暑さが身にこたえる夏本番となり、「食欲がないなあ……」と感じている人が多いかもしれません。そこで、栄養たっぷりの冷たいスープはいかがでしょうか。小腹が満たされるだけでなく、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素も補え、さらには、腸内環境の改善にも効果的な甘酒コーンポタージュスープを紹介します。

■腸内環境改善のポイントと、こうじ甘酒の意外な使い方

腸内環境改善のためには、「納豆や味噌のような発酵食品」と、「食物繊維が豊富な野菜」。このふたつをこまめに食べることがポイントです。発酵食品には腸にいい影響を与える菌が含まれますし、食物繊維の摂取は善玉菌を増殖させるためには必須だからです。

今回紹介する甘酒は、このふたつを同時に摂取することができる食材です。甘酒はこうじ菌からつくる発酵食品であり、食物繊維も豊富な優秀食材。また、糖質をエネルギーに変えるために必要なビタミンB群、体を構成するために必要なアミノ酸も含まれていて、疲労回復にもピッタリです。

さらに、発酵の過程で生成されるこうじ酸には、抗酸化作用(活性酸素の除去作用)もあり美白効果も兼ね備えていますから、紫外線ダメージを受けやすい夏にもってこいの食材なのです。

ただ、甘酒には糖質も多く含まれているという点も忘れないようにしましょう。糖質が多いので、そのままたくさん飲むと摂取カロリーオーバーになりますので注意してください。その反面、甘さがしっかりとあるため、調味料として有効に使うこともできます。例えば砂糖の代用として、煮物、ドレッシング、肉や魚の漬け込みダレに甘酒を使うのもおすすめです。発酵の風味や旨味が加わって料理がとても美味しくなりますし、栄養価もアップします。

甘酒というとお正月のイメージがあるかもしれませんが、その健康効果はとても高いものです。どこでも手に入りやすい食材ですので、通年の定番食材として使ってもらえるといいと思います。実際に甘酒を料理にこまめに取り入れることで、おなかの調子が整ってくることを実感する人はかなりいます。

■腸内環境の改善に効果的なオリゴ糖と食物繊維も豊富

また、今回のスープにはいまの季節が旬のとうもろこしと、たんぱく質が豊富な豆乳も使用します。どちらにも、腸内環境の改善に効果的なオリゴ糖や食物繊維が豊富に含まれていますし、カリウム、マグネシウム、鉄といった、インスタントのスープでは失われがちなミネラルも含まれていますから、忙しく働くみなさんの夏バテ防止にも一役買ってくれることでしょう。

甘酒には、米こうじからつくるアルコールが含まれないものと、酒粕からつくるアルコールが含まれるものの2種類があります。どちらも腸内環境にいい影響を与えますが、今回はアルコールを含まない米こうじを使いますので、仕事がある日の朝食にしても問題ありません。

市販の甘酒を選ぶときは、米と米こうじのふたつだけでつくられたシンプルな甘酒がおすすめです。手づくりでも、ヨーグルトメーカーや炊飯器で簡単につくることができますのでトライしてみてください。

【レシピ】コーンとこうじ甘酒の冷製ポタージュ

材料(3人分)
・とうもろこし 1本(可食部150g)※水煮缶でもOK
・玉ねぎ 70g(中1/4個)
・米麹の甘酒 大さじ4
・無調整豆乳 200ml
・オリーブ油 小さじ2
・塩 ふたつまみ

つくり方

(1)材料はすべて事前に計量しておく。とうもろこしを茹でて身をそぎ、飾り用に数粒を取り分けておく。

(2)玉ねぎを薄切りにし、オリーブ油で炒める。塩をふり、焦がさないようにして、しんなりしたら火を止める。

(3)粗熱をとった玉ねぎと、茹でたとうもろこし、甘酒、豆乳をミキサー(またはブレンダー)にかけて滑らかにし、冷蔵庫で冷やす。

(4)器に盛り、飾りに茹でたとうもろこしをのせて完成。

つくり方のポイント

とうもろこしは、皮がよれておらず鮮やかな緑色で、ひげは茶色でしっとりしていて乾燥していないものが食べ頃です。茹でたとうもろこしは、身のついたままでも、身をほぐしてからでも冷凍保存できます。生のとうもろこしの場合は、皮をつけたままにしてラップに包み冷凍保存します。どちらの場合も、1カ月程度保存が可能です。

今回のレシピでは夏向けにあっさりした仕上がりにしましたが、濃厚な味が好みの場合は、オリーブ油の代わりにバター、豆乳の代わりに牛乳を使うとコクのあるスープになります。そうすることでカロリーもアップしますので、疲労や夏バテで食欲が極端にないときなどは、ぜひ試してほしいと思います。