日本航空が、アクティアと共同で新サービス「TOKYO SAUNIST」をリリースした。
サウナを持つ温浴施設向けのサービスで、センサーを使って人流を把握し、サウナ室内の混雑状況をリアルタイムに可視化する。さらに、そして、その可視化されたビッグデータを公開提供することで、混雑の平準化や混雑予測などに役立つ分析ができるようにするという。また、Galaxyも端末機材協力として参加している。
仕組みとしては、サウナ室前に設置した3D-LiDARセンサーを使い、高精度に人を検知、クラウドにデータを集約する。そして、その集約したデータをもとにリアルタイムでサウナ室内の混雑状況を可視化、サウナ利用者や施設管理者向けにアプリケーションを提供するクラウド型のサービスだ。
空の旅に新たな商機、サウナブームと合わせ技
日本は2017年頃から空前のサウナブームにあるという。首都圏在住の2~30代をはじめ、月に一度以上サウナに入る愛好者が全国で推計1,400万人以上いるとされている。
JALもそのブームをビジネスチャンスにしようと、2019年から「JALサ旅」といったサウナを目的に旅をするサウナツーリズムの商品化に取り組んできた。ここで得た知見を活用し、JALの既存事業領域以外での新サービス開発というのが今回の座組だ。
「サウナに入ろうと思ったら満席」を回避する
JALではこの春から、新サービスとして「TOKYO SAUNIST」を、リアルタイムモニター、ユーザー向けモバイルアプリ、管理者向けダッシュボードなどを組み合わせたサービスとして提供、外販するという。
人流をモニターするセンサーは、サウナ室前や露天のスペースに設置されて、リアルタイムで一人単位のサウナ室内の利用状況を表示するために使われる。サウナ室の中に入ってから満席であることに気がついて再び外に出るということがなくなる。離れたところにある露天スペースからも、サウナ室内の状況が確認できるので、サウナ室に行くタイミングを調整できる。
課題はデータの活用法、導入難易度との兼ね合いも
ただ、このセンサーはとてもシンプルなものだ。単純に考えれば更衣室ロッカーのキーなど、利用客が施設内で常に身につけているようなものにICチップを実装、施設全体で利用役の性別や推定年齢といった属性を含んだデータを収集して同様の情報提供をすれば、施設の管理についてもさらに多くの情報を活用することができ、経営側にとっても利用側にとっても有意義な情報基盤になるはずだ。まさにPOS……、といっても最後のSはサウナのSだ。
JALではそれらの可能性については今後の課題だとしている。最初の導入のハードルを上げ過ぎると、小規模な事業者にとっては高嶺の花となり、結局は誰も導入しないということにもなりかねないだけに、最初は様子見といったところなのだろう。