あけましておめでとうございます。2023年も、本連載をよろしくお願い申し上げます。
2023年がやってきた。コロナ禍が働き方や暮らし方を変えて丸3年が経過し、ようやくトンネルの向こうに薄明かりが見えてきたといったところだろうか。
世の中が完全に元の状態に戻ることはもうないとも言われている。というよりも、元の状態に戻さない方がいい面もある。そういう意味ではコロナをきっかけに世の中がよくなった面もあるわけだ。そして、その加速を発生させた典型的なものが、社会全体のDXだ。
2023年はデジタル化を軌道にのせるフェイズ
そうはいっても、冷静に世の中を見渡すと、われわれはいったいこの3年間、何をやってきたのだろうとあきれてしまう事象はたくさんある。だから、次の3年間は、それをひたすら軌道にのせるフェイズだ。
3年間というのは中学に入学した生徒が高校生になるまでの期間だ。その3年間で経験することは極めて多い。齢を重ねると時の流れが速く感じるようになると言われているが、中学生時代の3年間というのは途方もなく長かった覚えがある。その3年間をどう過ごしたかが今の自分を作っているともいえる。
コロナ禍の直近3年間を過ごした10代の若者たちは、どんな経験を積んだのだろうと、ちょっと心配にもなるわけだが、きっと、この3年間は、どの年代でも得られなかった経験をもたらした3年間だったと信じたい。
何はともあれ、個人的にも今年は春頃から以前の活動を再開しようかと考えている。具体的には海外イベントの取材などだ。たぶん5月末のCOMPUTEX台北あたりになるだろうか。
この3年間のリハビリテーションにもなる。高騰している飛行機代やホテルのコストも、その頃には多少は落ち着いているんじゃないかと期待もしている。
オンラインとリアルの間には何があるのか
この3年間、オンラインでのコミュニケーションが増えたことで、過去においては不可能だったイベントのハシゴができるようになった。
ドラえもんのどこでもドアのように、取材先ごとのイベント参加に物理的な移動を伴わなくてもよかったり、イベントがハイブリッド化しオンライン、オフラインの両面から参加できるようになったことで、参加不可能だったイベントにも顔を出せるようになったりもした。時刻の重複は克服できないが、参加するイベントは増えた。
その反面、やっぱり、オンラインイベントは印象に残りにくい。製品の発表などでも、実機にさわることができないのは残念だ。
これはドラマや映画と劇場での芝居、音楽ならCD、DVD、BDとライブの違いなのかなと思ったりもした。
でも、リアルな人間が目の前にいなくても映像だけで感動はするし、印象にも残る。だから、オンラインイベントの参加は印象が希薄だというのは別の理由があるようにも思う。
だからこそ、活動を再開して、そういうことを確認していきたい。メタバースがリアルに取って代わる可能性を含めて、まだまだ考えなければならないことがある。
そんなわけで、2023年、どうか、引き続き、ご愛読いただけますように。