「都心では物価が高いので、生活していくのが大変だ」または「地方は物価が安いので、生活費が都心に比べてあまりかからない」と世間で言われていることは、本当なのでしょうか。

お金の扱い方について、都心部と地方部では、違いがないのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京と地方、両方の生活を経験して感じたことを交えながら、お金に関する情報などをお伝えいたします。

新型コロナウイルスが5類感染症に移行され、隔離措置や外出自粛要請等が解除されて、常時テレワークとされていた勤務体制から出社する体制に戻っている企業もあり、徐々に「日常の生活」が戻ってきています。そして、3月から4月にかけては、入学や入社、転勤、異動、出向などの理由で引っ越しをする方も多いでしょう。2024年1月には、国土交通省から「引っ越し時期の分散にご協力をお願いします」との呼びかけがありました。

「引っ越しシーズン到来!」ということで、今回は引っ越し業者の選び方や注意点などについてお伝えしたいと思います。

引っ越しは3月から4月が繁忙期

国土交通省が大手引っ越し業者6社へのヒアリングを行った結果、3月から4月にかけて引っ越しの依頼が集中していることがわかりました。

また、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の年960時間上限規制と改正改善基準告示(長時間労働・過重労働の実態にあるドライバーの健康確保等の観点から見直しを行うもの)が適用され、労働時間が短くなることで輸送能力が不足して、依頼者の希望通りに物が運べなくなる可能性が懸念されています。さらに、トラック業界ではトラックドライバーが不足していることもあり、繁忙期とされている3月~4月は、トラックドライバーおよびトラックの両方の対応が難しくなっているという実情があります。

国土交通省は、経済団体等を通じて、民間企業の異動時期の分散化を検討するように要請しているようですが、現時点では、学校や企業の年度のスタートが「4月」であるところが圧倒的に多いため、3月~4月での引っ越しが集中するのはやむを得ないようです。

3月~4月の間で、特に混雑が予想されるのが、2024年3月16日(土)から4月7日(日)とされていて、4月8日(月)以降も混雑は続くと予想されています。

残念ながら、引っ越し業者と偽る悪徳業者も存在します。引っ越しの希望日に対応してくれる引っ越し業者が見つからないからといって、SNS等での個人間での引っ越し作業の契約や、インターネット上で調べても企業名が出てこない引っ越し業者との契約は避けましょう。

引っ越し業者の選び方

企業での転勤や異動などによる引っ越しの場合は、その企業が契約している引っ越し業者に依頼することになるので、引っ越し業者と荷物の量の確認や日程の調整の相談をするだけで済みますが、個人で引っ越しをする場合は、自ら引っ越し業者を選択し、引っ越し作業の依頼をしなければなりません。その際に信頼できる引っ越し業者を選ぶ指針となるのが「引越安心マーク」です。

「引越安心マーク」とは、安全、安心な引越しサービスを提供すると全日本トラック協会が認めた引っ越し業者を引越優良事業者として認定して、その優良事業者の証として交付されるものです。

「引越安心マーク」が交付された事業者は、下記のサイトの「引越安心マーク事業者一覧」からご覧いただけます。引っ越し希望日に格安の料金で引き受ける引っ越し業者が見つかったとしても、すぐに依頼せずに、一度、この「引越し安心マーク」が交付されている事業者であるか、確認しましょう。

引越し安心マーク

引越し後のフォロー

引っ越し作業が終了した直後は、引っ越し依頼者や家族も、電気、ガス、水道、通信などの開始手続きをしたり、自ら荷ほどきをしたり、掃除をしたりと、引っ越し業者の作業をずっと見守っていることは不可能だと思います。引っ越し終了から数日経ってから、引っ越し作業による壁のキズや荷物の破損に気が付くこともあると思います。万が一トラブルがあった場合でも、引っ越し後に相談できる窓口が設置されている引っ越し業者を選びましょう。

出典:プレスリリース(令和6年1月24日・国土交通省 物流・自動車局貨物流通事業課)