ロジクールがマウス/キーボード製品のフラッグシップ「MX」シリーズを刷新、「MX ANYWHERE 3S コンパクトパフォーマンスマウス」と「MX KEYS S アドバンスド ワイヤレス イルミネイテッド キーボード」の発売を開始した。

価格はオープンだが、同社オンラインストア価格は、「MX ANYWHERE 3S」が13,970 円、「MX KEYS S」が19,690円となっている。堂々たる価格設定で購入にはちょっと勇気がいるかもしれない。だが、価格に相応のリッチな使い勝手は十分に納得できるものだと感じた。

  • ロジクールのフラッグシップマウス「MX ANYWHERE 3S」。高級といっていい価格だが、相応にリッチな使い勝手だ

マウス製品としては、前モデルに相当する「MX ANYWHERE 3」が2020年秋に、前製品から3年ぶりのモデルチェンジとして登場した。

今回は、そこからさらに3年近い。だからハイエンドマウスとキーボードの刷新と聞いて大きな期待もしていたのだが、実際には、今回のモデルチェンジはマイナーチェンジに近い。デザインもまるで変わらない。いい意味で完成形に近いということなのだろう。

MX ANYWHERE 3Sの進化点、Bolt接続は大きなポイント

「MX ANYWHERE 3S コンパクトパフォーマンスマウス」で進化したポイントはいくつかある。

まず、静音化が推進され、クリック音が静かになった。また、トラッキングセンサーが強化され、ガラス面などでの操作性が高まっているという。

  • 使い勝手はそのままに、クリックボタンが静音化。トラッキングセンサーも強化されている

ロジクールのポインティングデバイスやキーボードをパソコンに接続すると、制御用のアプリ「Logi Options+」のインストールが促され、それを使っていろいろなカスタマイズができるようになる。

今回は、Logi Options+のアップデートもあり、マウスやキーボードのマクロ機能である「Smart Actions」が提供され、連続する操作を一つのボタンに登録できるようになった(公式動画はこちら。Googleアカウントでのログインが必要)。

このマクロ機能は、新製品のみならず、過去のMXシリーズすべてに対応する。複雑なフローをサポートするものではないが、ワンタッチボタン的なバッチ処理で重宝するかもしれない。

何よりも大きなトピックスは、今回のシリーズ刷新により、すべてのMXシリーズが「Logi Bolt」に対応したことだ。専用のレシーバー1つで複数の異なるMX製品をPCに接続することができる。

  • やや見えにくいが、底面上部にLogi BoltとBluetooth両方のロゴがあり、2通りの方法で接続できることがわかる

過去のロジクール製品は、Unifyingテクノロジーのレシーバーを使って接続していた。「Logi Bolt」は、そのセキュリティレベルを向上させ、接続性も高めた新テクノロジーだ。その登場以降、この2つのテクノロジー対応が混在していた同社製品だが、今回の新MXシリーズ投入で、一通り、移行が完了した形だ。

使い方に応じて接続方法が選べることが望ましい

マウスやキーボードなど、こうしたデバイスはBluetooth接続するのが普通だと思っているエンドユーザーは少なくない。

実際、今回のマウス新製品「MX ANYWHERE 3S」も、ハイエンド製品でありながら「Logi Bolt」レシーバーは別売りとなっている。普通に買って普通に使う限りは、3台を登録できるBluetoothマウスに見えるし、実際にそう使える。

ただ、ドッキングステーションやハブを使う場合や、利用するパソコンがそのたびに異なるような使い方では、特定のデバイス間でいちいちペアリングが必要なBluetooth接続よりも、専用のレシーバーをUSB端子に装着するだけのほうが使いやすいことも多い。だからこそ、使い方に応じて接続方法を選べるというのが望ましいわけだ。

マウスやキーボードは消耗品ということもできるが、一気に買い替えることもないし、その寿命も比較的長い。だから、当面は、「Unifying」と「Logi Bolt」を混在させながらロジクール製品を使い続けることになりそうだ。

新旧の製品を併用するためには、レシーバーを2つ装着すればよいとはいえ、やはり煩雑だ。こういうことこそファームウェアのアップデートでなんとかならないかと思うのだが、ここはどうにもなりそうにない。