「都心では物価が高いので、生活していくのが大変だ」または「地方は物価が安いので、生活費が都心に比べてあまりかからない」と世間で言われていることは、本当なのでしょうか。
お金の扱い方について、都心部と地方部では、違いがないのでしょうか。
連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京と地方、両方の生活を経験して感じたことを交えながら、お金に関する情報などをお伝えいたします。
7月に入り「夏」が始まりましたね。街中では徐々にお祭りが開催され、子どもたちは夏休みに入り、帰省や旅行を計画している方もいらっしゃるでしょう。一方、全国的に猛暑であり、物価高や円安等を考慮して自宅でのんびり過ごすという方も少なくないと思います。そこで、1つご提案です。仕事から離れて自宅にいる時間がある夏季休暇だからこそ、家の中にある「大きないらない物」を処分しませんか?
どのご自宅にも、「いつか捨てなくちゃな」「これ、ジャマだな」と思いつつも手をつけていない大きないらない物があるのではないでしょうか?
一般的には「粗大ごみ」といい、各自治体によって処分方法が異なります。私自身も何度も引っ越しをして「粗大ごみ」となる大きさや処分方法が異なることを知りました。具体例として、2つの自治体の「粗大ごみ」の処分方法を見てみましょう。
秋田県秋田市
●「粗大ごみ」の定義:一辺の長さが50cmを超えるもの
●「粗大ごみ」の処理手数料
200円:ガステーブル、いす(1人用)、ゴルフバッグなど
ただし、15kg未満、かつ、縦・横・高さの合計が200cm以下のもの
500円:こたつ、ベッドマット(シングル)、ベビーカーなど
ただし、15kg以上30kg未満、かつ、縦・横・高さの合計が300cm以下のもの
1,000円:電気カーペット(8帖まで)、ベッドマット(セミダブル)、ゴルフクラブ(フルセット)など
ただし、30kg以上40kg未満、かつ、縦・横・高さの合計が400cm以下のもの
1,500円:電子ピアノ、ソファーベッド、マッサージ機(いす式)など
ただし、40kg以上100kg未満、かつ、縦・横・高さの合計が500cm以下のもの
●「粗大ごみ」の処分方法
【1】専用受付電話かインターネットで申し込みする。
【2】粗大ごみ用証紙(金券シール)を購入し、粗大ごみの見やすいところへ貼り、収集日の午前9時までに玄関前または指定された場所に出す。なお、インターネットで申し込みする場合は、粗大ごみ用証紙(金券シール)を購入する方法、または、クレジットカード決済で処理手数料を納付する方法、どちらかの方法を選択することができる。
東京都武蔵野市
●「粗大ごみ」の定義
・40リットルの武蔵野市指定有料ごみ袋に入らないもの、または小さくても頑丈で別の処理を必要とするもの(鉄アレイなど)
・武蔵野市指定有料ごみ袋が破けてしまうような重さのもの
・収集運搬時に引火等の危険性が伴うもの(石油ストーブなど)
●「粗大ごみ」の処理手数料
処理手数料はポイント制である。品目ごとにポイントが決められており、ポイントの合計によって手数料が決まる。大きさや重さによってポイントが異なり、最低手数料は1,000円となる。10ポイント券(1,000円)、15ポイント券(1,500円)、1ポイント券(100円)がある。粗大ごみポイント(料金)の目安は下記のとおり(同じ品名でも大きさなどによりポイントが異なる)。
2ポイント:植木鉢、加湿器、オーディオ機器(単体)、ガスコンロ(2口)、ゴルフバッグ、電子レンジ、布団(シングル)、カーペット等の敷物(2畳以下/枚)など
3ポイント:椅子(肘掛けなし)、ガスコンロ(3口)、空気清浄機、こたつ、袖なし机、布団(セミダブル以上)、カーペット等の敷物(2畳超え6畳以下/枚)など
5ポイント:椅子(肘掛けあり)、鏡台、物干し台(コンクリート台を除く)、カーペット等の敷物(6畳超え10畳以下/枚)など
10ポイント:シングルベッド(マットレス除く)、電動自転車、カーペット等の敷物(10畳超え/枚)など
15ポイント:セミダブルまたはダブルベッドのマットレス(スプリングあり)、物置(1畳以下、解体済み)など
また、箱物家具に該当する場合は、共通の品目となり、ポイントは大きさによって異なる。箱物家具に該当する主なものは、下記のとおり。
たんす・箱物:衣装ケース、衣装箱、クローゼット、たんす、チェストなど
棚・ラック類:カラーボックス、下駄箱、書棚、食器棚など
台・ボード類:コーナーボード、サイドボード、テレビ台、レンジ台など
●「粗大ごみ」の処分方法
【1】専用受付電話かインターネットで申し込みする。
【2】指定された分のポイントの処理券を購入し、粗大ごみの見やすいところへ貼り、収集日の午前9時までに指定された場所に出す。1回の収集につき、最低10ポイント(1,000円)の粗大ごみ処理券が必要であり、ポイント不足の場合は収集されない。
終わりに
2つの自治体の「粗大ごみ」処分方法についてお伝えしましたが、大まかに言えば、他の自治体でも秋田市のように、一定の大きさ以上を「粗大ごみ」として定義し、粗大ごみの重さや大きさによって費用が決まる自治体と、武蔵野市のように、市指定の最大の有料ごみ袋に入らないものを「粗大ごみ」と定義し、費用をポイント制にして「粗大ごみ」の品目や家具類の大きさによって費用が決まる自治体が多いようです。
例えば、引っ越しする前の地域では「可燃ごみや不燃ごみ」で処分できたからと勝手に判断してごみ置き場に置かずに、「粗大ごみ」になるかどうかを自治体のホームページ等で確認した上で、大きなごみは処分しましょう。