UQコミュニケーションズからWiMAX2+対応の新しいモバイルルータ「Wi-Fi Walker WiMAX2+ HWD15」が発売された。KDDIや、UQのMVNO各社もほぼ同時の発売だ。
最初に発売されたWiMAX2+対応ルータが「HWD14」で、その後、薄型軽量の「NAD11」が続き、今回、HWD14のリニューアルとして発売されたものだ。もっとも先代のHWD14はワイヤレス充電対応機能などもあり、当面は併売される模様だ。
薄型のNAD11が、KDDIの4G LTE対応を見送ったこと、そして、バッテリでの駆動時間が少し短かったこともあり、用途によっては不便を感じて購入を見送っていたユーザーには魅力的なモバイルルータとなっている。WiMAX 2+で約10時間50分の連続通信時間というのはやはり心強い。
NAD11が、WiMAXをサポートする最後の端末になると予想していたが、その予想ははずれ、WiMAXハイパワーに対応してきたのは意外だった。
通信モードは従来通りの3種類だ。
- ノーリミットモード WiMAXのみ
- ハイスピードモード WiMAXとWiMAX2+
- ハイスピードプラスエリアモード WiMAX 2+とau 4G LTE
WiMAXのエリアは相当に充実してきているし、特に都市部においてはWiMAX2+もそれに匹敵するくらいに拡がっている。だから、auのLTEを使えなくても多くの場合困らない。だが、実際には、本当にわずかではあるがWiMAXもWiMAX2+もつながらない場所が存在する。それがストレスになるのだ。得意先を訪問して、そのビルの奥まった会議室でプレゼンテーションしようとしたらインターネットにつながらないといったことが実際に起こる。でも、au 4G LTEが使えるのであれば安心だ。本当は、3Gに落としてでも、とにかく切れてしまうことを回避したいという希望もあるのだが、その願いはかなわない。
また、今回は、クレードルがオプションとして用意され、自宅においてルータ本体を充電しながらホームルータとして使う用途も想定されている。
WiMAXは他の移動体通信事業者やそのMVNOとは違い、これまで速度制限なしをアピールしてきた。ただ、現状では、au 4G LTEを使う場合、WiMAX2+の通信量が合算され、それが7GBに達すると、WiMAX2+も含めた速度制限を受けるようになってしまっている。ノーリミットなのは、WiMAXだけで、WiMAX2+のノーリミットも、購入後最大25カ月間だけだ。
au 4G LTEは別料金のオプションだが、つながらないエリアに遭遇してからLTEに切り替えるという操作はとてもめんどうだからといって、普段からハイスピードプラスエリアモードにしていると、いつのまにか7GBに達してしまうこともあるかもしれないので注意が必要だ。モバイル利用のみで7GBを使うケースはまれだとは思うが、自宅での接続用にも使い、動画サイトを流しっぱなし、複数台のパソコンのセキュリティ更新などもすべてゆだねるとなると、アッという間に達する容量であるだけに悩ましい。
いずれにしても、WiMAX2+は、実際にはLTEの一種であるTD-LTEとの互換性を持つ規格だ。中国で標準的に使われているLTE規格でもあり、今後、多くのスマートフォンが対応してくることになるだろう。各社からSIMフリー端末も数多く発売される動きもある。
WiMAX2+になって、UQコミュニケーションズのサービスも、端末にSIMカードを装着するサービスに変わったのだから、そのSIMを他の端末に装着して使えるようなサービスに発展することを期待したい。
(山田祥平 http://twitter.com/syohei/ @syohei)