東プレがREALFORCEブランドのマスターシリーズキーボードを拡充した。
まず、現行シリーズ「R3キーボード」の有線モデルを静音仕様に変更、そして、昇華印刷キートップに変えた。これまでの有線モデルは静音仕様ではなかったので、ある意味歓迎ではあるがレーザー印刷のキートップもここで消えたのはちょっと寂しい。
個人的に、2001年発売の初代からのREALFORCEユーザーとしては、静音、変荷重、レーザー印刷キートップのUSB接続のみのREALFORCEが欲しいのだが、スイッチが静音に変更されたものの、レーザー印刷キートップがなくなった。
ユーザーの惜しむ声に応えて多彩なモデルを展開
また、「R3Sキーボード」が追加されることになった。「R3S」は、先代の「R2キーボード」のバージョンアップモデルだ。
日本語キーボードのスペースキーが長いのが特徴だが、R3シリーズになってスペースキーは少し短くなった。個人的にはその方がよかったのだが、きっと、以前の方がよかったという声も多かったのだろう。R2シリーズがディスコンになってしまうことが回避されたことになる。
惜しむ声に応えるというのはさすがだ。せっかく手に馴染んだレイアウトが二度と手に入らないという事態を回避したともいえる。実に手厚いサポートだ。また、REALFORCE CONNECTソフトウェアによって、すべてのキーのキーマップ入れ替えや、入力ポイント変更などを設定できるなど、R2シリーズのデザインを引き継ぎつつ、R3シリーズの機能を取り入れている。
結果として、本体カラー、世代、通信方法、入力ポイント変更、日本語/英語、静音対応/非対応、キー荷重、キートップ印刷方式などを組み合わせると、REALFORCEキーボードの製品ラインアップはものすごい種類になっている。これだけ揃うと、いつかは、自分の好みの組み合わせでの製品化もあるんじゃないかと思えてくる。
それよりも、BTOでユーザーが好きに組み合わせられるようにしたほうがいいんじゃないかと思うのだが、実際にはそうはなっていない。カタログ掲載のモデルがズラリとラインアップされ、それぞれが完成品として売られている。
高級キーボードのランニングコストは低い
キーボードは、個人的な好みや趣向に細かく左右される周辺機器だし、価格的にもピンキリだ。もちろんREALFORCEは高級キーボードの部類であり、それだけに製品に対する本当にきめの細かい気配りが感じられる。
新モデルの価格帯は25,000~35,000円といったところだが、手元で使っている製品は20年近く使ってもビクともしない堅牢性で、ランニングコストは果てしなく低い。少なくとも、数年に一度買い替えるといった類いの周辺機器ではない。
実は、この先も安心して使えるようにと、ついこのあいだ、同社のサポートにオーバーホール(修理点検)を依頼したのだが、3,300円と送りの送料負担だけで「異常なし」ということがわかり、美しくクリーニングされた状態で戻ってきた。
キーボードはパソコンでの文字入力に欠かせない。生産性に与える影響はとても大きく、特に、コロナ禍で在宅勤務を強いられるようになった環境では、ノートパソコンに外付けのキーボードと外付けモニターをつないで仕事をするようになった方も少なくないだろう。最新のREALFORCEは、そういう働き方の変化によるニーズを的確にとらえ、要望に応じて製品のラインアップを拡充した。
あまりにも多くの製品を揃えようとして、ビジネス的にやっかいなことにならないようにしつつ、これからも、キーボードにこだわる個人ユーザーをサポートし続けていってほしい。