いよいよアナログ停波の年となった。今年の7月24日には、アナログ地上波が停止される。すでにテレビは、かなりの方が地デジ対応のものに買い替えられたと思うが、レコーダーの方はいかがだろうか。当然、今買うのであればブルーレイ(BD)なのだが、ブルーレイ以外の選択肢も増えてきた。今回は、ディスクもの、レコーダーものをどうするべきか考えてみよう。
テレビはテレビ放送を見るだけのものではない。今どき、リアルタイムで放送をみるよりも、録画をしておいてテレビ番組を楽しんでいる人の方が多いだろうし、週末になればTSUTAYAなどのレンタル店に出かけて、映画やドラマのDVDやBDを借りてきて、楽しむという人も多いだろう。
このようなライフスタイルを、そのまま地デジに移行するには、BD+HDDレコーダーを購入するのがいちばん面倒がない。ただし、BDレコーダーを購入するときは、ひとつ注意点がある。それはHDDの容量だ。経験上、HDDの容量は1TB(約100時間弱)以上のものを強くお薦めする。「私はそんなにテレビを見る方じゃないから、そんなに大容量のものはいらない」とおっしゃる人がいるかもしれないが、ヘビーにテレビを見る人よりも、あまりテレビを見ないという人の方が、実は大容量HDDを必要とすることになるのだ。
それは、テレビをあまり見ない人でも、気になった番組はどんどん録画予約してしまうが、見る時間は少ない。HDDに溜まっていく量がすぐに増えてしまうのだ。逆に、ヘビーにテレビを見る人は、録画もどんどんするが、消化も早いので、意外にHDD容量が逼迫しない。しばらく見ない番組は、BDにムーブしてしまうという手もあるが、BDへのムーブは、6倍速程度が限界。2時間の映画であれば、20分かかることになる。さらに、書き換え可能なBD-REでは2倍速程度。映画のムーブに1時間かかる。現実には、けっこうな手間になるのだ。
ということで、私は1TB以上のモデルのものを強くお薦めするが、問題は、このクラスのレコーダーは、まだまだ10万円前後と高いということだ。最安値のものを探しても8万円台がぎりぎりのようだ。
そこで、500GBクラスでありながら、USB接続で市販のハードディスクが増設できるタイプのものを選ぶという手がある。このようなUSB接続機能では、東芝のレグザが一歩リードしている。HDDは最大8台まで接続可能で、2TBのHDDまで動作確認されているので、最大16TBまで利用できる(ただし、一度に接続できるのは1台のみ。外付けHDD間でムーブをしたい場合は、いったんレコーダー内蔵のHDDを経由させる必要がある)。レグザブルーレイRD-BR600は、実勢価格で5万円前後、2TB外づけHDDは実勢価格で1万5000円前後だから、もっとも安上がりで、納得のいく環境が整うことになる。
これであれば、テレビ番組も自由に録画ができるし、溜め込んでしまっても問題ない。週末には、DVDやBDソフトを借りてきて、映画や海外ドラマを楽しめるという最高の環境ができあがる。
ところで、HDDレコーダーを買わないという選択をされている方も多いだろう。テレビ本体に、外付けHDDを接続して録画できる機能がある場合だ。この場合は、テレビ番組の録画については最高の環境が整うが、問題はレンタルDVDやレンタルBDを見ることができないということだ。レンタルBDを借りるのは、映画や海外ドラマ、音楽ライブ番組を見たいということだろうから、なにもレンタルBDに限ることはなく、方法は3つある。
ひとつは、WOWOWやスカパー!などの有料放送に加入してしまう方法だ。これなら、録画をしておけば、映画や海外ドラマ、ライブが楽しめる。WOWOWは月額2415円、スカパー!は月額3800円(選べる15HD)なので、BD、DVD、CDを宅配レンタルできるTSUTAYA DISCASの「定額レンタル8」の月額1958円に比べれば割り高だが、録画されていれば好きなときに見られる、返送の手間などが必要ないということを考えれば、どちらがいいかは人それぞれだ。WOWOWもスカパー!もラインナップについてはかなりがんばって最新作の放映をしているので、レンタル店に行っても、新作か準新作の棚以外はあまり見ないという人は、WOWOW、スカパー!+テレビ+外付けHDDという組み合わせでじゅうぶん楽しめると思う。要はWOWOW、スカパー!に自分が見たいコンテンツが揃っているかどうかがポイントだ。
ただし、WOWOW、スカパー!へ加入をして、HDDに録画をしておくという方法は、「自分が好きなときに、いちばん見たいコンテンツを楽しむ」というわけにはいかない。放送がされなければ見ることができないからだ。たとえば、「今日は1日、海外ドラマの第1話から最終話までをぶっ通しで見たい!」あるいは「友人から薦められた○○という映画を今すぐ見たい!」と思ったときは、WOWOW、スカパー!では厳しい。やはりレンタル店にいって、借りてきた方が早い。その点、あくまでも「放送を録画して視聴する」という方法なので、多少の不自由さはつきまとうのだ。 そこで、第2、第3の方法を、次回ご紹介したい。