「東京は物価が高いので、生活費が高い」または、「地方は物価が安いので、生活費が東京に比べてあまりかからない」と世間でよく言われていることは、本当なのでしょうか。
連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京から地方へ移り住んで感じたことを交えながらお伝えいたします。
競馬場に行ったことはありますか?
みなさんは、競馬場に行ったことはありますか? 私は東京在住の頃、何度か東京競馬場に行ったことがあります。約20年以上前の競馬場は、年配の男性が多数を占め、足元には馬券が散らばっていて、食事処もトイレも、決して清潔とはいえない場所でした。
しかし、現在では、たくさんの家族連れや女性も競馬場で楽しんでいますし、競馬場内の施設はきれいに清掃されています。「競馬場は賭け事する場所だから、雰囲気が悪そうで苦手」という方もいらっしゃると思います。私も最初に競馬場に足を運ぶまではそう思っていました。
しかし、現在の競馬場は、馬券を購入するだけの場所でなく、家族連れが楽しめるようなイベントが行われていたり、女性だけでゆっくりくつろげるスペースが設けられていたり、「賭け事」をしなくても、レジャー施設としても楽しめる場所になっているようです。
中央競馬と地方競馬
競馬には、JRAと言われている日本中央競馬会と、NARと言われている地方競馬全国協会があります。競馬に興味がない方でも、JRAという名前や、オグリキャップやディープインパクトといった競走馬の名前を知っている方も多いのではないでしょうか。
日本中央競馬会(JRA)の資本金は、政府が全額出資しています。また、日本中央競馬会法という法律の下で農林水産大臣の監督下に置かれています。したがって、民間企業が自らの利益を求めているのではなく、競馬を通して国民的レジャーを提供することを目的としています。
一方、地方競馬全国協会(NAR)は、地方公共団体(県や市区町村など)が主催しています。例えば、東京都品川区にある大井競馬場は、東京の23区で組織されている特別区競馬組合が主催しています。
今回は、日本中央競馬会(JRA)の競馬場をみてみましょう。
全国にある競馬場
日本中央競馬会(JRA)の競馬場は、10施設あります。札幌、函館、福島、新潟、東京、中山、中京、京都、阪神、小倉です。私が行ったことのある競馬場は、ほんの一部ですが、どの競馬場も施設はきれいでした。
競馬開催中の競馬場の入場料は全競馬場一律ではなく、東京、中山、中京、京都、阪神が200円で、札幌、函館、福島、新潟、小倉が100円となっています(表1参照)。また、競馬開催を行っていない場合は入場料無料です。
子供を持つ友人から聞いたのですが、競馬をしなくても競馬場に子供を連れていき、競馬場内で開放されている芝生やキッズルームなどで遊ばせていると言っていました。子供たち専用の遊び場がある競馬場は、遊園地のような高い入園料ではないので、親としてはお財布に優しいレジャー施設としての役割もあるようです。
終わりに
今回は、日本中央競馬会(JRA)の競馬場について調べてみました。私はほとんど競馬をしませんが、今でもたまに家族で競馬場に行くことがあります。競馬場に広がる芝生と抜けるような青空を見ると、それだけで気持ちが良いです。
また、競馬場では季節ごとにイベントがあります。以前、福島競馬場で開催された花火を観たときは、競馬場にはさえぎるものがないので、花火を観覧するのはとても良い場所だと思いました。競馬をしなくても、リーズナブルに楽しめる場所です。
まだ競馬場に行ったことがない方は、競馬に興味がなくても、ひとつのレジャー施設としてふらっと足を運んでみてはいかがでしょうか。
高鷲佐織(たかわしさおり)
ファイナンシャル・プランナー(CFP 認定者)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/DCプランナー1級。資格の学校TACにて、FP講師として、教材の作成・校閲、講義に従事している。過去問分析を通じて学習者が苦手とする分野での、理解しやすい教材作りを心がけて、FP技能検定3級から1級までの教材などの作成・校閲を行っている。また、並行して資産形成や年金などの個人のお金に関する相談を行っている。