SBクリエイティブは、このほど『「ダメ子育て」を科学が変える!全米トップ校が親に教える57のこと』(990円/星 友啓著)を発売した。2020年に全米の大学進学校1位に輝いた「スタンフォードオンラインハイスクール」。本書は同校の校長が、最新の脳科学や心理学に裏打ちされた子育てメソッドから、家庭でも実践できるものを紹介している。
著者は、スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長であり、哲学博士でもある星 友啓氏。現職の傍ら、哲学、論理学、リーダーシップの講義活動や、米国、アジアにむけて教育及び教育関連テクノロジー(EdTech)のコンサルティングにも取り組んでいるという。
今回は同書の中から、「良かれと思ってやりがちな最悪の子育て習慣3つ」についてを抜粋。自身の子育てとぜひ比較してみてほしい。
■良かれと思ってやりがちな最悪の子育て習慣3つ
「しつけ派」の子育てをやり過ぎてはいけないことがわかりました。では、具体的にはどういうところに、気を付けていったらいいのでしょうか?
まずは、コントロール型子育てには3つの典型的なパターンがあることを押さえておきましょう。
パターン1 罰で脅す
「勉強しないと、ゲームさせないよ」
「ケンカしたら、おやつ抜きだからね」
忙しい日々の子育ての中で、こんな言葉がついつい出てしまうときもあるかもしれません。子どもに何かをやらせようと罰として楽しみを取り上げたり、嫌がることで脅す。道徳的にも脅しがよくないのは当然ですが、科学的にも子どもの心やパフォーマンスに悪影響が出るので、注意して避けるのが得策です。
パターン2 過度な期待でプレッシャーをかける
「●●ちゃん○○が得意だから、クラスで1番になれるよ!」
子どもの成績や結果を純粋に褒めてあげたいけれど、ついつい期待混じりになってしまうことがあるかもしれません。褒め言葉に結果や比較を持ち出すのはダメだということは、以前解説した通りです。さらに能力や比較で褒めなかったとしても、子どもに親の期待を押し付けるのは厳禁です。
「○○ちゃんならできるから、やらないと!」
親からの高いパフォーマンスの期待を表現することで、子どもにプレッシャーがかかってしまいます。その結果、自分から進んで取り組もうとする「自分から感」ではなく、親の期待からのプレッシャーにコントロールされてしまうようになるのです。
このように、過度の期待でプレッシャーをかけるのは「コントロール型」の子育ての典型例の一つです。子どもに期待すればするほど、プレッシャーによるコントロールにつながってしまいがちです。良かれと思って声をかけても、科学的には全く逆効果になるので要注意です。
パターン3 罪悪感を植え付ける
「何やってるの。ダメでしょ。なんでわからないの?」
子どもが繰り返し言うことを聞かずにいけないことをして、ついカッとなり感情的に𠮟りつけてしまう。よくある子育ての風景のようですが、このやり方が逆効果だということが、これまでの心理学の蓄積から明らかになりました。
そうした声かけで、子どもが、罪悪感や羞恥心にコントロールされるようになってしまい、前述のようなコントロール型の子育てによる心や体のリスクにさらされてしまうのです。
ダメなことをしっかり伝えることと、強い罪悪感や羞恥心を植え付けてしまうように感情的に𠮟りつけることは違います。罪悪感や羞恥心のコントロールではなく、子どもが自分から自発的に考えて、やらない選択ができるようにサポートをすることが必要なのです。
書籍『「ダメ子育て」を科学が変える!全米トップ校が親に教える57のこと』(990円/SBクリエイティブ刊)
同書では、本稿で紹介した以外にも科学的エビデンスに基づいた子育てについて解説。気になる方は、ぜひ本を手に取ってみてはいかがだろう。