知れば空を見上げるのがもっと楽しくなるかもしれない!? 27万部突破のベストセラー『すごすぎる天気の図鑑』の第2弾であり、累計34万部(電子書籍含む)の人気シリーズ新作『もっとすごすぎる天気の図鑑』(2022年4月発売・KADOKAWA刊)より、一部を紹介します。

著者はSNSで天気や災害に関する情報をわかりやすく発信している"雲研究者"の荒木健太郎先生です。身近だけれど意外と知らない空と雲のこと、この夏はちょっと理解を深めてみてはいかがでしょうか。

第1回は、「雲のモクモク度合いを見るだけで雨が降りそうかどうかがわかる」を紹介します。

雲のモクモク度合いで雨が降りそうかどうかわかる

夏の風物詩といえば、空にモクモクと立ち昇る白い雲です。夏は天気が急変しやすいですが、雲のモクモク度合いから雨が降りそうかどうかがわかるのです。

  • 【観察してみよう】上部が平らな扁平積雲:雲上部にある安定した空気の層が、ふたのように雲の発達をさまたげている。出典:『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA刊)

まず空に現れるのは積雲です。積雲の上部が平らなかたち(扁平積雲(へんぺいせきうん))のときは、雲が成長しにくい安定した大気の状態なので、晴れが続きます。

  • モクモクする並積雲:この段階ではまだ雨は降らない。出典:『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA刊)

一方、雲が成長しやすい不安定な大気の状態のときは、積雲の上部が盛り上がった並積雲(なみせきうん)が現れ、それが成長すると入道雲と呼ばれる雄大積雲(ゆうだいせきうん)に。雄大積雲の下ではシャワーのような雨が降っており、さらに雲が発達すると雷を伴う積乱雲になります。

  • 発達した入道雲(雄大積雲):この下では雨が降りはじめている。雄大積雲の上部に髪の毛のようなすじっぽい構造が見られるか、雷を伴うと積乱雲に分類される。出典:『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA刊)

  • かなとこ雲を伴う積乱雲:雲の発達できる限界の高さは大気の不安定の度合いによって決まり、非常に不安定だと高度十数㎞の対流圏界面に達する。鍛冶で使う鉄床(かなとこ)にかたちが似ているため「かなとこ雲」と呼ばれ、この下では雷雨になっている。なお、冬の日本海側でも積乱雲が雪と雷をもたらす。出典:『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA刊)

雲の発達できる限界の高さまで成長した積乱雲の上部には、かなとこ雲という横に広がる雲ができます。この下では土砂降りの雷雨になっています。

雲を見て天気の変化を予想することを、観天望気(かんてんぼうき)といいます。とくに夏の空のすごくモクモクした雲は、天気が急変するきざし。雨が降る前に、早めに帰宅しましょう。

豆知識
入道雲や積乱雲は夏のイメージですが、上空に強い寒気が入れば大気の状態が不安定になるので、冬にも関東など太平洋側でも発達することがあります。
冬の積乱雲は夏に比べて背が低いですが、変わらずモクモクしています。

なお、荒木先生のYouTubeチャンネル「荒木健太郎の雲研究室」では動画での解説もしています。

『もっとすごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA刊)

著者:荒木健太郎、定価:1,375円(電子版もあり)
知れば空を見上げるのがもっともっと楽しくなる! 27万部突破のベストセラー『すごすぎる天気の図鑑』がも~っと詳しく、さらに濃くなった第2弾!
おもしろくてためになる、天気にまつわる知識を、今回も図解やイラスト、写真をふんだんにつかって詳しくご紹介します。とっておきのネタを教えてくれるのは、日本でいちばん有名な気象学者・雲研究者の荒木健太郎氏。雲・空・気象・天気に「季節」の章も加えて、子どもから大人まで楽しめる内容です。「雲の中に入るとどうなる?」「世界一簡単な彩雲の探し方」「カラフルな雪がある」「氷点下50℃以下で聞こえる星のささやき」など、誰かに話したくなる、71のトリビアが満載!

公式サイト:『すごすぎる天気の図鑑』