インテルのIntel Core プロセッサー・ファミリーは現在、Core i3、Core i5、Core i7、Core i9、Core Xといったシリーズで構成されている。
そのブランドから「i」がなくなることが発表された。発表間近とされる開発コードMeteor Lakeこと第14世代プロセッサーの発売に先立って公になった。約15年ぶりの大規模なブランドアップデートで、2023年第二四半期から運用されることになっている。
これによって、インテルのプロセッサーの区分は、3/5/7/9 の表記に移行する。つまりお馴染みの「i」がなくなる。といっても、これまでも「こあいなな」などと呼ばれるようなこともあったりしたので、むしろ「i」はないほうがシンプルでわかりやすいかもしれない。
Intelの「i」ではあっても、iOSとかiPhoneといったブランドもあって、話がややこしくなる可能性もある。メインブランドである「Intel Core プロセッサー・ファミリー」には「i」がなかったのだから、最初からこうするべきだったという考え方もできる。
最高峰のプロセッサーは「Ultra」に
また、凄さの表現にインテルは過去にUltrabookなどで使ってきた「Ultra」を、今回のブランドアップデートでも使うことになった。最高峰のクライアント向けプロセッサーは、インテル Core Ultraプロセッサーと呼ばれることになる。
序列でいうと、基本パターンがCore 3 - Core 5 - Core 7 - Core 9となり、その一部に「Core Ultra 7」といった特別なモデルが設定されるということになる。要するに数字が大きい方が性能が高い。Ultraがつくともっと性能が上ということになる。実にシンプルだ。
パソコンを構成する部品の中で、もっとも重要な部品であるプロセッサーではあるが、そのブランド、アーキテクチャなどが一般的に認知されているかというとそれは微妙だ。
スマホのプロセッサーが何かを知らずに製品を購入するのと同じようなイメージでパソコンを買う。圧倒的にそのほうが多いだろう。
でも、さすがに歴史あるインテルは、Coreプロセッサーファミリーのブランドを広く知らしめてきたし、パソコンにインテルが入っていることも周知徹底しているから、スマホのプロセッサーよりは多くの人が認知しているのはすごいことではある。クルマのエンジンの型番を知っているドライバーがどれほどいるかと想像してみればいい。
「第n世代」も型番の中に移動
これまでのブランドでわかりやすかったのは「第n世代」という表記だった。たとえば、現行の最新プロセッサーは第13世代で、それが発表間近のMeteor Lakeで第14世代に置き換わる。
この数字は2008年のNehalem世代のCore製品を第1世代として、順次、更新されてきたもので、プロセッサーの新しさが一目でわかる。15年で14世代分ということは、ほぼ毎年、新しい世代のプロセッサーが発売されてきたということだ。
今回のブランドアップデート以降は、この表記について、プロセッサー・ナンバー、いわゆる型番に相当するものだけに使われることになるようだ。これは従来と同様で、「Intel Core Ultra 7プロセッサー ##XX」といったイメージで、「##」が世代名を示し、「XX」が型番として続き、数字の大きい方が新しく性能も高いということを示す。
これまでは「第##世代」とか「##th Gen」といった明確な冠があってわかりやすかったのだが、今後は異なる世代のプロセッサーが混在して現役で使われるといった状況も考慮されているかもしれない。だから余計に自分の使っているパソコンのプロセッサー・ナンバーは把握しておいたほうがいい。
パソコンを現役で使うためにも型番は大事
先日、手元で眠っていた古いパソコンをアップデートしようと取り出してみた。2018年秋のパソコンで、すでに5年前の製品だが、搭載プロセッサーはCore i7-8565Uだった。メモリも8GBあり、第8世代のプロセッサーなのでWindows 11にも対応し、今なお現役で普通に使える。
プロセッサー・ナンバーを確認すれば、そういうことが一目でわかる。もちろん、最新プロセッサーと比べてしまうと処理性能の点では見劣りするが、5世代以上前のCoreでもちゃんと使えるんだと、今さらながらちょっと感心してしまった。