9月1日は防災の日だ。この日は関東大震災が発生した日であり、台風シーズンを迎える時期でもあり、この日を含む1週間は防災週間として、いろいろな行事や訓練などが各地で開催される。今年(2021年)の防災週間は8月30日~9月5日までの一週間だ。
必要な防災グッズを再めてチェックしよう
関東大震災と言われてもピンとこない年代は多くなっているし、近年は、大雨によるとんでもない災害が頻繁に起こっている。また、災害というと311の東日本大震災を思い出されるかたも多いかもしれない。
いずれにしても、これらの時期はテレビやウェブでいろいろな特集が組まれ、震災対策についてのいろいろな情報を目にすることが多くなる。それを機会に、自分の身の回りの防災グッズが正常に使えるかどうかをチェックしておくことをお勧めする。
近年は、スマホ1台あれば、本当にさまざまな情報を入手できるようになっている。テレビやラジオといった震災グッズの定番はスマホがあればいらないと思ってもいいかもしれない。でも、スマホは電力が確保できなくなったら役にたたなくなる。だから、何よりも大事なのは電源だといってもいいかもしれない。
身の回りを見渡せば、ひとつやふたつのモバイルバッテリーがあるだろう。お気に入りのバッテリーは毎日持ち歩いて常用しているかもしれない。そういう日常の携行品はあまり心配することはない。一方、万が一に備えて確保してあるちょっと大容量のバッテリーはどうだろう。
普段の持ち歩きには重くても、万が一の事態に自宅などで役にたつだろうから、きちんとメンテナンスしておきたい。また、そのためにキャンプなどにも使える超大容量のポータブル電源を確保しておくのもいい。加えていうなら、その電源につなぐLEDライトなども重宝するはずだ。
ポータブル電源などに使われるのは、多くはリチウムイオン系のバッテリーで、1年くらい放置してもほとんど放電していないと思う。バッテリーを100%の状態で保存しておくのはあまりよくないとされていて、本当は50%程度の状態にしておくのがバッテリーのためにはいいそうだが、災害時用ということであれば、そんなことはいっていられない。
ラジオやテレビも重要な情報源になりうる
個人的にも9月になって防災週間のニュースが流れ始めるようになると、自分の誕生日も近いこともあって、保存してあるバッテリーが正常かをチェックするようにしている。ほとんどの場合は100%のままで追加の充電をする必要はないが、正常に使えるかどうかを確認しておくことは大事だ。
それに加えて、非常用の食料などで期限を迎えそうなものがあれば、新しいものを調達して入れ替えておいたりもする。
これらの対策をしておいても、そのグッズが活躍した機会は一度もなく、何十年も同じ家に住んでいて停電の経験すらないのだが、それはそれで幸せなことだと思っている。
一方、電源が確保できてスマホが使えても、災害の種類によってはモバイルネットワークの基地局が停波して、スマホが何の役にもたたなくなることもあるかもしれない。そういうときにはラジオやテレビにたよるしかなくなる。
たとえば関東エリアなら、万が一スカイツリーが使えなくなった場合も、東京タワーが電波を送るための機能を維持しているそうだが、両タワーが機能しなくなるような災害時の放送体制はいったいどうなるのかなど、想像するだけで怖くなってしまう。
災害情報の中心にあるのはネット? 放送?
ヤフーは、Yahoo!防災速報において、ユーザーごとの「防災タイムライン」の提供を開始した。アプリをインストールしておき自分の情報を入力しておくと、災害時にどのような行動をとればいいかを確認することができるそうだ。タイミングごとにプッシュ通知が届き、計画的な防災行動ができるとしている。
放送とインターネット通信、どちらも大事だし、どちらもなくなっては困る。でも、今後については、放送が災害情報の中心的存在であり続けるのかどうかも議論していかなければならないのではないか。それとも防災グッズとして低電力で機能するテレビやラジオなどの受信機は、絶対に確保しておくべきものなのか。いろんなケースを想定して、突然襲う災害に備えたい。