LGが有機ELテレビの2022年ラインナップを発表、5月末から順次発売していくという。画質の進化したOLED evo Gallery Editionなどは、本当に美しく、見ていてため息が出てきそうだ。さらに、ゲーミング対応で高速ゲーム体験を訴求している製品群も興味深い。
今回有機ELテレビでは、4シリーズから12モデルが発表されたのだが、その画面サイズを見ると、「OLED C2」シリーズ の、もっとも小さなものが42型で240,000円前後、48型で250,000円前後の想定価格となっている。
有機ELパネルは液晶パネルの半分程度の寿命だとされているが、本当にそうなのだとすれば、いざ購入するにはちょっと有機、いや、勇気のいる価格だ……。
48型テレビをPCにつないで4K出力で使ってみたい
LGは液晶パネルについても評価の高いメーカーで、パソコン用のディスプレイを提供する多くのメーカーが同社のパネルをパーツとして採用している。今回発表されたような有機ELテレビのラインナップを見ていると、48型サイズのテレビをパソコンにつないで100%表示の4K出力で使ってみたいという衝動にかられてしまう。
LGはパソコン用ディスプレイ製品も豊富なラインナップを誇る。製品を見ると、スピーカーが内蔵されているものは多いが、電源についてはACアダプタを使うものが多い。
デルのディスプレイ製品が、電源ユニットを内蔵しているけれどもスピーカーは内蔵していないものも多いというのと対極の関係にある。例外はあるのだが、たいていの製品はそうなっている。
個人的には、スピーカーも電源も内蔵し、ディスプレイの外につけるデバイスはできるだけ少なくしたいと考えている。だから、有機ELテレビをパソコン用のディスプレイにつなぐというチャレンジは、かなり積極的に検討もした。テレビならスピーカーも電源も内蔵してしまっているのが当たり前だからだ。リモコンだって便利だ。
コスト的にもリーズナブルだ。特に、一人暮らし世帯であれば、テレビとパソコン用モニタの兼用は設置スペースの節約にもつながる。
もっとも、最近の若い層はテレビを見ないそうだし、動画コンテンツを見るとしてもYouTubeのような配信コンテンツがメインだとすれば、大画面テレビはいらないという判断もあるのかもしれない。
ニーズとしてはゲーム用途もあると思うのだが、あまり大きなテレビだと画面全体が視野に入りきらず、ゲームの展開で不利になってしまう可能性もある。そこが難しいところだ。
PCにつないで使うにはグレア画面が気になるか
ぼく自身がパソコンにテレビをつなぎたいと思いつつも、思いとどまっているのは、その画面のグレア処理だ。テレビはほぼ例外なく画面の表面にグレア処理がなされ、より美しくくっきりとした映像が楽しめるようになっている。
そこにパソコンの画面を映し出し、比較的近い位置で長時間見つめていると、黒い部分に自分の顔がうつったり、天井の灯りや窓からの光が反射したりすることが、ちょっとうっとおしく感じる。
パソコン用ディスプレイの場合は、表面がノングレアであることが多く、映り込みが最小限に抑えられる。それによって画質を犠牲にしているかもしれないが、毎日、長時間、見つめ続ける存在だけに留意が必要だ。
もしかしたら、スマホのスクリーンのように、非光沢の保護フィルムを貼り付ければいいのだろうか。だが、大画面だけに、それには相当のテクニックが必要だ。素人には無理かもしれない。
Windowsにとってもちょうどいいサイズでは
それでもあの美しい48型有機ELテレビを一度見てしまうと、そこにパソコンの画面を映し出して作業してみたい衝動にかられる。ちなみに、Windowsが前提とする解像度は96ppiだ。これは、23型フルHDディスプレイでの100%表示に相当する。4K解像度にスケーリングすると100%表示のためには46型画面が必要になる。
だとすれば48型有機ELディスプレイというのは、パソコンをつないで使うのにちょうどいいサイズだ。パソコン用ディスプレイ製品では、なかなかこのサイズ感のものは見当たらない。だがテレビならちゃんとある。実に悩ましい。
USB Type-Cでパソコンを接続し、充電しながら映像出力するのは魅力だが、そこまでしろとはいわない。HDMIでいい。テレビのメーカー各社も、こういうニーズがあるということを、ちょっと考慮した商品企画をしてもらえないものだろうか。