10月8日に、エコポイント制度の見直しが閣議決定された。内容は、いかにうまくフェイドアウトさせるかという点が巧みに考えられているものになっている。ポイントは、次のふたつだ。

・12月以降は、エコポイントの点数を見直し、ほぼ半減となる ・来年1月以降は、エコポイントの対象が「省エネ性能5つ星」かつ「買い替え」に限定される。それにともないリサイクル加算は廃止される

この制度変更にともない、いつテレビを買うべきなのかを今回は考えてみよう。

11月末までは現行のエコポイント制度が適用される。12月になると、エコポイントの額が半減されるが、適用条件などに変更はなし。1月になると、リサイクル加算が廃止され、エコポイントの適用対象が省エネ性能5つ星、買い替えのみになる

結論からいえば、11月中に買っておくことがベストなのはいうまでもない。現行のエコポイント制度がそのまま維持されるのだから、いちばんお得になる。しかし、予算的な都合や、置く場所の問題などから、11月中にテレビを買うのは難しいという方もいるだろう。特に考えておかなければならないのが、12月はボーナス月だということだ。「ボーナスがでたらテレビを買おう」と考えている方も多いはずだ。 さらに、12月は年末商戦で、メーカーが1年でもっとも力を入れている時期で、新型モデルを投入してくる。最新機種が欲しいという人にとっては、そこで購入をしたいだろうし、旧モデルも新モデルが登場すれば価格が下がり始める。いわゆる「型落ち」を狙いたいという人もいるだろう。

では、最新機種を買いたいという人はいつ買うべきだろうか。今年の年末商戦の目玉は、LEDパネルである。各社、今年の夏にLEDモデルを投入してきたが、年末モデルでは、画質の更なる向上が予想できる。LEDは個々に光量を調整できるので、画面の暗い部分では光量を落とし、明るい部分では光量をあげるというきめ細かい調整をすることで、コントラストがあがり、結果として画質が向上するのだ。バラエティ番組やニュース番組など、画面全体が常に明るい番組ではあまり差はでないが、映画や音楽ライブなど、暗い画面が基調の番組を楽しみたい人は、LEDモデルを考えておきたい。

このような画質向上は、現行のLEDモデルでもじゅうぶんに行われているが、最新機種では、さらにパネルとの相性や、調整アルゴリズムの見直しなどのチューニングが当然進化しているはずだ。画質にこだわりたいという人は、最新機種を買っておく方が間違いない。

この場合、やはり最新機種が登場する12月に買うのがベストだと思われる。エコポイントは半減してしまうものの、満足感は大きいはずだ。

一方で、最新機種にこだわらない、型オチでけっこうという人は、11月中に購入しておくのがベストだろう。なぜなら、最近のテレビは「型オチを安く買う」という買い方がだんだん通用しなくなっているからだ。メーカーの在庫調整、生産計画が極めてうまくなっていて、新型モデルが登場後、短い期間で旧型モデルが売り切れてしまう。人気機種の型落ちについては、12月に新型モデルが登場後、年末までには売り切れてしまうと考えておいて方がいいだろう。逆に年明けまで在庫が残っている旧型モデルというのは、なんらかの不人気要因がある可能性がある。

旧型モデルの在庫がすぐになくなるということは、販売店側からすれば、価格をさほど下げずに売り切れるということだ。40V型(新規購入)では、現在2万3000円分のエコポイントがあるが、これが1月からは0円になってしまう。1月以降、型オチモデルの価格が2万円以上安くなるかといえば微妙なところだ。機種にこだわらない人であっても、やはり11月中に購入してしまうのが賢いだろう。

年末のボーナスを原資に考えている人は、量販店などで行っている「ボーナス一括払い」を利用するといいだろう。購入は11月になるので、エコポイントはしっかりもらえ、実際の支払いは12月という支払い方法で、エコポイントの制度見直しを踏まえ、販売店ではこの「ボーナス一括払い」に力を入れ、ポイントなどの特典を優遇してくることも考えられる。

買い替え購入を考えているが、いろいろな理由で11月中には無理という人は、思い切って3月いっぱいまで先延ばししてしまうのもひとつの方法だ。買い替えであれば、エコポイントは半減するものの適用される。年明けにはテレビの販売量が、新規購入のエコポイントが終了することで、一時的に落込むだろうから、2月、3月は年末の新型モデルの価格が下がってくることも予想できる。11月中に買った場合のエコポイントと比べれば、だいぶお得感はなくなるが、それでも1万円程度のエコポイントは小さくない。

また、4月以降は、アナログ停波まであと3ヶ月(実質2ヶ月)となり、駆け込み需要が高まっていく。特に地デジチューナーと26V未満の小型テレビでは、在庫不足があちこちで起こり始めるだろう。買い替えを考えている方は、エコポイントやその他のことを考えると、11月末、次は3月末というのが、ポイントになってくるだろう。

政府の地デジ化作戦もそろそろ終盤に入ってきたようだ。今までは、待てば待つほど得をするという感覚があったが、これからは早ければ早いほど得をするという制度に切り替えられていく。まだ、地デジ化がお済みでない方は、早めにしておいた方が得策だ。