りPixel 8とPixel 8 Proの発売が開始された。搭載されているOSはAndroid 14で、最新のものが搭載されている。このバージョンのAndroidは、すでに既存のPixelシリーズにも適用されている。ちなみに今回のPixelからは7年間のOSアップデートが保証されるそうだ。
さらに扱いやすくなったPixel 8
今回のPixelシリーズは、AIの積極的利用が注目されているのだが、ハードウェアとして個人的に注目しているのはPixel 8だ。6.2インチのスクリーンで高さ 150.5mm、幅70.8mm、厚さ8.9mm、187gというスペックだ。とにかく扱いやすい。
2022年のPixel 7は6.3インチのスクリーンで高さ 155.6mm、幅73.2mm、厚さ8.7mm、197gだった。画面サイズがほんの少し小さくなってしまったが、10gのダイエットを果たしている。幅が2.4ミリ分シェイプアップして小さな手にも握りやすくなった。
Pixelシリーズは、日本での売れ行きが好調のようで、この国の市場にもっと食い込みたいというGoogleのもくろみもあるのだろう、小さなスマホが欲しいという日本市場の要望を積極的に取り入れるという戦略のようだ。
Pixel 8 Proは、先代のPixel 7 Proなどと同じ6.7インチのスクリーンだ。このスクリーンサイズはProバージョンと無印バージョンの二本立てとなったPixel 6シリーズから変わっていない。重量についてもPixel 6 Proの210gからPixel 7 Proの212g、Pixel 8 Proの213gと、わずかだがむしろ増えている。
だが、AIを駆使したコンピュテーショナルフォトグラフィーを楽しむなど、少しでも大きな画面が欲しくなる機能が満載で、望遠をサポートしたカメラを装備していることもあり、やっぱりProバージョンがいいというユーザーは多い。
Android 14でフォントサイズの上限が上がっていた
小さな画面のデメリットは、どうしても文字が小さくなってしまうことだろう。持ちやすくても視認性が犠牲になっては意味がない。OSの設定でフォントサイズを大きくはできても限界がある。
ところが、最新のAndroid 14では、フォントサイズの上限が3段階分大きくなった。また、完全にリニアな拡大ではなく、すでに大きなフォントはそれ以上大きくしないといった配慮で、文字表示のバランスが絶妙になった。
思わず、過去に愛用していたPixel 5をAndroid 14にして確認してみた。2020年に発売されたこのスマホは6インチスクリーンだが、Android 14の新しいフォントの拡大機能を使って各種のアプリを使ってみたところ、実に見やすく使いやすいことが確認できた。Android 14なら、古いスマホでもその環境が手に入る。
新製品のPixel 8は6.2インチで、Pixel 5の6インチよりもひとまわり大きいのだが、これまでのAndroidでは表示が小さく、そして窮屈な印象があった。でも、最新のAndroid 14で使うPixel 8にはその窮屈さがない。ハードウェアがダイエットしたのと反対に、コンテンツ表示のサイズなどが上方修正され、リッチでゆとりのある表示ができるようになったわけだ。
表示・テキストのサイズ改良は特筆すべきナイスジョブ
今後の高齢社会はスマホがなければ生きていけないくらいにスマホに依存することがわかっている。そして、その社会はいわゆるデジタルデバイドだけで構成されるわけではない。むしろ、パソコンネイティブでデジタルリテラシーが高いユーザー層だともいえる。そしてその層が日常的に老眼に悩まされているのは想像に難くない。だが、全員がらくらくスマホを求めてはいないのだ。
Googleは、そのあたりの事情もよくわかっているんだろう。この表示サイズとテキストの設定改変は、Android 14の改良の中でも特筆すべきナイスジョブだと思う。Android OSのもたらすメリットの大きな部分としてアピールしていい。
Pixel 8を使ったAndroid 14での表示サイズとテキスト設定を、Pixel 6を使ったAndroid 13での表示と比べると、Android 14にはまだまだ余裕でサイズを拡大できることがわかる。だからPixel 8のスクリーンサイズが小さくても表示は大きく見やすくできる。