テレワークが広がり、都心にあるオフィスの近くに居住する必要性がなくなったと感じている人も増えているようです。また、優秀な人材確保のため、企業側の方針として「テレワークを主体とし、オフィスへの出勤を減少させる」という動きも少しずつではありますが、出てきています。
「主な大企業は都心の高層ビルにオフィスを構え、従業員達は満員電車に揺られて出社する」という通勤スタイルが大きく変わっていくかもしれません。会社員に対して「働く場所」を自分で決めることができるとしたら、どこで働きますか?
自宅、コワーキングスペース、サテライトオフィス、カフェなどが候補でしょうか。自宅周辺を想像する方が多いと思いますが、今回は仕事と休暇を両立できるワーケーションを取り上げようと思います。
ワーケーションは以前のコラム「第99回 ワーケーションを活用して地方暮らしを考えてみては?」でも取り上げました。第99回では、ワーケーションの定義や、ワーケーションプランを提供している旅行会社等のウェブサイトをご紹介しましたので、ご参照いただければと思います。
今回は、鳥取県に新しくオープンしたテレワーク拠点の紹介と、ワーケーションをする際の注意点をお伝えしたいと思います。
鳥取県「SAND BOX TOTTORI」
2022年5月にオープンしたばかりのテレワーク拠点です。鳥取砂丘にスタイリッシュなテレワークオフィスが誕生しました。こちらは、単なるコワーキングスペースではなく、観光客も利用できるカフェや更衣室、シャワールームもあるので、鳥取砂丘を観光したあとに、利用することもできます。
地元企業だけではく、県外の企業や自治体、個人に対しても開放されているテレワークオフィスです。興味のある方は、内覧の申込や資料請求がホームページ上からできるので、ご覧になってみてください。まずは、鳥取砂丘への観光とセットでドロップインを利用して仕事してみるのもよいのではないでしょうか。
ワーケーションする際の注意点
ワーケーションは、従業員側からすると、ストレス軽減につながり心身ともに健やかに働くことができる良い手段だと思います。一方、会社側からすると、従業員の勤怠や労働時間の管理が難しいという点があるでしょう。
ワーケーションについて、会社内でのルールが定まっていない場合は、ワーケーションを実施する前に、会社側(上司など)に対して以下の点を確認しましょう。
【1】ワーケーション先の滞在費用や、テレワーク施設の利用費用(例:SAND BOX TOTTORIでのドロップイン費用など)について、会社側と従業員側の負担割合はどうなるのか。
【2】ワーケーション先からの通信方法(wi-fi利用は可能かなど)、また、通信費用がかかる場合の費用負担について。
【3】緊急で上司等の指示によりオフィスに出社する必要がある場合、ワーケーション先からオフィスまでの交通費の負担はどうなるのか。
【4】ワーケーション先での仕事中にケガや病気した場合、どのように対処したらよいか(労災保険での手続きなど)
【5】ワーケーションの滞在に、一部有給休暇を使う場合、出勤日と休日を上司や同僚に伝える。
【1】【2】【3】は、費用面での確認です。現在では、ワーケーションに係る費用を全面的に会社側が負担するというのは厳しい企業が多いでしょう。ワーケーションの意義は、「旅行しにいく間に片手間で仕事をする」のではありません。企業側としても、従業員がワーケーションを活用することにより、アイデアが創出され、生産性が向上していることがわかれば、費用面でもサポートしてくれるのではないでしょうか。今年の夏は猛暑が続くようですので、ワーケーションを活用して、仕事の合間に心と体をリフレッシュし、暑い夏を乗り切りたいですね。