「子育てにお金ってどれくらいかかるの?」「東京暮らしと地方暮らしとでは、子育てにかかるお金に違いがあるの?」「教育資金づくりってどんなふうにするの?」「教育費が足りない場合どうしたらいいの?」など、子育て真っ最中の方、またはこれから子育てする方には、こんな疑問や不安がある方も多いのではないでしょうか。

前回につづき、今回も「子育てとお金」をテーマに有益な情報をご紹介していきます。「出産にかかるお金」「教育費の目安」「教育資金づくりの方法」「教育費を地域別で比較」など、さまざまな角度から、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が「子育てとお金」についてお伝えしていきます。

「保険」で教育資金を作る

今回は、教育資金を貯蓄するための選択肢のひとつでもある「保険」をお伝えいたします。子ども向けの主な保険には、下表のようなものがあります。

表1 : 子ども向けの主な保険

【1】の学資保険は「貯蓄型」、【2】~【5】の保険は「保障型」の保険と言われています。今回は、教育資金の貯蓄という観点から「1 学資保険」を細かくお伝えいたします。

学資保険とは

学資保険とは、子どもの教育資金を積み立てることを目的とした保険です。原則として、「契約者は親(祖父母でも可能な場合もある)」、「被保険者は子ども」で契約します。

子どもの年齢や進学時期に合わせてお祝金が支払われ、満期時には満期保険金が支払われます。また、契約者(親など)の死亡後、保険期間終了時まで、育英資金(年金や一時金)が支払われる保険商品もあります。

表2 : 学資保険の特徴

一部ですが、具体的な保険商品としてご紹介します。

▼三井住友海上あいおい生命「&LIFEこども保険」

こちらの保険商品は、教育資金に加えて医療保障も備えられる保険です。「こども医療特約」を付加することにより、子どもの病気やケガによる入院・手術・一定の要件を満たした場合の通院をしたときに給付金が支払われます。また、子どもの出産予定日の5カ月前から契約ができるので、出産前から教育資金の準備を始められます。

参照 : 「&LIFEこども保険」特徴としくみ

▼フコク生命「みらいのつばさ」

こちらの保険商品は、受取方法を2つの種類から選択できます。【受取方法1(ステップ型)】として、子供の入園前、入学前、成人前など節目ごとにお祝金が支払われ、22歳で満期保険金が支払われます。小学校から私立の進学を検討しているなど、早い時期から教育費の負担が大きい場合に活用できます。【受取方法2(ジャンプ型)】は、大学入学前にお祝金を、22歳で満期保険金を受け取れます。大学のみ私立の進学を検討しているなど、比較的子どもの成長の後半に教育資金が必要になる場合に活用できます。

参照 : "みらいのつばさ"の特長

▼かんぽ生命「学資保険」

こちらの保険商品は、教育資金の準備目的に応じて3つのコースに分けられています。

■「大学入学時」の学資金準備コース
大学入学時に満期保険金が支払われるタイプ
■「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース
小学校、中学校、高校入学時にお祝金が、大学入学時に満期保険金が支払われるタイプ
■「大学入学時+在学中」の学資金準備コース
大学入学時、大学2年、大学3年に毎年お祝金が、大学4年時に満期保険金が支払われるタイプ

参照 : かんぽ生命【学資保険】

ほかにもさまざまな学資保険があります。学資保険の目的は「教育資金の確保」です。保険のパンフレットに記載されているお祝金の回数や満期保険金の金額が魅力的に感じることもあると思います。

しかし、そこは急がずに、教育資金の貯蓄方法は、保険のほかにどのようなものがあるのか、月々の保険料はいくらまでなら生活費を圧迫しないのか、など多角的に検討する必要があるでしょう。