受信エリアかどうかをまずはチェック
アナログ停波後もテレビを観続けるには、地デジ対応テレビに買い替えるのが基本だが、その前に自分の住んでいる地域が地デジの受信エリアになっていなければ話にならない。現在すでに97%の世帯で地デジが見られるようになっているので、ほぼ見られると考えて間違いはないが、これから開局する中継局などもあったりして、いつの買い替えがベストタイミングなのかは難しい。今回は、お住まいの地域での買い替えベストタイミングをタイミングを探ってみよう。
携帯ワンセグが受信できるかどうかが目安
最初にチェックしてほしいのは、近所でワンセグが受信できるかどうかだ。ワンセグも実は地デジと同じ電波、同じ電波塔を使って発信されている。ワンセグ付き携帯電話などのアンテナは貧弱なので、近所でワンセグが受信できるというのであれば、お住まいの地域は地デジ受信に不安がないと考えてよい。
Dpaのサイトで受信エリアかどうかをチェック
「ワンセグが受信できない=地デジエリアではない」ということにはならない。携帯電話などのワンセグはアンテナが貧弱なので、受信感度が低いのだ。お住まいの地域が地デジの受信エリアに入っているかどうかは、デジタル放送推進協会(Dpa)のサイトで確かめることができる。「地デジ放送エリアのめやす」というコーナーで、地図表示なのでわかりやすい。放送塔のアイコンをクリックすると、その放送塔の受信エリア表示がオンオフできる。この地図で、お住まいの地域が受信エリアに入っていれば問題ないと考えて差し支えない。
エリアの端の地域では要注意
ただし、受信エリアの端に位置している場合はちょっと注意が必要だ。この受信エリアはUHFアンテナで受信できるエリアを示している。今までUHFのアナログ放送を見ていた人なら、そのまま使っても地デジは見られることになっているが、受信エリアの端の地域では、より高感度のアンテナに交換したり、アンテナの向きや高さを調整しないと、うまく受信できないこともある(雨などの日にコマ落ちが起きるなど)。
また、隣の県の中継局からの電波を受信した方がうまく受信できることもあるなど、地域によって事情はさまざまだ。このあたりの事情は、地元の電器店、量販店などが詳しい。エリアの端の地域の人は、できるだけ地元の電器店、量販店などでテレビを買うようにして、そのときにアンテナ工事についても相談するようにするとスムーズだろう。
まだまだ開局する中継局もある
地デジの視聴エリアは、すでに世帯数で97%を超えているが、これから新設される中継局も100以上ある。ほとんどは難視聴地域向けのものだが、一応チェックしておいた方がいい。これもDpaのサイトの「中継局の開局予定」というコーナーで見ることができる。すでに地デジが見られる場合でも、近所に新たな中継局ができた場合、そちらからの方がうまく受信できることがある。もし、近隣に中継局の開局予定がある場合は、その開局を待って地デジに乗り換えた方がいいというケースもあるのだ。今、地デジに変えると、アンテナ工事が必要になるが、新たな中継局ができた後であれば、今のアンテナでよかったなどということもありえる。この辺りも、詳しいのは、やはり地元の電器店、量販店だ。
総務省の地デジロードマップでしっかり確認
近所の電器店にいったら「この辺りは地デジがうまく受信できない」といわれるケースもあるだろう。でも、2年後にはアナログ放送が終わってしまうのだから、心配だという人もいるはず。そういう人は、総務省の公開情報で地域情報をチェックしてみよう。総務省の「地上デジタルテレビ放送に関する公開情報」で、市町村別のデジタル放送状況を確認することができる。表計算ファイルの形式になっていて、市町村別に2009年末カバー世帯、2010年末カバー世帯の他、共同受信をしなければならない世帯数、最終的な難視聴世帯数などの調査結果が掲載されている。ここを見れば、いつ頃地デジが見られるようになるかが一目瞭然だ。
アナログ停波1年前ともなると、電器店、アンテナ工事会社には注文が集中し、アンテナ工事を待たされる可能性も出てくる。もし、お住まいの地域が地デジOKであるなら、今年の夏、あるいは冬のボーナス時期に地デジへの切り替えをすませておくのがスムーズだろう。
Dpaの地デジ受信エリアのめやす。周辺の放送塔、中継局のどこから受信すればいいかの目安になる。放送塔アイコンをクリックすると、放送エリアの表示をオンオフすることができる |
総務省の地デジ公開情報を見れば、住んでいる自治体の地デジ状況、難視聴世帯数など、細かい数字を知ることができる |