東京駅八重洲口正面の街地再開発事業に基づいて進められている街区のひとつ「東京ミッドタウン八重洲」の超高層ビル「八重洲セントラルタワー(地上45階 地下4階)」が竣工した。

グランドオープンは半年先の2023年3月だが、それに先立ち、地下1Fの13店舗と地下2Fのバスターミナル東京八重洲が先行オープンした。バスターミナルは、東京駅周辺の歩道上に分散している高速バス停留所を集約したもので、空港や地方都市を結ぶ高速バスのための国内最大規模のバスターミナルの第1期エリアだ。

  • 東京ミッドタウン八重洲(八重洲セントラルタワー)。先行オープンは2022年9月17日だが、正式な開業は2023年3月10日を予定する

東京駅直結ビルにAnker製品が並ぶ

先行オープンしたB1F店舗群のひとつとしてモバイルバッテリや充電器、各種ガジェット類で知られるAnkerがAnker Storeを開設した。関東エリア最大の売り場面積を誇るという。

店内にレイアウトされた同社製品の種類、そしてカテゴリは圧巻だ。最近は、セブンイレブンなどのコンビニでも見かけるようになった同社製品はまだまだアマゾンなどのeコマースでのビジネスが主なのだそうだが、今回のような展開で、より認知度を向上させていきたいとしている。

  • 東京ミッドタウン八重洲にAnker Storeがオープン。タッチ&トライコーナーが充実している

なかなかおもしろいと思ったのは、Nebulaシリーズなどを体験できる半個室のプロジェクターコーナーだ。部屋をカーテンで覆い、少し薄暗い状態にして、白壁に投影した映像を確認できるようになっている。

プロジェクターは、実際に自宅で使ってみるとわかるが、いわゆるホームシアター的にきちんとしたスクリーンを設置して映画などのコンテンツを楽しむというのがなかなか難しい。何しろ、100インチくらいのサイズの空きエリアを見つけるのが難しい。あったとすれば、そこにはきっとすでに先住民として50インチ超のテレビモニターが鎮座しているはずだ。

  • Nebulaのスマートプロジェクターを試せるタッチ&トライコーナー

これまではホームユースとして映画などのコンテンツを楽しんだり、ビジネスユースとしてプレゼンテーションスライドを投影するなど、大画面を目指してきたプロジェクターだが、それらとは異なる使い方の提案もできそうだ。

実使用に近い環境でプロジェクターを試せる

Ankerが今回用意した半個室のコーナーでは、単に白い壁にプロジェクター画像を投影しているだけだ。きちんとしたスクリーンを用意しようと思えばできたはずだが、それをしていない。

自宅内でそれなりの投影エリアを探すと、最後に見つかるのは天井しかないかもしれない。その天井も白いとは限らない。さらには、簡易的なプロジェクターの多くは投影面との距離で画面のサイズが決まるので、家庭用としても一般的になりつつある50型超の画面サイズを確保するには、相当距離のヒキが求められる。

絶好のポジションは既存の大画面テレビのスクリーン面に白い布をかぶせるという意味不明な結果になったりするなど、なかなかうまくいかないのだ。そういうことも含めて買う前に体験ができる。Ankerが、立派な視聴スペースを作らずに簡易スペースでプロジェクターを展示しているのは、ある意味で見識だとも感じた。

  • Ankerグループの新製品など、160製品以上のアイテムを揃える

充電ケーブルを触れる店舗は意外とない

家電製品などについては白物も含めて大きなスペースを確保し、詳しい店員がいろいろと教えてくれるが、充電器やケーブル類を実際に手に取って、肌触りや質感を試せるところはなかなかない。もちろんAnker製品もその例外ではない。でも、このストアにくれば、ほぼ確実に気になっている実際の製品を手に取って感覚を確かめられる。

  • ケーブルを手にとって選べる店舗は量販店でもなかなかない

たかが周辺ガジェットにそこまでこだわるかとも言われそうだが、通販で買って届いたパッケージを開いて触ってガッカリということを繰り返してはいないだろうか。

低価格な製品だから気に入らなくてもあきらめがつくと思うのではなく、納得して購入するのがいいに決まっている。Anker Storeは、そんなことができるストアとして、東京駅直結の絶好のロケーションにオープンした。

出張の機会も増えている。地方から東京に、東京から地方に移動することも再び多くなってきているんじゃないだろうか。電車の待ち時間など、ちょっとした時間のスキマに立ち寄ると面白いスペースになっている。ぜひ、ガジェット類の楽しさを体験してみてほしい。

  • 東京駅直結の最新オフィスビルに「ガジェット・電子機器」のストアが入るのは面白くも感じる