「都心では物価が高いので、生活していくのが大変だ」または「地方は物価が安いので、生活費が都心に比べてあまりかからない」と世間で言われていることは、本当なのでしょうか。
お金の扱い方について、都心部と地方部では、違いがないのでしょうか。
連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京と地方、両方の生活を経験して感じたことを交えながら、お金に関する情報などをお伝えいたします。
生活費のうち、定額、もしくはほぼ定額の金額を毎月支払わなければならない費用を「固定費」と呼びます。例えば、賃貸住宅であれば家賃や共益費は、毎月定額の支払いが必要となるので、固定費となります。また、自宅でインターネットを利用する場合、「インターネット回線料」を定額で支払っているのであれば、それも固定費となります。
前回は、NTT東日本とNTT西日本のインターネット回線料についてお伝えしました。今回は、インターネット回線料が安いと言われている会社の料金プランや、メリットとデメリットなどをお伝えしたいと思います。
どこの会社がお得なのか?
まずは、検索サイトで「インターネット回線 おすすめ」や「インターネット回線 安い」と検索すると検索結果表示画面のトップに「NURO光」が出てきました(「スポンサー」と表示あり)。インターネット回線サービスを行っている会社はたくさんありますが、今回は、この「NURO光」の中身について見ていこうと思います。
「NURO光」とはなにか?
「NURO光」とは、So-net(ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)が提供するインターネット光回線サービスです。メディア等で「SONIYの光」と宣伝している広告を見たことがある方もいらっしゃるでしょう。
「NURO光」の料金プラン
条件として、タイトルにもあるように「1人暮らし」のケースを考えて、集合住宅(マンション等)に居住していることとします。
月額料金
NURO光最大2ギガ 5,200円・契約期間は3年(2年自動更新あり)
NURO光最大2ギガ 5,700円・契約期間は2年(2年自動更新あり)
NURO光最大2ギガ 6,100円・契約期間の縛りなし
NURO光最大10ギガ 5,700円・契約期間は3年
NURO光最大10ギガ 8,300円・契約期間の縛りなし
<NURO光forマンション>
NURO設備導入済みの40戸以上の集合住宅の場合は、「NURO光forマンション」という料金プランを選択することができます。
月額料金
契約期間3年の場合→最大2ギガ 2,090円~2,750円
(集合住宅の利用人数によって変動)
なお、宮城県のみ、月額料金:最大10ギガの料金プランがあります。他の地域は、最大2ギガの料金プランとなります。
「NURO光」の初期手数料
契約事務手数料:3,300円
基本工事費:4万4,000円
「NURO光」の提供エリア
サービス提供エリアは全国ではないため、NURO光に申し込む場合は、自らの住所地が提供エリアかどうか、確認する必要があります。提供エリアは下記のとおりです(一部地域除く)。
北海道
東北:宮城の一部エリア(10ギガプランのみ)
関東:東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬
東海:愛知、静岡、岐阜、三重
関西:大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良
中国:岡山、広島
九州:福岡、佐賀
「NURO光」のメリット
【1】インターネット回線料+プロバイダ料金(So-netのみ)+無線LAN(Wi-Fiが利用できる装置)がセットになっている。
【2】選択する料金プランによっては、多種多様な特典がある(2024年2月25日時点)
・契約期間のある料金プランでは、一定の要件を満たすことで、基本工事費が実質無料となる。
・他社からの乗り換えの際に発生する解約金を最大で60,000円まで還元する。
・契約期間のある料金プランでは、下記のA~Cのうち、どれか1つの特典を選んで適用できる。
A:初年度基本料金が980円となる。
B:4万3,000円分キャッシュバックされる。
C:契約期間中、PlayStationを実質無料で使える。
【3】契約期間の縛りがない料金プランの場合、契約を解除した際に、解約に係る費用が発生しない。
「NURO光」のデメリット
【1】他社の光回線から、NURO光に乗り換えする場合、プロバイダを選ぶことができないしたがって、今まで利用していたプロバイダを解約しなければならない。例えば、今まで使用していたプロバイダのメールアドレスをNURO光にした後も利用したい場合、メールアドレスのみを使用することを今まで使用していたプロバイダと契約することは可能である。ただし、メールアドレスのみでも、通常のプロバイダ料金よりは少額ではあるが、メールアドレスを残したプロバイダに対しても月額利用料がかかる。
【2】プロバイダメールがないため、メールを使用したい場合、契約者自身でフリーメールアドレス等を作成することになる。
【3】賃貸住宅での引っ越し等でNURO光を解約する際に撤去工事が必要である場合、撤去工事費11,000円が発生する。
終わりに
契約期間のある料金プランを選択してNURO光に申し込む場合、「NURO光」のメリット【2】に書いたような特典が適用されたときは、契約事務手数料3,300円のみで利用開始することができ、「A:初年度基本料金が980円となる」を選択すれば、毎月の費用も抑えることができるでしょう。ただし、サービス提供エリアが限られているので、転勤等で提供エリア外に引っ越しする場合には、撤去費用や解約金などの費用がかかる可能性もあります。また、費用面だけでなく、故障等のトラブルがあった際には、webではなく、すぐに電話で対応してもらえるのか等の緊急の対応体制も確認しておくとよいでしょう。