知れば空を見上げるのがもっと楽しくなるかもしれない!? 27万部突破のベストセラー『すごすぎる天気の図鑑』の第2弾であり、累計34万部(電子書籍含む)の人気シリーズ新作『もっとすごすぎる天気の図鑑』(2022年4月発売・KADOKAWA刊)より、一部を紹介します。
著者はSNSで天気や災害に関する情報をわかりやすく発信している"雲研究者"の荒木健太郎先生です。身近だけれど意外と知らない空と雲のこと、この夏はちょっと理解を深めてみてはいかがでしょうか。
第3回は、「積乱雲が発達しやすい『曜日』がある?」です。
積乱雲が発達しやすい「曜日」がある?
驚くことに、「積乱雲は水曜日に発達しやすい」という研究結果があります。
東京など人口の多い都市はとくに、人間活動が休日に比べて平日に活発です。そのため、人工排熱などの影響で平日に気温が高くなり、休日に気温が低くなるという週末効果があります。週末効果は空に浮かぶ小さなチリ(エアロゾル)の濃度にも起こっており、大型トラックの交通などの人間活動によって火~木曜日に濃度が高いという研究があります。エアロゾルの多さは雲のできやすさにも関係します。
きれいな空では積乱雲内で雨がすぐに成長して降ってきますが、汚れた空では雲のつぶが多くできるためになかなか雨になりません。結果として、水蒸気の供給量が多くなって積乱雲が発達、水曜日を中心に雨も増えるというのです。
この説はまだ議論中ですが、人間活動は空にさまざまな影響を与えています。雲と上手に付き合うために、まずは空を知ることからはじめましょう。
豆知識
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、全国的に人間活動の自粛が行われた2020年春、東京都心の気温が4~5月に平均で0.5℃も下がりました。これは、活動自粛で人工排熱が抑えられたことが原因と考えられています。
なお、荒木先生のYouTubeチャンネル「荒木健太郎の雲研究室」では動画での解説もしています。
『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA刊)
著者:荒木健太郎、定価:1,375円(電子版もあり)
知れば空を見上げるのがもっともっと楽しくなる! 27万部突破のベストセラー『すごすぎる天気の図鑑』がも~っと詳しく、さらに濃くなった第2弾!
おもしろくてためになる、天気にまつわる知識を、今回も図解やイラスト、写真をふんだんにつかって詳しくご紹介します。とっておきのネタを教えてくれるのは、日本でいちばん有名な気象学者・雲研究者の荒木健太郎氏。雲・空・気象・天気に「季節」の章も加えて、子どもから大人まで楽しめる内容です。「雲の中に入るとどうなる?」「世界一簡単な彩雲の探し方」「カラフルな雪がある」「氷点下50℃以下で聞こえる星のささやき」など、誰かに話したくなる、71のトリビアが満載!
公式サイト:『すごすぎる天気の図鑑』