「東京は物価が高いので、生活費が高い」または、「地方は物価が安いので、生活費が東京に比べてあまりかからない」と世間でよく言われていることは、本当なのでしょうか。
連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京から地方へ移り住んで感じたことを交えながらお伝えいたします。
地域の集会所を利用してみました
みなさんは、ご自身がお住まいの地域に集会所や区民センター、コミュニティ・センターのような住民が利用できる施設があることをご存じですか?
一般的には、引っ越しした後に住民登録を済ませると、市役所や区役所などからその地域の暮らしについてのガイドブックが渡されます。ガイドブックには住民登録や印鑑登録方法や、国民健康保険や国民年金についての手続きや相談方法、また、教育、出産、健康・医療、防災対策などの情報が記載されています。
その項目の中に、地域にある施設ガイドが記載されており、図書館やスポーツ施設、公園、保育園、児童センターなどが紹介されています。「地域センター・集会所」の施設の情報も施設ガイドの中に記載されています。「集会所」の呼び方は地域によって異なり、区民センター、コミュニティ・センター、集会所などと呼ばれています。
そこで今回は、地域にある集会所について調べてみました。
各地域の集会所の施設内容と使用料
地方に引っ越しした際に、自宅の近くに集会所があることがわかり、訪問してみました。利用方法が記載されている紙をもらい、集会所の各部屋を見学させてもらいました。大人数で集まることができるホールのような部屋や、キッチンが併設されている調理可能な部屋、また和室もあり、用途によって使い分けることができそうでした。
利用料金を見ると、民間企業が貸し出している会議室よりもリーズナブルな利用料金のため、利用の人気も高く、全ての部屋が埋まっていて、賑やかでした。 集会所は地域ごとに設けられていますが、利用料金など違いがあるようです。
北海道札幌市・中央区民センター(一部抜粋)
宮城県仙台市・大野田コミュニティ・センター(一部抜粋)
東京都品川区・八潮地域センター区民集会所(一部抜粋)
福岡県福岡市・早良市民センター(一部抜粋)
地域にある集会所に関する情報を、各地方自治体のホームページなどから抜粋しました。
単純に「会議室」だけでなく、大きなホールや、和室、音楽室、実習室など目的に合わせた部屋を提供しているものもあり、使い勝手のよい施設が多いようです。
私が見学した集会所は、「営利を目的とした利用はできない」ところでしたが、地域によっては営利目的利用が可能であったり、飲酒を主目的とする利用が可能であったり、1時間単位での時間貸しが可能である施設もあるようです。気の合う者同士が集まってイベントを行ったり、一緒に何かを学んだり、親睦を深めたり、目的に合わせて様々な利用ができます。
終わりに
今回は、地域の集会所について調べてみました。
ファイナンシャル・プランナー同士の知識向上のため、地域の集会所を利用して勉強会が開催されていることがあります。私はそこに参加したことがありますが、その集会所には、エアコン、デスク、プロジェクターなど完備されており、民間企業が貸し出している会議室に劣らない環境で学ぶことができました。
また、「地域の集会所」ということもあり、リラックスした雰囲気に包まれており、「学ぶ場所」としても良い環境であると感じました。みなさんも、ご自宅の近くに便利に利用できる集会所があるかもしれませんので、お住まいの地域の集会所の情報を確認してみてはいかがでしょうか。
高鷲佐織(たかわしさおり)
ファイナンシャル・プランナー(CFP 認定者)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/DCプランナー1級。資格の学校TACにて、FP講師として、教材の作成・校閲、講義に従事している。過去問分析を通じて学習者が苦手とする分野での、理解しやすい教材作りを心がけて、FP技能検定3級から1級までの教材などの作成・校閲を行っている。また、並行して資産形成や年金などの個人のお金に関する相談を行っている。