つくづく貧乏性だと思うが、スマートウォッチは四角い方がいいと思う。でも、かつての腕時計の流れをひきずって丸型のものがほとんどだ。かろうじて四角にこだわっているのはAppple Watchなど一部に過ぎない。
四角い方がいいと思うのは、ディスプレイとして何らかの情報を表示するのがスマートウォッチの重要な機能だからだ。そして丸型ディスプレイはその機能を抑制してしまう。丸型にすることで明らかに、そこに表示できる情報の量が減ってしまう。
だからというわけではないが、高機能なスマートウォッチよりも、そこそこの活動量計機能を持ったスマートバンドの方が好みではある。スマートウォッチよりも小型軽量が求められることから、丸型にするには小さすぎて、四角形にするしかないという事情もあるのだろう。多くの製品が矩形状だ。
ピクセルを無駄なく矩形で利用する
最近発売されたものの中では、Huawei(ファーウェイ)のWATCH FITがお気に入りだ。バンドというにはちょっと大きな1.64型AMOLEDディスプレイを持っている。解像度は280×456で、このピクセルを無駄なく矩形で利用する。そして製品名にWatchという呼称を冠している。
スマートウォッチを持って何がよかったかと聞かれて、時間を知るのにポケットからスマホを取り出さなくてもよくなったという意見がSNSで話題になるくらいだ。いつでも手首に注目するだけで時間がわかるというのは便利このうえない。バッテリの消耗を防ぐために、手首を傾けたときだけ表示するというのではなく、いつでも表示しっぱなしというのが理想だ。それで多少はバッテリを余分に消費するかもしれないが、便利さの方をとりたい。
HuaweiのWATCH FITには、任意のウォッチフェイスを設定できる。ただ、そのデザインにはちょっと不満がある。個人的には時計に目をやるときのうち、半分は、時間ではなく、日付や曜日を知りたくて視線を向けている。そのときに表示されているウォッチフェイスが、あまりにも活動量計に偏っていると、肝心の時刻と日付、曜日の視認性が悪くなってしまう。
今どきのWatchは常時表示が必要だ
また、この製品では、通常のウォッチフェイスとは別に、「待ち受けの文字盤」を設定することができ、6種類の中から任意のものを選ぶことができる。
これを「なし」にすると、時計を持ち上げたり、タップしたりといった操作なしにディスプレイに何かが表示されることはないが、なんらかの「待ち受けの文字盤」を設定しておくと、机の上に時計を置いたままでも「待ち受けの文字盤」を表示し続ける……はずなのだが、節電のために待ち受けでありながら設定した時間でオフになってしまう。それが最長で20分だ。表示を復帰させるにはサイドボタンを押す必要がある。
つまり、まさに四六時中時刻と日付を表示し続けるという、時計に期待される当たり前の振る舞いをしてくれない。しかも、その6種類のバリエーションの中に時刻と日付と曜日をはっきりと一目瞭然に表示するものが見当たらない。かろうじて時刻は大きく表示されるものはあるのだが、日付と曜日が異常に小さかったりする。
「活動量計であって時計でない」に悶々
活動量計であって時計ではないと言われればそれまでなのだが、個人的にはちょっと不満が残る。活動量計なのだから腕から外すことは想定されていないというのも理解はしているが、悶々とする。パソコンでの気合いを入れた作業中にはやはり邪魔に感じて外してしまいたくもなる。
製品の名誉のためにいっておけば、物理的なスマートフィットネスバンドとしては申し分ないし、約1週間のバッテリ駆動、充電もポゴプラグでワンタッチで接続と形状としてはとてもよくできている。スマホに各種メッセージが到着したときの通知についても視認性は高く、不満はない。
だが、とにかくいつでもどこでもどんな状態でもチラリと見れば時刻と日付と曜日がわかるという、もっとも基本的なことについて、もう少し考えてくれてもいいんじゃないか。それができないなら、Watchを名乗ってはいけないと思う。でも、これらの不満はアプリのアップデートでどうにでもなるはずだ。ハードウェアとしては個人的にとてもお気に入りなので、ぜひ、取り組んでほしい。