12月も残り少なくなった。コロナ禍が続いた2020年だったが、あとから考えたときに、ビデオで録画した番組を見るときCMのスキップをするように、この大変な1年を飛ばしてしまいたい衝動にかられるかたも少なくないのではないか。

動かなくてもバトルが楽しめるように

さて、この行動様式が変わりつつあるまさに過渡期に、大きな変革を提案し続けているのがスマホゲームのポケモンGOだ。

  • ポケモンGOでは2020年4月、遠くからでもレイドバトルに参加できる「リモートレイドパス」が実装された

とにかくゲーマーに外に出てもらって歩いてもらってというコンセプトを、なんとか守りつつも、コロナによる行動様式の変化に影響を受けて、少しずつ、ルールなどを変えてきた。たとえば、GOロケット団の気球は、バトルチャンスが空からやってくる。これまではバトルを求めて、ロケット団の乗っ取ったポケスポットを見つけたり、知り合いを相手にバトルを楽しむしかなかったわけだが、部屋の中で一人でじっとしていても、気球に乗ってバトルチャンスが到来するのだ。つまり、動かなくてもゲームを楽しめる。

もっとも、GOロケット団といってもピンとこないくらいにポケモンGOから遠ざかっている人もいるかもしれない。

ゲームとしてのポケモンGOはリリース当時に比べれば大きくルールが変わっている。新しい取り組みもたくさんある。特にこの1年は、世界の変化に対応し、一時的な変更を加え、状況を反映した調整も行われてきた。たとえば、以前よりも、ジムからずいぶん離れた状態でもアクセスが可能になるといった変更があったのだ。これは密を回避する配慮だ。

その一時的な変更は、安全に気をつけながら再び歩いて冒険できるようにと、残されたものもあれば、タマゴを返すために必要な歩行距離など元に戻ったものもある。

最大レベルが40→50へ引き上げ

最近の、もっとも大きな変更は、最大レベルが40までだったトレーナーレベルが50までに引き上げられたことだ。

ポケモンGOの日本でのリリースは、2016年7月だった。個人的にはサービスイン当日にインストールしてみたものの、ちょっとついていけず、1日遊んだだけで放置していたが、2019年の春に再開した。生粋の初心者だったが1年以上をかけてレベル39に達し、ようやく40に届こうとしていたところでこのニュースを知って愕然としたものだ。

ようやくゴールが見えてゲームを終われると思ったのに、はるか先のゴールが突然出現したのだ。同じようなくやしい想いをしているプレーヤーのために、今年(2020年)いっぱいは、レガシー40のステータスを得やすいように、ポケモンをつかまえたときの獲得XPが倍になるそうだ。ぼくはその特権を駆使してレベル40にたどりついた。残り少ない今年だが、がんばってほしい。

一度はポケモンGOに取り組んだことがあるなら、久しぶりに遊んでみてはどうだろう。数年前に遊んだことがあって、それっきりになっているとか、機種変更があっても大丈夫だ。

ブランクがどんなに長くても、インストールして以前と同じアカウントでログインすれば、ちゃんと履歴は残っている。複数のデバイスにインストールすることもできる。マルチデバイスでの使い勝手は極上だ。

時代に合わせて変わりつつある現在進行形のポケモンGOに、新鮮な気持ちで取り組むことができるかもしれない。

ポケモンや道具の管理を、パソコンでしたい

ポケモンGOの開発元であるNianticは、ARの企業だ。数々のゲームに取り組みつつ、先日は、AR開発者向けキット(ARDK)の提供を開始、事前登録の案内を始めた。

このキットを使えば、OSごとに異なるバックエンド部分の処理を気にすることがなくなり、ユーザー体験の作成に専念できるようになるという。実際のデモも、RhizomatiksBascule(株式会社バスキュール)のものが公開されている。

ポケモンGOのARへの取り組みは、今ひとつピンとこないでいるのだが、これからは、新しい行動様式に適応すべく、どんどん新しいアプローチが取り入れられていくことになるのだろう。

Rhizomatiksによるデモ映像

[Bascule(株式会社バスキュール)によるデモ映像

ただ、個人的にはARもいいが、スマホゲームであるポケモンGOのポケモンや道具の管理を、パソコンなどのリッチな画面を持つUXでできるようにしてほしいと思い続けている。さてさて、これからどうなっていくのやら。

ちなみに「今年の漢字」には「密」が選ばれたそうだ。日本漢字能力検定協会が発表し、京都・清水寺で発表された。密閉、密集、密接の回避が叫ばれた今年の世相を象徴している。来年は、ぜひ、「親密」や「緻密」、「綿密」といった、多少は肯定的な「密」に浸りたいものだ。