MicrosoftがWindows 11のAndroidアプリサポートを日本のユーザー向けにも開始した。米国では2021年秋からスタートしていたものでWindows 11の目玉機能のひとつでもある。日本は世界で2番目にサポートが開始される地域となる。
Microsoft StoreでAmazonアプリストアをインストール
現時点では、Windows Insiderに登録しているユーザーが対象で、この秋に配布開始予定のWindows 11 22H2以降のバージョンが必要だ。このバージョンは、Windows Insiderの3つのチャネルのうちRelease Previewでも配布が始まっている。
22H2環境のMicrosoft Storeアプリは22206.1401.6で、このバージョン以降が必要となる。
ここまで環境を揃えたところで、Amazonアプリストアの最新バージョンをMicrosoft Storeからインストールして起動すると、Windows Subsystem for Androidがあわせて組み込まれる。ここでパソコンを再起動すれば、Amazonアプリストアが使えるようになる。
Amazonとは協業するかたちだ。ストアでストアをインストールするというのは変な感じがするが、Androidアプリ用には別ストアを使うようにしておいたほうが、同じストアで異なるプラットフォーム用のアプリを提供するよりもわかりやすいかもしれない。
意外と悩む? AndoroidアプリをWindowsで活用する方法
Windows環境でAndoroidアプリが使えると何がうれしいのか。
以前はそれを切望していたのだが、実際に使えるようになってみると、なかなな複雑な心境だ。少なくとも個人的にはそうだ。
たとえばぼくは、目の前にパソコンがあって自由に使えるとしても、乗り換え案内で電車などの時刻を調べたいときにはスマートフォンに手が伸びて、インストール済みの「Y! 乗換案内」を開く。パソコンで使えるウェブ版のYAHOO! 路線情報の乗換案内よりもずっと使いやすいからだ。ウェブ版は広告を含めて無関係な情報量が多すぎて煩雑に感じる。レスポンシブルなデザインにもなっていない。
あるいは、Amazon Musicアプリ。これはデスクトップ用のWindowsアプリがアマゾンから提供されている。そうだ、ニコンのカメラから撮影した画像を逐次Bluetoothで吸い上げるAndroidアプリ「SnapBridge」がパソコンで使えると便利だ。他にはどうだ。スマホのメモに使っているGoogle Keepなんかはどうだろう。あるいは、MicrosoftのWindowsなんだからOfficeアプリのAndroid版くらいは入れておけばレスポンシブルなウィンドウで文書を書いたり読んだりできるかもしれない……。
と、せっかく始まったのだから、いろいろこの環境を活かしてみようと思うのだが、それがかなわない。Googleサービス用のアプリも見つからない。アプリがまるでストアに登録されていないのだ。あるのはよく知らないゲームばかりだ。
Amazonアプリストアは、アマゾンの専用端末であるFireタブレットなどからも使うが、そこでインストールできるTwitterアプリなども、WindowsのAmazonアプリストアからは見つからない。かろうじてfacebook Messengerは見つかった。でもこれはmessenger.comのウェブアプリで事足りている……。
これから多彩なアプリが増えることに期待
多くのウェブサービスは、ChromeやEdgeなどのブラウザを使ってアプリ化できるので、サイズ可変のコンパクトなウィンドウで稼働させられる。仕組みはウェブでも見かけはアプリそのものだから、とても重宝している。こうした環境があるので、いつの間にか、Androidアプリが使えることを待ち望まなくなっていた。それが今さらかなってもといったところだ。
ただ、世の中にはまだまだスマホだけでしか使えないアプリはたくさんある。それらをWindows環境で使える下地ができたことは素直に喜ぶべきかもしれない。個人的に毎朝測定して記録している血圧も、血圧計が対応しているのはAndroidアプリだけだ。
とはいうものの、この環境は解放されたばかり。しかも対象ユーザーはWindows Insiderだけだ。一般に開放されるころには、いろいろとめぼしいアプリがたくさん登録されて、自由に使えるようになっていることを願いたい。