「都心では物価が高いので、生活していくのが大変だ」または「地方は物価が安いので、生活費が都心に比べてあまりかからない」と世間で言われていることは、本当なのでしょうか。お金の取扱いについて、都心部と地方部では、違いはないのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか? 」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京と地方、両方の生活を経験して感じたことを交えながら、お金に関する情報などをお伝えいたします。

前回(第113回)では、「都市ガス」、「LPガス(プロパンガス)」および「オール電化」の主な特徴をお伝えしました。今回は、「都市ガス」、「LPガス(プロパンガス)」および「オール電化」の節約方法をお伝えしたいと思います。

「都市ガス」、「LPガス(プロパンガス)」および「オール電化」共通の節約方法

お風呂の設定温度を下げる

お風呂の設定温度は、一年中同じですか? それとも季節や気温などで設定温度を変えていますか? 一般的には、お風呂の温度の適温は、41度~42度と言われていますが、これは人の体温が違うように、人それぞれの適温があると思います。実際に、私はお風呂の温度が40度だと「熱い」と感じてしまいます。たとえば、お風呂の設定温度を1度下げて入浴しても、変わらず温かく感じるのであれば、基本の設定温度を下げてみてもよいのではないでしょうか。

ちなみに、インターネット上に掲載されている節約術で「湯船につからずにシャワーを浴びるだけのほうが光熱費の節約になる」と書かれていることもありますが、すべての家庭において節約になるとは言い切れません。短時間でシャワーを浴びると節約になる場合もありますが、これから寒くなりますので、できるだけ湯船につかり体の芯まで温めて健康体でいることを優先したほうがよいと思います。また、お風呂の残り湯を洗濯に利用しているご家庭は、シャワーよりも光熱費の節約になっている場合もあります。

次に入浴する人がいても電源は「オフ」に

入浴する際に「自動」や「運転」と表示されているボタンを押すと、自動的に湯船にお湯がたまり、そのまま保温する機能が付いている給湯設備がある住宅にお住まいの方もいらっしゃるでしょう。このような給湯設備の場合、家族でそれぞれ好きな時間に入浴していると、長時間保温することになります。「保温」は、温度が下がると設定温度まで追い炊きする機能です。したがって、長い時間保温するということは、何度も追い炊きすることになります。1人目が入浴した後は電源を切り、次に入浴する人は、追い炊きしてから入浴するほうが、節約になります。

「都市ガス」、「LPガス(プロパンガス)」の節約方法

ガスコンロは、強火よりも中火や弱火に

炎が鍋底からはみ出してしまってはいませんか? そのはみ出した分は、無駄になってしまっています。もちろん、料理によっては「強火」が必要な場合もありますが、私自身が見たレシピの中では、「中火で」や「弱火で」と書かれたものが多いです。無意識に「とりあえず強火」にして調理している場合は、意識して火加減を弱めるだけでガス代の節約になります。

「オール電化」の節約方法

電気料金の単価が下がるのは何時?

オール電化住宅では、「電気温水器」と「エコキュート」のいずれかの給湯設備が設置されています。どちらも、夜間に翌日に必要な量のお湯を作ってためます。したがって、オール電化住宅のご家庭では、多くの方が夜間に電気料金の単価が安くなるプランに加入していると思います。では、電気料金の単価が安くなる時間は何時からでしょうか? これは加入している電気料金プランによって異なり、一律に何時から安くなるというわけではありません。「何時から電気料金の単価が安くなるのか」を意識すると、その時間以降にお風呂に入ったり、洗濯したりすることも節約につながります。

終わりに

節約は生活するうえで「我慢」することではありません。無駄を省いて効率的に生活することで、不要な支払いを抑えることが節約です。昔からある湯たんぽやカイロを使って体を温めて、エアコン等の暖房器具の使用時間を短くしたり、設定温度を下げたりするのも、1つの節約になるでしょう。また、節約のためだけでなく、室内の乾燥を防ぎ、暖房器具による火事の心配もありません。できるだけ無理しない生活をしながら光熱費を抑えて寒い冬を乗り切りたいですね。